自分自身の人生を塗り替えるために他の誰かを利用する生き方は、あまりにも目先だけに囚われた考え方だと思っている。人を悲しませる人間に、自分自身を幸福にする力が備わっているとは到底思えない。もしも他人の短絡的な思考によって現在どん底にいるのだとしたら、間違っている方はあなたではない。
「現在から先はいつも未知だ。」 と角田光代氏(先日の『日本経済新聞』朝刊)。未知は自分とかけ離れた存在のように思うが、氏は32年前に一度訪れた能登半島最先端の地・珠洲にそれを感じる。記憶を辿って回る内に魅力に憑りつかれ興味が湧いてきた以上、それは未知だと。未知は常にそばにある。