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鋭利な夜に許しを、流れる景色に免罪を
神なんか信じちゃいない。苦し紛れに、思考の外にどうしようもないことを放り出すために僕らが作った偶像だと信じている。それはよく言う思い出、さらにはそこに刻まれた自分自身に他ならない。大したもんじゃない、ただ都合のいいように切り取られた一瞬の思考過程を祀り上げた物でしか無い。
それならばと。ひたすらに思考から逃げ続けただけの藍色の日々を、「死」の甘い香りに絆され心まで売り渡した長い夜の数々を、削
わからないの踏み外し
一つの月を重ねその間怠惰を貪った。
駄食を貪った
惰眠を貪った
無駄の髄まで貪った。
この身を刺す陽光はいささか機嫌が悪いようで執拗に私の活力を欲しがっている。なくなく舗装路に影を落とし、少しばかり生き血を吸うことを許す。
要らないのは無駄。
必要なのは充実した時の流れ。
いつの時からか己の存在を否定できるまでに知恵を蓄えた私たちはどうも生き辛いらしい。
この人生に早く
少しの踏み台、滲むのは感傷
幾つの日が経ったのか、相変わらずの泥を胸に塗りたくって、今日は少しいつもより重い。
雨上がりのアスファルト、煌々と降り注ぐ陽の光は少し寒い足元をほんのりと暖め、少しばかりの慈悲をくれる。寝坊の主人を待つ線路は気だるそうに黒光る。
こんな日でもやはり音楽は聴きたくない。僕の上澄みは音楽が好きだと過信してその形を装っているが事実一人では、一人の生活の中では何も聞かない。人に障られて、人波に当