昭和30年代、小学生の夏休み。 親は忙しく、外で遊んで元気でいれば「よし」の時代だった。 一日中、川や神社の境内で遊び、 気がつけば熱を出している。 「暑気あたりだ」と祖母。 うつ伏せに寝かされ、冷えたキュウリの輪切りを背中に貼ってくれて、熱が引くのを待った。 天然の点滴だった。