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エッセンボンノック

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日々考えていることや旅での気付きを言語化したエッセイ集。迷言から名言まで、言葉の宝探しを。写真は旅先での1枚。気が向いたら有料化します。
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#エッセイ

場末のスナックのような

場末のスナックのような

僕は日々、場末のスナックのようなものをつくりだしている。

煌びやかなネオンが照らすわけでもなく、行列ができるわけでもない。 扉を押せば、かすれたベルの音が鳴り、 ゆるやかに流れる時間の中で、誰かがふと腰を下ろす。

そこには生産性も、効率も、競争もない。 ただ、ゆっくりと氷が溶けるように、言葉が滲み、音が響き、 何かが始まるでもなく、何かが終わるでもなく、 目の前の時間だけが、すこしだけ柔らかく

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陰謀論は心のオアシス

陰謀論は心のオアシス

SNSを定点観測していると、空前の陰謀論ブームの到来をひしひしと感じている。真意はわからないけど、凄まじい勢いで情報が巡っているようだ。

僕は陰謀論そのものに興味はないが、この陰謀論ブームの構造に興味がある。陰謀論ってこのハードな世の中にひそむ心のオアシスなのかもしれない。

ある種、宗教のようなもの。

信じたい人は信じればいい。しかも、イージー。

複雑な歴史的背景や科学的根拠なんて関係ない

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美女とおっぱい

美女とおっぱい

TikTokを久しぶりに開いてみた。たまに観ると異文化で興味深い。次から次へと情報のシャワー。世のJKたちはこんなコンテンツを毎日のように観ているのだろうか。

単純な世界だ。ものの数秒で興味を引くコンテンツで溢れている。

何で稼いでいるかよくわからない人々が金持ちアピールをしている。
知らんカップルが別れたり復縁したり。

その界隈で知名度のある人が炎上したり、ご報告があったり。失恋や不倫され

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僕は雪かきが好きだ。

僕は雪かきが好きだ。

僕は雪かきが好きだ。雪かきとは、雪国に生きる人々の義務であり、「雪を運ぶ」ただそれだけのことだ。

それは、刹那的な作業である。

なんの生産性もない。雪かきをしたところで、マイナスがゼロになっただけ。けれど、雪かきをしなければ、家のドアは開かなくなってしまう。

極論、生きるためには、雪かきが必要だ。

今朝雪を書いても、夜にはまた雪をかかないといけない。前日に雪をかいたのに、翌日には雪がとけて

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初めては切ない

初めては切ない

初めてってなんか切ない。さまざな初めてを経験する度に思う。

ありとあらゆる初めてを経験したい。初めてに対する好奇心とワクワク感は抑えられない。初めての場所に行きたいし、初めての作品を鑑賞したいし、初めての感情と出会いたい。

けれど、「それ」が終わった後に込み上げてくる切ない気持ちもあるから不思議。だって、初めては一生に一度で、経験できないから。

初めてを求めているのに、初めてが終わると切ない

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謎の男。

謎の男。

僕は謎の男である。周りからすると、謎らしい。大学を卒業後、企業に所属せず、国内外を転々としているアラサー男子。

たしかに、謎かもしれない。

僕だって自分自分が不思議でならない。自分ですら、この先どこで何をしているのかわからない。僕が僕を謎だと思うのだから、僕以外の誰かが僕という人間を謎めくのは当然の流れ。

映画や小説の世界に浸っていると、僕自身もフィクションの一部のような気がしてくる。でも、

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SNSはお菓子である

SNSはお菓子である

最近、ふと思った。

「SNSってお菓子だよなー」と。あったらあったで食べてしまうけど、ないならないで日常生活が困ることもない。数年前まではほぼ毎日SNSアプリを開いていた自分も、いまではSNSをほとんど開くこともなくなった。

SNSに囚われていた過去の自分が不思議なくらいに。

「お菓子」を食べなくなったのだ。理由は簡単。SNSアプリを消去したから。お菓子のない世界では、お菓子を食べようがない

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心配される生活

心配される生活

ふらふらと生活している。

森の散歩から始まり、読書で終える毎日。20代にして、老後のような落ち着いた時間の連続である。定職につかず、かといってフリーランスとして多くの収入があるわけでもない。けれど、やっぱり毎日が楽しい。バラエティ番組に腹を抱えて笑い、友人と長電話して、夜は映画や読書を嗜む。

大学を卒業してはや2年、気付けばスローライフを確立している自分。

あんなことやこんなことを後回しにし

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チーム大器晩成

チーム大器晩成

僕の高校野球部時代は、決してバラ色ではなかった。ベンチに入ることもできず、悔しい思い出ばかり。けれど、楽しい高校野球生活を送ったことは確かだ。野球をするのが楽しかったし、何より「仲間」との日々は美しかった。

チーム大器晩成があったから…。

僕らのチームでは、授業が終わると、屋内練習場にカバンを起き、そこでユニフォームに着替え、スパイクやグローブなどをもって屋外の野球場で練習を行う。

この屋内

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枠組みに囚われない発想

枠組みに囚われない発想

僕は週に1度、少年野球のコーチをしている。コーチといっても、教えるというより一緒に遊ぶといった表現が正しいだろう。

小学生がやりたいことをやりたいようにやってもらう。子供たちが打ちたいなら僕はボールを投げ、守りたいならノックをする。

先日の練習でのこと、1つのメニューを終えると、次のメニューを子供たちに聞いた。

「何したいー?」

するとある少年がこう答えた。

「鬼ごっこ!」

予想外の答

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いじめよりも楽しいことを

いじめよりも楽しいことを

思えば、世の中にはいじめる人が必ずいる。僕は加害者でもなければ、以外者でもない。けれど、周りでいじめがあったことは紛れもない事実である。

いじめをやめろ!ともいじめは絶対ダメ!とも思わない。人間が生きている限り、何かしらの対立はあるだろうし、集団が有る限りいじめは存在するだろう。

ただ、いじめる人の心理がよくからない。いじめに興味がないから。幼少期から、「不思議な生き物だな〜」と思っていた。

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やめない限り、続く

やめない限り、続く

「継続は力なり」

当たり前のことだけど、これがなかなか難しい。誰もが知る「成功の法則」にもかかわらず、実行できる人はほんの人握りだ。

僕だってわかっている。毎日30分の語学学習を1年も続けたら、日常会話くらいはできるようになるだろうし、ブログも毎日投稿し続けていたら半年あたりでそれなりの収益が発生するだろう。このnoteもしかり。

僕は美しいザ・継続はできない。こればかりはしょうがない。飽き

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怒り

怒り

人の怒りは滑稽で、不思議で、おもしろい。人の怒りは僕にとってのエンタメ。怒ってる人をみると笑いそうになってしまう。

でも、笑ったら火に油を注ぐようなものだ。目の前の人はさらに怒る。ごちそうさま、メシウマである。

なぜ怒りは「おもしろい」のだろう。

怒りってエネルギーを使うことだ。人が発するエネルギーに限界があるけど、わざわざ怒りでエネルギーを消耗するなんて、もったいない。だからこそ、僕はそこ

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旅人のエゴ

旅人のエゴ

旅がしたくてたまらない。僕自身、高校野球部を引退して以来、何かと旅を続けてきた。数ヶ月旅することもあれば、ふと1日旅に出る日もある。

しかし、このご時世である。生活の一部である旅ができない。

最近は、旅ができない分、友人たちとあんな場所行きたいよね〜こんなことしたいよね〜と妄想トークを繰り広げ、旅エッセイを読み込み、旅映画をみて、ハンモックにゆられながら旅ソングを聞いて妄想に浸る日々を送ってい

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