たんこぶ。 どうやらこの漫画は、 ドラマ化されているようだ。 たんこぶはどうなっているのだろう。 さすがに登場してないのかな。 テキストで表現されているのかな。 何ともユニーク、面白い。 ジョバンニとカンパネラ。 銀河鉄道の夜。 肉欲の現実性とロマンチックな物語。 そのバランスはいったい、 どう両立するのだろう。 どこでスイッチが切り替わるのだろう。 それともそれらは両極に位置するものでなく、 繋がっているものなのだろうか。 偽装不倫。 婚姻を偽装して、その上で不倫
羽根藩シリーズの2作目。 1作目「蜩ノ記」は「隠密の花」がテーマ。 表舞台ではなく、誰にも評価されぬ、 それどころか無実の罪にて切腹が決まった中で、 誠実に清廉に生きる男の姿を描く。 対して2作目は「落花を咲かす」がテーマ。 一度落ちた花は、咲くことがない。 それでも、もう一度咲かそうという物語。 人生をやり直す、再起を果たすことは可能なのか。 人は挫折から立ち直ることができるのか。 堕ちるところまで墜ち、ボロボロとなっても、 そこから這い上がることが出来る。 そんな強いメ
純愛のシチュエーションには、 どういったものがあるだろうか。 いがみ合う両家の認められぬ愛。 醜い容姿、深刻な症状を追う相手に対する、 献身的な愛。 自分が得るものは何もない。 相手を想い、相手に思われる。 愛のための愛。 障壁が高ければ高いほど、 それを乗り越える愛は深まる。 どうやらそうしたシチュエーションでは、 現代の純愛は測れないようだ。 多様な価値観が乱れ咲き、 共通認識がなくなりつつある今、 ある種、特殊な設定が必要なのかもしれない。 不倫。 結婚ではなく、
スターと一般市民。 その接点はあるだろうか。 たとえ、かつての幼馴染だとしても、 そんな簡単には会えないかもしれない。 スターの日々は忙しいし、 プライベートで行動しようとしても、 その範囲は制限される。 自由に街角を歩くわけにはいかない。 光の当たる世界とは裏腹に、 影となる部分も多い。 誰かの強烈な支持を受けるということは、 その反動の批判や否定も強くなる。 主人公の仕事内容は、芸能ライター。 といってもゴシップを専門に扱う、 スキャンダラスな内容だ。 一般市民といって
佐々木倫子さんが描く物語の主人公たちは、 僕が知る限りいつだって破天荒な女子だ。 時にふてぶてしく、時に天然に、 恐ろしいほど自らの欲望に正直で、 常識だとか相手の気持ちだとか吹っ飛ばし、 自分を中心に回る世界の中で生きる。 普通であれば、わがままで我慢ならぬ奴と、 周囲から露骨に敬遠され、 爪弾きにされてもおかしくない。 それなのに主人公たちは、なぜか嫌われはしない。 それどころか、周囲は主人公に振り回されながらも、 どこかそれを楽しむ気持ちになり、 ほって置けない気にさ
久しく離れていて戻った際、 すんなり戻れる物語ももあれば、 なかなかその世界観に浸れないこともある。 どちらが優れているとは、簡単には言えない。 自分の暮らす世界と親和性が高ければ、 比較的すぐにその世界に入っていきやすい。 一方、自分の住む世界からかけ離れるほど、 その距離の分、飛び込む時間が必要だ。 正直にいって、久々にこの物語を読み、 その世界に入り込むまで時間がかかった。 登場人物たちの心に共感するのに苦心した。 彼らがたどり着いた地平は、 一般人の生活からはみると
この表紙の顔ぶれ! 今の日本代表に負けずとも劣らなぬ存在感だ。 それぞれの個性が際立ち、聳え立つ11の男たち。 巻末近くにパリサンジェルマン来日、 ジャパンツアー2022の広告が掲載され、 そのコピーは「全員、超人。」だ。 この表紙に並ぶ横に、 そのコピーがあっても違和感はない。 2002年から2022年。 あれから20年がたったか。 今や日本代表の大半は、欧州組が占める。 いやひょっとすると、全メンバーが欧州組か。 2022年の代表メンバーが発表前ということもあり、 現役
とんでもないエースに化けるかもしれない、 「バカ枠」採用の女子と、 その面倒を見る優秀な「バカ係」の男子。 バカ枠女子はその馬鹿さぶりを存分に発揮し、 バカ係男子もまたその優秀さを髄所で見せる。 報道と情報と所属部門も異なるのに、 ことあるごとに二人は引き寄せいあい、 時に行動をともにする。 バカ係男子は心底、 バカ枠女子にうんざりしている。 その無神経さ軽率さに心乱れまくる。 夢にまで見てうなされる。 バカ枠女子はバカ係男子を、 自分をフォローしてくれる奴、 困った時に頼
