為末大『心のブレーキを外す。』読んだ
Twitterとかで為末大さんて面白い人だなあと思っていたが、今井むつみ氏との対談を読んでさらに興味が湧いてきた。
というわけで一番さらっと読めそうなのを図書館で借りてきたのだ。
タイトルのとおり、自分で勝手に決めた制約をいかに越えていくかというお話である。
為末さんは、自分に揺さぶりをかけると表現していた。例えば、室伏広治氏はベンチプレスをするときに砂袋のようなものをバーベルにぶら下げていたらしい。そうすると砂袋は揺れるから、力の入り方が変わる。
こんな感じでマンネリを打破する、コンフォートゾーンの外に出られるわけである。
あえて無茶ぶりを飲み込んでみるのも一つである。自分で自分に無茶振りできればいいが、他人にやってもらうのもいい。もちろん他人の言うことを鵜呑みにしすぎるのもよくないけど。
為末さんは、無茶振りで有名な高野進氏の合宿にときどき参加していたという。他人に無茶な要求をされたときあえてそれをやってみることで自分の本当に限界を知ることができるという。
他人の言葉を聞いてみると、自分の思わぬ長所に気づいて檻から抜け出す契機になることもある。
為末さんは現役アスリートのころは、こんなふうに話したり書いたりするキャラじゃなかったそうだ。でも引退前に誰かにきっと向いているよと言われて、やってみたら上手くいったそうだ。
自分で作った限界を超えるには、恥の感覚を忘れることが重要だ。これに関連して興味深かったのは、子供の失敗を過剰にケアしてはいけないってことだ。
子供がなにか失敗したときに怒鳴りつけたりするのは論外だが、やたらとヨシヨシするのもよくないらしい。子供が失敗を恐れるようになるからだ。失敗したってどうってことはない、普通のことだ、という親の態度が、子供のチャレンジ精神を育むようだ。
とまあ、こういう感じでさらっと読めたのでよかったし、まあまあ面白かった。
他の著書も読んでみたい。
というわけで近著の『熟達論』に進もうと思う。いつ読めるかはわからんけど。