10月のサンタクロース
どこかさみしいところへ行きたい
10月のサンタクロース
そこはかとなくエヴァーグリーンの草原の匂い
枯れ葉のあたたかな温もり
紅茶の眠る音
空を悠々飛ぶ飛行船
真夜中に聞くとおくとおくの列車の音
パズルピースひとつなくした
そんな気分でトナカイの毛並みを撫でている
冷えた夕風ゆらゆら吹いて
真っ赤な落陽が心臓のようで
10月のサンタクロースの涙の粒がひとつぶ
パンジーの花びらに落ちていった
ウイスキーこぼしながら昔の恋人を思い浮かべる
10月のサンタクロースの悲しい気配が
古