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20241003「眠れない夜のこと」

眠いのはきっと
君のせい
とは言っても
そうでないのは明らかで
わたしが眠れないのを知ってるから
いつまでも
叶うのに先延ばしにして
うつらうつらの中で
別の夢を見ている
とうに済んだはずの出来事に
まだ火種が潜んでいるから
花火のような火玉が流れる
消火の火消しは届かずに
逆さまになったり停止したり
梯子の先には
雨も降らない

光ったのは確か
眩いくらいにもう譫妄
見上げるくらいにそこにいて
立ち止まっては
逃げるばかり
夜の間に
昼の間に
隨にうろつき
くたばっている
誰がそうさせたかは
知ってるくせに
行動を起こせないのは
身体がどうにも固まっているから
柔軟な思考やアイディアの類
それらも打ち落とされ
網膜に映っているばかり

昼間の光景を焼き付け
夜間に現像しつつ
停止しながら
疎らな定着を夢見ている
今度こそは成功するはず
けれどそんなことは不確実
その様子をなぎ倒す濁流
一滴の涙が豪雨となるなら
わたしたちはどの傘をさせばいいのだろう
穴あきだらけのそれを
突き刺して
その向こうをしっかりと見ておこう
あわれない残滓のやるせなさで
感情も干あがり
また昨日のような今日を過ごす
違う朝がもう明けているのに

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