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Poetry does not die

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Seiji Arita HP

初期の頃からの過去作品を中心に 公開しております 見て頂けたら幸いです

    • 太陽が捕らえた街 《詩》

      「太陽が捕らえた街」 笑顔の固定された少女の人形が 床に転がる 淡いブルーの夏用のワンピースに 赤い靴 其の靴の赤だけが  些か不似合いで際立って見えた 昼下がりでも薄暗い部屋の中で 生温いビールを飲んでいる 足元には 妙な匂いのする犬が眠っている 彼女と暮らし始めて三か月が経っていた 陽当たりの悪い古い平家の一軒家だ 近くに多摩川が流れている  理想的な環境とは言い難いが  いざ物件を探してみると  なかなか良い住まいは見つからない アパートは嫌だ

      • ベルが鳴る 《詩》

        「ベルが鳴る」 僕等は同じ夢物語を見ている  見ていたはずだった 唐突に電話のベルが鳴る  何度も何度も ベルが鳴る 僕は其の電話に出る事は無かった 彼女からの電話だと言う事は 僕にはわかっていた 単調で無個性な雨が降り続いている 窓の外はいつも雨が降っている 雨を見ながら煙草を吸った 煙草には味が無かった  きっと昨夜ウィスキーを 飲みすぎたせいだ 海辺のカフェ 僕の他に客は居ない ウェイトレスも何をするともなく ぼんやりと窓の外の雨を眺めている

        • ミドリ 《詩》

          「ミドリ」 不透明で甘美な匂いを含む 優しげな光の花粉が ゆっくりと舞い降りる 失われそうな 愛を語る歌が聴こえて来る 愛してると愛してた  其の言葉は風の様に空に吸い込まれる ある瞬間には全てが存在し  次の瞬間には全てが失われる 彼女は僕の 愛してるの言葉を手のひらに乗せて 何度か転がして微笑んだ  小さな雲の影が芝生に映る 君の持つトランジスタ ラジオからは 間違えた歌が流れていた 失われた愛と悲しみで 世界は出来ている… ポケットからクシャク

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        記事

          さよなら 愛しい人 《詩》

          「さよなら 愛しい人」 起きて見る夢 愛だけを残して 僕はただ其処にある空白に従属する 何かが不意に通り過ぎる そう風だ 一陣の風が通り過ぎて行く  何も奪わずに想いと意志を与えて 自分が自由だと感じれる 唯一の状態が此処にある  其れは空白の中だ 僕の内面 混沌とした闇にある 毒と向き合う ある場合には致死量に匹敵する 毒性を含むものだって 其処には存在している 現実と幻想が入り混じる 君は其の事を誰よりも知っている 何かが燃え尽きた後の虚脱感 其処

          さよなら 愛しい人 《詩》

          ONE LOVE Prod.Tobi 《朗読》

          ONE LOVE Prod.Tobi 《朗読》

          ONE LOVE  Prod.Tobi 《朗読》

          春花秋月 《詩》

          「春花秋月」 春の花が咲いていた  時折 雨も降り風も吹く  それでも いつか陽の光が差す  そんな夢を見続けている あの日 君は僕の知らない誰かと 楽しそうに話をしていたね 何でも無いふりをして 君の横顔を見つめていた  そんな僕の事を君は知らない 何処の誰よりも  僕は自分の事を 偽り続ける事が上手くなっていた ドフトエフスキーの長編小説を 1カ月以上かけて読む君に惹かれた いつだったか 君と話したね 貴方が不幸だと思うのは  貴方が幸福である事

          春花秋月 《詩》

          彼女の靴音 《詩》

          「彼女の靴音」 聞き慣れない靴音  ストッキングをはいた優美な足で 静かに謎めいた微笑みを浮かべて 近づいて来る 好んで自らを語らず  暫しの沈黙と的確な言葉で リアリズムと非リアリズムの 狭間にある世界を語る 其れは何処までが現実で何処からが 幻想であるのか  よくわからない物語だった 現実と幻想が近づき離れ  また近づきリンクして行く 幾つものファクターが 独自のバランスを保つ 複雑ではあるが 其の物語が持つ中毒性のある 世界観に魅せられた いつ

          彼女の靴音 《詩》

          SELFISH Prod.Tobi 《朗読》

          SELFISH Prod.Tobi 《朗読》

          SELFISH  Prod.Tobi 《朗読》

          夜空の観覧車 《詩》

          「夜空の観覧車」 今の質問の答えを正直に言うなら 答えはイエスでありノーなんだ 僕の思考意識の段階で 違う判断をし 違う方向に進んでいたなら 仮説を幾つも重ねた其の先には 今とは違う自分が存在する 誰と繋がり生きて行くのか 全ては不可能でも不可解でも無く 他人事でも無い 孤独に生きて行く事の価値と美学を 君の詩から読み取る事が出来る 君の生き様が僕の感性と重なり合う 僕が君であった可能性だって 十分に考えられるからだ 形にはならない連帯意識が 此処に

          夜空の観覧車 《詩》

          花唇 《詩》

          「花唇」 咲き誇り揺れ舞い誘う花唇 想いの数だけ言葉を重ね そっと此の手で触れた柔らかな花 ただ ひとつの願い事  祈りは瞬く星明かり 立ち止まり 振り返り  また歩き出す 栞を挟んだ 此のページに書かれている  終わりの無い物語 悲しみの雲と刹那の雨  希望の虹と柔らかな陽の光 夜空には同じ想いを抱いた 小さな星が並んでいる 僕は其の星の輝きに耳を澄ませる 貴方と同じ夢を見ていたい そう言ってくれた君を 誰よりも大切に思う 夢を見ていたい いつま

          花唇 《詩》

          夢のほとり 《詩》

          「夢のほとり」 ひとつ またひとつ色を重ねて 見えるだろう 最後にはきっと救われる 世界はいつか 弱者に救いの光を与えてくれる 僕等にも虹が見れると信じて 激しく降りつける雨も我慢して来た 一日はとても長く 嘆きの雨は降り止まぬ そして きっと 人生は短い 誰のもとにも陽が照らされるのなら 彼女は何故に…     僕等は  さよならを告げる為に 出逢ったんじゃない 見上げて落ちた 星ひとつ 生まれ変わったら きっと そんな 貴女の言葉を想い出す

          夢のほとり 《詩》

          反社会的文士 Prod.Tobi 《朗読》

          反社会的文士 Prod.Tobi 《朗読》

          反社会的文士 Prod.Tobi 《朗読》

          文学的自我 Prod.Tobi 《朗読》

          文学的自我 Prod.Tobi 《朗読》

          文学的自我 Prod.Tobi 《朗読》

          奇形児 《詩》

          「奇形児」 僕等は震える手で 銃を握りしめている 不思議な戸惑い あるいは違和感  位相のずれの様なものが 僕の中に残っている 氾濫した情報は朝から晩まで 垂れ流し続けられていた 真実はいったい何なんだ  とても単純な疑問だ 目に見える余計な装飾品を 全て取り去ってしまえば あるいはそれほど 不思議では無いのかもしれない 正義と悪だとか  正気と狂気だとか 健常と障害だとか  誰の目にも見え  指を差し非難する事の出来る 明白な対立を 欲している世

          奇形児 《詩》

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          息子のYouTubeチャンネルです DJ Tobi と言う名前で ビートトラックを作っています 見て頂けたなら幸いです。 僕が詩を朗読する時のトラックで 使おうかな それも良いね 息子、まだJDを 始めたばかりなんだよね 聴いて頂いた方  こう言うのが好きな方 高評価、チャンネル登録して頂けたなら喜びます 宜しくお願いします。

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