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20241216「粒金」

割れた画面を
更に割って
粉々に粉砕して
更にどろどろに溶かし
僅かばかりの金を得る
それが何なのかは
知らないが
それが在ることは知っている
地上のどこか
海のどこか
そのひとつだけが
ここに在るとするのなら
わたしはもう
それでいい
何かの滓が残るだけ

見つけられないそれらは
どこかで眠っていて
朝だよって
呟いたら
もう少し眠ってるからって
また静かになっている
真珠が太るまで
そっと横になり
塩を舐めて
海流に流され
どこどこへと移動して
適宜反応しつつ
現れる物語を綴りつつ
また読んでいる
放流の渦で回転数を上げている

割れた破片を継ぎ接ぎして
すっと細く線を撫でる
焼かれた土や砂
何度も洗われ
摩耗しつつ
欠片を研磨して
ひとつの印として
残っている
多くは隠れ
目に見えるだけの表面を
傷つけながら
細かいそれらを
無いことにしては
修復しつつ
ひっそり残っている

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snufkinsmile
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