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エッセンボンノック

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日々考えていることや旅での気付きを言語化したエッセイ集。迷言から名言まで、言葉の宝探しを。写真は旅先での1枚。気が向いたら有料化します。
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記事一覧

自分をいかにクビにするのか

自分をいかにクビにするのか

AIを検討するということは、 それはまるで自分をいかにクビにするか、 そんな問いを突きつけるようなもの。

生産性を高めることは、 やがて生産すること自体の必要性をなくし、 人間の手が触れる場所を、 そっと奪い去ってゆく。

昨日までの「できること」が、 今日には不要になり、 明日には無かったことのように塗り替えられる。

機械が言葉を紡ぎ、 アルゴリズムが旋律を奏で、 誰かが生み出したものを、

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場末のスナックのような

場末のスナックのような

僕は日々、場末のスナックのようなものをつくりだしている。

煌びやかなネオンが照らすわけでもなく、行列ができるわけでもない。 扉を押せば、かすれたベルの音が鳴り、 ゆるやかに流れる時間の中で、誰かがふと腰を下ろす。

そこには生産性も、効率も、競争もない。 ただ、ゆっくりと氷が溶けるように、言葉が滲み、音が響き、 何かが始まるでもなく、何かが終わるでもなく、 目の前の時間だけが、すこしだけ柔らかく

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用法容量を守るべし

用法容量を守るべし

すべてはバランスだ。

薬が必要以上に摂取されれば毒となるように、インプットとアウトプットにも適切な量と方法が求められる。

それはまるで、腸内環境が乱れれば身体が悲鳴を上げるように。僕たちの心や知識もまた、均衡を失えば重く、停滞する。

世界はインプットの洪水に溢れているように思う。手軽で、豊富で、そして無尽蔵に見える情報がね。

素晴らしい時代。がしかし、その豊かさは時に弊害を伴う。吸収しすぎ

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陰謀論は心のオアシス

陰謀論は心のオアシス

SNSを定点観測していると、空前の陰謀論ブームの到来をひしひしと感じている。真意はわからないけど、凄まじい勢いで情報が巡っているようだ。

僕は陰謀論そのものに興味はないが、この陰謀論ブームの構造に興味がある。陰謀論ってこのハードな世の中にひそむ心のオアシスなのかもしれない。

ある種、宗教のようなもの。

信じたい人は信じればいい。しかも、イージー。

複雑な歴史的背景や科学的根拠なんて関係ない

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美女とおっぱい

美女とおっぱい

TikTokを久しぶりに開いてみた。たまに観ると異文化で興味深い。次から次へと情報のシャワー。世のJKたちはこんなコンテンツを毎日のように観ているのだろうか。

単純な世界だ。ものの数秒で興味を引くコンテンツで溢れている。

何で稼いでいるかよくわからない人々が金持ちアピールをしている。
知らんカップルが別れたり復縁したり。

その界隈で知名度のある人が炎上したり、ご報告があったり。失恋や不倫され

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ひとり工場長

ひとり工場長

生成AIの進化が凄まじい。毎日ワクワクが止まらない。AIで遊んでいたら1週間過ぎ去っていた。

先日リリースされたChatGPT4oは半端ない。ChatGPT3.5から4もかなりのアップグレードだったが、4から4oの進展も凄まじいものがある。

生活が一変した。

これまで下書きまみれだった自分のコンテンツが磨かれ、大量生産できるようになった。俺には頭脳明晰な敏腕アシスタントがついている。

さな

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ダブルニート

ダブルニート

ダブルニートでやらしてもらっている。コンビ名ではない。何を隠そう僕と父親がニートなのである。

父親は会社をたたみ、ニートに。僕は元からニートなのでそのまま家族のニート率が倍増した。

僕的にはかなり「おいしい」ネタとして友人に披露している。ただ、母親や妹からするとキツイ現実のようだ。

ひと昔前のニートだとオワコンだと思う。ニートから這い上がるのは厳しい道のりだ。でも現在は何だってできる。

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下書きまみれ

下書きが大量だ。増える一方である。

ふと言葉が思い付いて、書きなぐる。スコールのように一気に押し寄せ、引いていく。そして、たまっていく脈絡のないデコボコな言葉たち。

いつか世に出るのだろうか。光を浴びることなく、埋もれていくのか。

思えば、僕は下書きだらけの人生である。何かを思いつき、動き出す。でも、形になる前にまた別の何かをしている。ハマっては、飽きるの繰り返し。この世界に僕の下書きが増え

