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意識高い

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#推薦図書

オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』読んだ

オリバー・バークマン『限りある時間の使い方』読んだ

大ベストセラーである。

原題は4000 weeksである。つまりアメリカ人の平均寿命である80歳弱くらいで死ぬとしたら、人生は4000週間しかないって意味だ。

だからこの邦題は間違いではないが、時間管理術の本かと誤解する人も多いだろう。私も誤解した。

著者はかつて生産性に心臓を捧げた民であったらしい。それが1周回って、そんなことに意味はないと気が付いたとか、、、

だから時間管理とかタスク管

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ネオ高等遊民『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書 』読んだ

ネオ高等遊民『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書 』読んだ

通称ネオ哲学史、やっと読み終わった。

発売日前にフライングゲットしたのにずいぶんと時間がかかってしまったのは、ポップな装丁、キャッチーな見出しに反して、骨太な内容だったからである。

著者のネオ高等遊民氏は日本初の哲学系Youtuberであり、その名の通りタイで高等遊民をしているという非常に羨ましいお方である。

氏は読書サークルも主宰されており、私も混ぜていただいております。

本書がよくある

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意識成層圏『ULTRA LEARNING 超・自習法――どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド』読んだ

意識成層圏『ULTRA LEARNING 超・自習法――どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド』読んだ

今月の意識高い一冊。

これはやばい。

その名の通り独学でウルトラ凄い成果を出すメソッドでストラテジーだ。

独学は効率が悪いといわれるがそんなことはない。時間や進度は自分の都合や相性で決められるし、コストも低く抑えられる。例えば医師国家試験なんて独学なら2年もあれば十分なのに、6年かかるのである。まあ日本では医学部に6年通わないといけないのでしょうがないのだが。

独学で圧倒的な成果を出すポイ

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安川康介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』読んだ

安川康介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』読んだ

今月の意識高い一冊シリーズ。

けっこうよかった。今どきの意識高い系らしく、きっちり参考文献がつけてある。また重要な論文については、細かく解説してあるので説得力がめちゃ高い。

著者の安川康介氏はアメリカで内科医してるお方で、ああ慶応のお医者さんだなあって感じ。こういうスマートさは東大京大のお医者さんにはあんまりないんだよね。うまく説明できないけど。

まあそれはよいとして。

まず第1章では、科

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渡部昇一『知的生活の方法』いまさら読んだで

渡部昇一『知的生活の方法』いまさら読んだで

昨年は意識高い本を読みすぎた。

だから今年は意識高い本は月に一冊までと決めたのだ。

というわけで今月の一冊。

約50年前からある有名な本だけどまだ読んでなかった。

そういや去年も一冊目は古典だったな。

意識高い本でも現代まで読みつがれている古典は良いのである。

さて『知的生活の方法』であるが、普通に面白かった。本当に面白いと思えるものに持続的に関心を持ち続けることが重要だそうだ。
たし

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為末大『心のブレーキを外す。』読んだ

為末大『心のブレーキを外す。』読んだ

Twitterとかで為末大さんて面白い人だなあと思っていたが、今井むつみ氏との対談を読んでさらに興味が湧いてきた。

というわけで一番さらっと読めそうなのを図書館で借りてきたのだ。

タイトルのとおり、自分で勝手に決めた制約をいかに越えていくかというお話である。

為末さんは、自分に揺さぶりをかけると表現していた。例えば、室伏広治氏はベンチプレスをするときに砂袋のようなものをバーベルにぶら下げてい

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猫山課長『銀行マンの凄すぎる掟』読んだ

猫山課長『銀行マンの凄すぎる掟』読んだ

著名なnoterである猫山課長さんが本を出されたので買った。

猫山課長さんは週2ペースでクオリティの高い記事をアップされていて、いつも楽しく読ませていただいている。課金していいレベルなのだが、ただで読める。ありがたいことだ。

だから本を一冊買うくらい、どうということはないのである。

電子書籍は来月でるみたい。

著者は20年以上地方銀行に勤務し、支店長などを勤めたのち現在は本部でコンサルティ

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アレックス・バナヤン『サードドア 精神的資産のふやし方』読んだ

