シボ

喉の奥 青の遠く 撫でる声と 吐かない口
立てない今と 忘れないもの

消えてしまうならば
消えてしまうならば

いつか どうやったって閉じるこの目を
塞ぐ耳を 結ぶ過去を
もう一回て 鳴かないで 
待つ 夕凪の岐路に立つ

「嫌」の詰まった頭に 届かぬ空から溢れる雨
煩わしいと傘をさす いつかあなたがくれたっけ
浮かぶ顔の向こうに 声の一つも届かなくて
新緑の窓辺 煌めく瓶 陽の匂い 見上げた背と
咲かぬ花

消えてしまうならば
消えてしまうならば

いつか どうやったって閉じるこの目を
塞ぐ耳を 結ぶ過去を
もう一回て 鳴かないで
暮れた 夜紛いの空の下で
待つ この胸が止むまで

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