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#孤高の読書
【孤読、すなわち孤高の読書】“三島由紀夫自決”における独私論
『金閣寺』への違和感
1970年11月25日、三島由紀夫が自決した日である。
その日を私は知らない。
当時幼かった私は、この衝撃的な事件を知るすべもなく、三島の名に触れるのはずっと後年のことであった。
2024年11月、私は京都の金閣寺、そして奈良の圓照寺を巡った。
その旅路は、私の内に巣くう三島由紀夫という名の妄執、あるいは日本文学の鬼才にして狂気の人への探求の旅であった。
そしてまた、あの
【孤読、すなわち孤高の読書】ライナー・マリア・リルケ「ドゥイノの悲歌」
作者:ライナー・マリア・リルケ(1875〜1926)
作品名:「ドゥイノの悲歌」(訳:手塚富雄)
刊行年:1922年刊行(オーストリア)
人間存在の苦悩と美しさ、そして有限性の中に希望を見出す詩的試み。
[読後の印象]
とまれかくまれ、リルケの詩は甘美な旋律が美しい。
その芸術性と叙情性は、おそらくあの大彫刻家オーギュスト・ロダンやフランスを代表する詩人ポール・ヴァレリーとの親交とともに深ま
【孤読、すなわち孤高の読書】マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
著者:マックス・ヴェーバー(1864〜1920)
著書名:「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
刊行年:1904年刊行(ドイツ)
キリスト教信仰と資本主義の繁栄との関係を説いた、社会学の巨人の書。
【読後の印象】
当時の私は金が欠乏していた。
しかし、アルバイトなどという俗世の拘束に身を置く気もさらさらなく、ただ時間だけは不気味なほど有していた大学一年の夏、私は灼熱の陽光に狂わんばか
【孤読、すなわち孤高の読書】アルベール・カミュ「異邦人」
作者:アルベール・カミュ(1913〜1960)
作品名:「異邦人」
刊行年:1942年刊行(フランス)
人生の不条理を問い、意味を超越した孤独と自由を描いた傑作。
[あらすじ]
この一冊が纏う冷厳にして澄みわたる透明な空気には、まるで人間存在の深淵が反射されているかのごとき重みがある。
物語の主人公ムルソーは母の死に直面しても涙一滴も流さず、その無感動さを自然体として携える稀有な人物である。
【孤読、すなわち孤高の読書】ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」
著者:ヴィクトール・E・フランクル(1905〜1997)
著書名:「夜と霧」
刊行年:1946年刊行(オーストリア)
極限の絶望下で生の意味を問い続けた、魂を揺さぶる必読書
人間が極限に追い込まれた時、その魂はいかに生き抜こうとするのか?
本書はまさにその究極の問いに対する著者自身の血と肉と涙が滲む回答である。
アウシュヴィッツ強制収容所において、彼は一切の希望を踏みにじられ、すべての自由を剥
【孤読、すなわち孤高の読書】アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」
作者:アーネスト・ヘミングウェイ(1899〜1961)
作品名:「老人と海」
刊行年:1952年刊行(アメリカ合衆国)
老人の孤独と少年との友情、そして生きる尊厳を問う。
[あらすじ]
ハバナ近郊の小さな町に身を寄せる老漁師、サンチャゴ。彼は歳を重ねた肉体に宿る意志の強さを誇りとして生きているが、その日々は容赦なく彼を試す。魚が全く釣れない日が84日続き、同業者からは嘲笑を浴びる。しかし、彼は