<おとなの読書感想文>くまとやまねこ
出先から戻ってきて、朝出かけたときと同じようにちゃんと家が建っているのを見ると、奇妙な気分になることがあります。
通常は、自分の不在時に火事が起きていたり、どろぼうが入ったり、川があふれて水浸しになったりしている可能性は、それほど高くありません。
まず起こり得ないだろうと思う気持ちを担保に、戸締りだけ確認して気兼ねなく家を出て行きます。
それでもふと、こうしたことが「あたり前」ではないんじゃないかと感じることがあるのです。
奇妙な気分はこういうときに現れます。
日常は、ある