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躁鬱経営統合への道 SOUとUTSU②
SOUさんがやってきた。いつものように、底抜けに明るい笑顔を浮かべている。
「よっ!UTSUはどっか行ったか?あいつは暗くてかなわん。ま、それは置いといて、来年だよ!来年!マジで最高の一年にしようぜ!見てくれよ、この俺のプラン!名付けて『ネクストステージ突入大作戦』だ!」
SOUさんは、ノートに走り書きされた図や矢印で埋め尽くされた紙を広げた。字は大きく、勢いがあるが、整理されているとは言い難い。
「まず、資金繰りだろ?心配ない!俺に任せとけ!今進めてるプロジェクトがいくつかあるんだが、これが大当たりする!いや、大当たり確定だ!そうなれば、資金なんて有り余るほどになる。だから、今は自己投資!自己投資!惜しみなく金を使え!新しいスキルを身につけたり、人脈を広げたり、とにかく自分を高めるんだ!そうすれば、さらに大きな仕事が舞い込んでくる。まさに、正のスパイラルってやつだ!」
SOUさんは興奮気味に続ける。
「短期目標は、3ヶ月以内に月収を倍にすること!中期目標は、半年以内に独立!そして、長期目標は…そうだなぁ、5年以内に会社を設立して上場!どうだ?夢があるだろ?老後の生活資金?そんなもん、心配すんな!俺たちが成功すれば、勝手に貯まっていく!それよりも、今を全力で生きるんだ!人生は一度きり!楽しまなきゃ損だ!」
SOUさんは、ノートに大きく「ドリーム!」と書き加えた。
「UTSUは、貯金がどうとか言ってたみたいだけど、あいつは心配性なんだ。気にすんな!貯金なんて、成功してから考えればいいんだよ!今は攻める時!攻めまくるんだ!わかるか?オフェンスこそ最大のディフェンス!ってな!」
SOUさんは、満足げに腕を組んだ。
「あ、そうだ。UTSUに伝えておいてくれ。来年になったら、新しい服を買いに行こうぜって。UTSUの服、暗い色ばっかりだから、もっと明るい色を着た方がいいって。そしたら、気分も明るくなるだろ?」
SOUさんはそう言うと、次の「ビッグビジネス」のアイデアを思いついたのか、急いでどこかへ走り去ってしまった。
ノートには、走り書きの図と「ドリーム!」の文字だけが残された。
(さて、次はUTSUさんの番か…どうなることやら…)