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Poetry does not die

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Seiji Arita HP

初期の頃からの過去作品を中心に 公開しております 見て頂けたら幸いです

    • 恐竜の森 《写真》

      Photo : Seiji Arita

      • 彼女はレゲエしか聴かない 《詩》

        「彼女はレゲエしか聴かない」 一晩中降り続いた雨が 何も無かった様に止んだ朝 近づいて行く様で遠ざかる夢 色褪せた目の前の景色でさえ 愛して行くと誓うから  僕は声に出してそう言った 誰に わからない  遠い記憶の中の 自分に言ったのかもしれない 何処からか聴いた事のある レゲエミュージックが聴こえて来た グラマラスな彼女は 「秘密の花園」と言う詩を書いて 僕に朗読してくれた 濃い目のロマンチックが夕陽の様に 僕の意識の中に映し出された 僕は「死

        • モンブラン 《詩》

          「モンブラン」 ひとつの生き方を提示する様に 月の周りに虹の様な輪が見えた 何年も前からの 夏の幻影を見ている様だった 無価値で道徳心の欠片も無い 侮蔑された夜に月暈とは… 今夜は幸運が降り注いで来る予感がした 僕等は車のトランクに バールとハンマーを入れて 目的の場所に向かっている ヒールのかかとが取れかかっていた 新しいヒールが 欲しいと言っていた彼女は  靴屋に行って  あれこれ見回している  結局 ヒールは買わずにナイキの スニーカーにする

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        記事

          STAY GOLD 《詩》

          「STAY GOLD」 僕等は夢の中で生きている いつも どんな時でも一緒だった 本当に不器用だよな お前は  わかってるよ 機械的に暗記された即効性と 功利性志向に塗り固められた壁が 押し寄せて来る 其処には数値化された結果重視の 硬直性が澱み無く立ち塞がる 熟成した社会における例外は 致命的な悲劇であるかの様に評価され 其の人間固有の抱える 構造的な欠陥であり 社会構造内にある責任は不在である そして意図的に人目から隠蔽される 僕等の矛盾はそのまま

          STAY GOLD 《詩》

          スリム•シェイディ 《詩》

          「スリム•シェイディ」 本物のスリム•シェイディは 立ち上がってくれよな ごく普通の俺なんて 誰も見たくないだろう だから俺は奴を創り出したんだ  偽物なんかじゃ無いぜ 本物のスリム•シェイディさ 模倣するのはやめてくれ 赤い口紅が唇からはみ出してる  其処のお前 お前が最初にフェラした男の 名前を教えろよ サイコパスとかジャンキーだとか 窓の無い部屋だとか 毎日 薬の数だけが増えて行く サンドイッチに挟んで生温い珈琲で 身体に流し込む 俺が図書室

          スリム•シェイディ 《詩》

          反社会的文士 《詩》

          「反社会的文士」 特に希望も無く絶望も無く 目の前にある景色を見ていた 僕が世界を無視するのと同じ様に 世界もまた  僕を無視し続けている 何も無いところから 架空の物語は生まれる 内的な衝動が形像を 立ち上げて行く 反俗的な理想像 破綻と混沌の中で文学を生み出す 反社会的文士 僕等は意識の足元の深い底にある 寡黙な闇に降りて行く 誰もが其処に混沌を持つ 脈略を欠いた記憶の断片を 拾い上げ言語化して行く いつかは其の記憶も自然淘汰される 琥珀に沈ん

          反社会的文士 《詩》

          六畳一間のドンキホーテ 《詩》

          「六畳一間のドンキホーテ」 満たされないと泣いているのは きっと満たされたいと願うから 僕等は源泉を探している  純粋で世界で一番綺麗な水を 其処に辿り着くには流れに逆らって 泳ぎ進まなくてはならない 流れに乗って下って行くのは ゴミだけだ 良い言葉だ  理屈や理論は特に必要とされていない 六畳一間の窓の無い君の部屋の壁に 窓を削って作っている 毎日毎日  時間をかけて隠し持った ナイフで窓を削った その窓から見える景色を想像した そして  その窓か