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理不尽が愛おしい

理不尽が愛おしい

僕はいま、理不尽のシャワーを浴びている。

ここ数年、いろんな意味でフリーだった僕。日常がイージーすぎて、飽きてしまった。好きなことをやるだけの生活はあまりにも簡単すぎる。

デザートばかりの日常に胃もたれしてしまったのだ。簡単は心地よい。けど、おもしろくない。その結果、

「理不尽の海にダイブしたい」

と思うようになった。社会の波に揉まれ、さまざまな理不尽と戦いながら生きるのは刺激的でおもしろ

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渋滞へまっしぐらな大衆

渋滞へまっしぐらな大衆

毎日がゴールデンウィークの僕にとって、今回のゴールデンウィークも変わらない日常に過ぎない。

むしろ、普段よりも外出を控え、家で読書や映画を楽しんでいる。友人や家族との旅行はゴールデンウィークとは別のタイミングで。

なぜ多くの人が同じタイミングで休むのだろう。旅先は混み合うし、ホテル代や飛行機代は普段よりも高くなるのに。せっかくの休みなら、人混みを避け、リーズナブルに楽しみたいものだ。

休みを

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モチベーションという名の幻想

モチベーションは幻想である。

ちまたでまかり通っている「モチベーションを上げよう」という発想はナンセンスだ。人は興味があれば、自然と行動するから。

仕事も勉強もしかり。野球に興味があれば、野球の練習をするだろうし、英語に興味があれば英語の勉強をするだろう。興味の有無であり、そこにモチベーションどうこうは関係ない。

なんにも興味がない。何に対してもモチベーションがわかない。という人がいる。

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根拠のない自信の正体

根拠のない自信の正体

僕は、なぜだか自信に満ち溢れている。幼少期からずっとそうだった。特に走るのが早い訳でもなく、頭が良いのではなく、かといってイケメンでもない。けれど、自分に自信しかない。

「なんで、そんなに自信満々なの?」と聞かれる。僕でも長年、謎だった。けれど、最近わかった。幼少期からずっとやってきたことが、溢れんばかりの自信を支えていたのだ。

「読書」である。

本の中に、全てといっていいほど、「人生の答え

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日本に住むの、イージーすぎる件

日本に住むの、イージーすぎる件

道路は整備されてるし、インターネット環境は整ってるし、スリを気にせずに繁華街歩けるし、何よりも日本語通じるし‥。

日本に住むの、イージーじゃん。

俺はいま、地元の札幌に住んでいる。読書に映画鑑賞に友達との飲み。執筆で稼いだお金は、一部を家族にパスしつつ、残りのお金で友人と遊ぶ日々。めっちゃイージー。

でも、俺が過去に訪れた12カ国はイージーじゃなかった。特に東南アジアにおいては。タイでは屋台

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ワスレモノ

ワスレモノ

俺はよく忘れ物をする。生まれてから、いまでもそれは変わらない。

小学生の時は、野球道具一式をグランドに忘れ、手ぶらで帰宅した。中学生の時は、ジャージを地下鉄に忘れ、後日忘れ物センターに取りに行った帰り道にまた忘れてしまった。大学では、登校しようと家を出ると、手ぶらだった‥。

時には、モノをどこに置いたか忘れてしまい、探していたものの、何を探していたのかさえ忘れてしまうことだって。

俺は忘れる

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