人が影響を受けるものは何だろう。 書籍だろうか。映画か。 スポーツか。芸術だろうか。 それとも日常のほんの些細な事か。 ありとあらゆるものに、人は影響を受け得る。 ただ何より人が影響を受けるのは、 人なのかもしれない。 書籍にしても、映画にしても、 スポーツも芸術も日常も。 そこにある人の気配に、 人の物語に影響を受けるのではと思う。 冤罪と思われる裁きによって、 切腹の時を待つ戸田秋谷。 城下から離れた村に幽閉される彼と交わると、 すべての人が変わるという。 清廉にして潔
飽食の時代。 食べ過ぎより、 良いものをちょっとだけ食べる方が、 知性を感じさせる。 ドカ食いや肥満は、 だらしなさや怠惰さを感じもする。 ほっそりしなやかな身体の方が、ウケがいい。 流行りだ。 でも時代を遡れば、 あるいは今の時代でも国が変われば、 ふっくらが憧れだったり、 富の象徴だったり、流行りだったりするわけだ。 食べるという行為は、 人間にとって、いや生物にとって重要な行為だ。 生きる行為そのものともいえる。 熱意や意思を感じさせる。 今や、熱意や意思さえも 流行
中表紙の写真がいい。 図書館の通路で本を抱え、 カメラに向かって笑みを浮かべる。 もし様々な制約条件なしに、 自分が選んだ職業に就けるとしたら、 どんな職業がいいだろうかと考えることがある。 僕の中では、図書館員は上位候補に挙がる。 本に囲まれた中で、 自分のペースで本に関わる業務を行い、 本を愛する人たちに対応する。 幸せのひとつの形。 まあ、それほど良いことばかりでなく、 僕らが知らぬ辛いこと大変なことが、 たくさんあるのだろうとは思うけれど。 穏やか陽だまりの中の静か
もし、あの日あの時あの場所で、 あの出来事が起きなかったとしたら、 起きたとしたら・・・ 一体どうなっていただろう。 どうならなかっただろう。 すべての物事は変わり続ける。 そもそもが不安定な人間は尚更、 ちょっとしたことで、些細なことで、 瞬時に変わっていく。 次の瞬間、次の一瞬、どこにいるか分からない。 変わらないと思っていたものが、砕け散る。 登場人物たちの距離感・関係性は、 どんどん変わっていく。 近づいたり遠のいたり。 ただ高速で走る人の横で高速で走ると、 そのス
一冊で3つの物語を楽しめる本。 将来を嘱望された銀行員が仕事で失敗し、 地元の書店チェーンに出向となる。 かつての勢いをすっかり無くし不振にあえぐ書店。 銀行からは債権回収をすることを望まれ、 書店からはリストラを警戒される。 海外赴任した奥さんとは疎遠と四面楚歌。 1つ目の物語は、逆境から這い上がる男の物語。 粘り強く周りを味方につけ、 周りによって自分自身も変わる。 2つ目は、ビジネス書としての物語。 企業再生を果たす中で、 経営のノウハウ・視点・知識を学ぶことが出来
久々の子熊ちゃん。 相変わらずの熱き編集者魂。 他人の面倒をどこまでも見る姿勢がすごい。 それを頑張ってやるのではなく、 当たり前にやってしまうところ、 楽しんで何気なくやるのがいい。 根っからの編集者体質なのかもしれない。 自分が主役になれるタイプなのに、 誰かを応援する方、支援する方に回る。 こんな心強いこともない。 そんな子熊ちゃん、今回は合コンにも参加する。 どうやら興味があるのは、 メンズではなく料理の方のよう。 どんなことを振られても、恋ではなく、 ひたすら料理
モノトーンに浮かび上がる、 ファッションモデルのような男。 細身で引き締まった身体に、 自信と繊細さに満ちた表情。 モンスターと呼ばれる男。 ボクシング軽量級界の頂点に君臨する。 井上尚弥。 ボクシングに疎い僕ですら、名前を知っている。 顔を見れば、この人だとわかる。 それくらい圧倒的な人だ。 チャンピオンであり続ける。 無敗。 攻めても良し、守っても良し。 打たれないから、きれいな顔のままだ。 日本が誇る世界チャンピオンたちが、 井上尚弥のどこが凄いのか語る。 左ボ
物語の設定が上手いと思う。 東京でゴシップサイトの記者となって主人公。 地元でワイナリーのオーナーとなった幼馴染。 子どもの頃の初恋の相手、年下の男の子は、 超人気の俳優となって現れる。 経済的社会的成功という意味では、 主人公が一番不幸だ。 昼も夜もなく、ひたすら仕事に追われている。 どうやら主人公は今の仕事が嫌いではない。 幸せとまではいかないものの、 充実感を覚えている。 幼馴染は主人公を不憫な状況ととらえ、 結婚したいと考えている。 子どもの頃から、 ずっと好き