アレックス・バナヤン『サードドア 精神的資産のふやし方』読んだ

けんすうさんの本で強く推奨されていた『サードドア』読んだ。

たしかにめちゃくちゃおもろかった。

大学に入ったばかりですでに学業にやる気がでなくなった主人公は、次世代をインスパイアするために著名人にインタビューしようと決心する。

そのミッションにはほとんど共感できない。著名人に会いまくることがなんで若い人たちに活気を与えることにあるのかよくわからない。

ただその著名人というのがビル・ゲイツ、

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今井むつみ『学ぶとは何か』読んだ

今井むつみ『学ぶとは何か』読んだ

引き続き今井むつみ氏の著書を紹介していく。

ちなみにKindle Unlimitedだよ。

内容はおおむねタイトルのとおり。

学ぶためには、まず知識を身に着けなければいけないということで、記憶力がよいとはいかなる事態であるかから始まる。

記憶力の良さを4つの型に分類する;瞬間記憶力型、記憶力世界選手権チャンピオン型、シャーロック・ホームズ型、将棋プロ棋士型。

著者は明言はしていないが将棋

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鈴木祐『YOUR TIME』読んだ

鈴木祐『YOUR TIME』読んだ

また意識高いシリーズ。これもかなり良い。さる超有名なインフルエンサーがおすすめしており、そのときたまたまAudible版が無料だったので聴いてみたのだ。

そしたら非常に良かったので電子書籍を購入したというわけである。

本書はタイトルからもわかるとおり時間管理を主題としている。しかし、世に流布する時間術はほとんど無効であるという不都合な事実からお話は始まるのだ。

著者は文献マニアであり、時間術

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ジョシュア・フォア『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』読んだ

ジョシュア・フォア『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』読んだ

アンダース・エリクソンの本で紹介されていたジョシュア・フォアの本を読んだ。

フォアはナショジオなどに記事を投稿しているジャーナリストである。全米記憶力選手権の取材したのを契機に記憶に関心を持ち、1年後の同大会で優勝するまでを描いたもの。
なお、アメリカの記憶力選手権のレベルはとうていヨーロッパには及ばないとのこと。

著者はジャーナリストだから、グランドマスターやアンダース・エリクソンの指導のも

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三笘薫 『VISION 夢を叶える逆算思考』読んだ

三笘薫 『VISION 夢を叶える逆算思考』読んだ

読みました。おもろかったです。意識の高さに驚いた。
意識高いというと揶揄するニュアンスがあるが、それは実力が伴っていない場合である。三笘薫は実力ありまくりなのである。

中学生くらいですでに海外や日本代表で活躍ことを目標として、そこから逆算して短期目標を立てていたらしい。すげえ。

高校生のときに監督に暴言を吐いたりなど、今からは想像もつかないようなおもしろエピソードなどもあるが、一番興味深いのは

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ドミニク・オブライエン『記憶に自信のなかった私が世界記憶力選手権で8回優勝した最強のテクニック』読んだ

ドミニク・オブライエン『記憶に自信のなかった私が世界記憶力選手権で8回優勝した最強のテクニック』読んだ

記憶術についてもう少し。

今度は世界チャンピオンのドミニク・オブライエン氏の本を読んだ。

書いてあることは基本的に池田義博氏のものと同じだが、より具体的なのでこの人たちがいかに傑出しているかがよくわかる。

方法論としては場所法とかジャーニーメソッドとか呼ばれる、場所に紐づけて覚えていく方法がメインである。
だから空間把握能力も高まると思われる。

それから人物と関連づける方法。こちらは一人の

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植田文也『エコロジカル・アプローチ「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践』読んだ

植田文也『エコロジカル・アプローチ「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践』読んだ

Footballistaなどの意識高い系のサッカー雑誌にエコロジカルアプローチという言葉がよく登場するが、SDG的なものとは関係ない。

周囲の環境とのインタラクションから選手が自発的にスキルを習得するのがエコロジカルアプローチである。

本書は、Footballistaによく寄稿している植田文也氏による解説である。

エコロジカルアプローチから導き出されるトレーニング方法として制約主導トレーニン

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