          六畳一間のドンキホーテ 《詩》

          魔法使いと詐欺師 《詩》

          「魔法使いと詐欺師」 幻滅 其処には何か間違ったもの 正しく無いものが含まれている 健全な想像力が失われて僕等の 心には後味の悪い失望感だけが残り かつて掲げられた正しき スローガンや美しいメッセージすら 今は その正しさや美しさを支える だけの魂の力が欠落している 全ては空虚な言葉の羅列に過ぎない 僕の表現する事柄や発する言葉が おそらく同じ様な種類の人々に 受け入れられて 同じ様な種類の人々を苛立たせる 其れは僕自身の 生まれ持った資質に等しい

          魔法使いと詐欺師 《詩》

          トルストイと犬 《詩》

          「トルストイと犬」 戦争と平和とか アンナ•カレーニナとか 随分前に読んだ気がする  どんな内容だったのかは もう 覚えてないけど  歳下の女の子  18歳くらいの少女が トルストイを連れて来た 流れ進むのは我々であって 時では無い ねぇ 声が聴こえるでしょう 合唱隊がふたりに祝福を与える様に 歌声を響かせている ねぇ 聴こえるでしょう 本当の物語は此処にあるの 私の部屋のリビングルームに 契約書なんて無いわよ  そう言って微笑んだ 何処か寂しそう

          トルストイと犬 《詩》

          夏のしっぽ 《詩》

          「夏のしっぽ」 夏草 蔦の葉  東に延びる給水塔の影 ひしゃげた自転車 立ち乗り  君のスカートが揺れている 家にあった花火達 掻き集めて持って来たよ 打ち上げ花火やロケット花火も まだ残ってる 河川敷 裸足になって膝まで入った  沢山持ってるよコーラ飴  溶け始めたシロクマアイス 18時のサイレンが鳴っても 僕等の午後は終わらない 森を見に行こうよ今夜  知らない道を歩いて 運動靴は風になる あの時  世界に続く道は真っ直ぐだった 宇宙の壁に張り

          夏のしっぽ 《詩》

          黄泉国 《詩》

          「黄泉国」 また夢を見た辛い夢を  其れが少女からの最後の メッセージだった ただ意識を集中する  イメージが自律的に動き始める 妄想的な暴力性が 暴走を始め混沌の中に深く沈み込む 身体と意識が壁を抜けて行く 既存のメディア認識により成立した世界で 即席的なロマンチック•ラブが 大量生産されている インスタントな愛の営みと欲求と快楽 本質的なロマンチシズムに 性的関係はあってはならない 他殺や自殺によってのみ 癒される人間は存在する 私は夢の中で何度

          黄泉国 《詩》

          自己治療 《詩》

          「自己治療」 全ての事柄は一般的な 興味に合わせて形成されている 其処には本質的な答えなど無い 青春とか純愛とか正義だとか 其れとは全く異なる趣旨を持つ 自己治療に似た行為が僕に 言葉を綴らせる 僕の前を車が通り過ぎる 君の住む街のナンバーだった なんだか其れだけで少し嬉しくなった その景色の背後にある 内面的なイメージが 僕に幸せなストーリーを語りかける 課題も無く物語は景色の中を生きていた 何かを求め続けていた だけど最後には求めていたものが 跡

          自己治療 《詩》

          箱庭 《詩》

          「箱庭」 自然に流れる思考水路  幾つかの可能性を示唆し僕自身を導く 焦点をひとつに定め 鋭く意識を其処に集中させる だからと言って簡潔に 要を得ている物語が降りて来る訳では無い 色々な外部的価値には たいした意味は無く 想いの全てを言語化する必要も無い 僕は意識と現実の中間にある 箱庭に居る かつては其処にあった体制に向かい 反体制の旗を掲げる事が出来たが 辿り着いた場所には反抗しようにも 反抗すべき物が殆ど 残って居ない事に気がつく 心の片隅で

          箱庭 《詩》

          マーメイド 《詩》

          「マーメイド」 絶望的観測から生まれたこの身 寂れた街を夜な夜な彷徨う 酒臭い男達の濁った日 下から上まで絡みつく視線 腰に回された手に身を委ね 私は私をまた穢して罪を塗りつぶす 愛なんか知らない人を信じない 一夜限りのイミテーション 安いアルコール口移し 酔った振りして悦ばせ ホントは私の中身は空っぽ だから今夜は泡と消える Kazu 「マーメイド」 狂いそうな程の大人の匂いがする 惨忍な夜に 酷い嘘をつき あてのない夢を見る 午後を通り過

          マーメイド 《詩》

          線香花火 《朗読》

          線香花火 《朗読》

          線香花火 《朗読》