【残滓】 朝7時。 雨上がりの舗道は太陽の光が反射して 目も開けられないほど眩しかった。 白露も過ぎたのに、夏の力を振り絞るように 太陽はギラギラしている。 電線から落ちる雨の雫を避けると 目の前に雲を閉じ込めた水たまり。 「シャッ」自転車が切る水飛沫 もう終わった夏の声。
残滓(ざんさい) という言葉をはじめて知る 残り滓(のこりかす) 風の時代へと時代が変わった今 前時代のものが 日本は残り過ぎてんだわ ふるき良きものはのこし、 ふるき悪しきものはなくしましょう。