メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白…

メタバラッツ

鎌倉・極楽寺にあるスパイス屋・アナン㈱3代目。 オリジナル商品の開発や、スパイスの面白さを伝えるため料理教室などで全国を飛び回ったりしている。 好きな映画は『男はつらいよ』シリーズ。 アナン公式サイト:http://www.e-anan.net/

記事一覧

スパイスの扉

 尾道からしまなみ海道を渡り一つ目の島。向島。橋を渡ってすぐのところに新しいスパイスの 拠点ができた。場所ができたらたくさんの人たちが来るようになり、建物の風通…

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スパイスの使い方・活かし方はあなた次第

美味しいイチジクが旬なのでイチジクを使ったカレーを作ってみた。イチジクの効能や歴史を調 べてみるととても面白かったり、持っている成分がカレー作りに適していたり、…

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無花果

ヨルダン渓谷の遺跡から炭化された無花果(イチジク)の実が発見されたそうで、遥か昔、 新石器時代から無花果の栽培が行われていたのではないだろうかと言われている。中東…

メタバラッツ
2週間前
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スパイス屋のおじいさんがその孫にスパイスを通して生きていく上で大切なことを教えていく映画があった。ブラックペッパーは太陽、シナモンは金星など様々なスパイスを色々…

メタバラッツ
3週間前
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スパイスカレーユニバース

 日本での学生時代とインドでの学生時代。言語、人、場所など違うことはたくさんあったが、 印象的だったのが試験の解答だった。比較的日本では問題の解答は短く簡潔に覚…

メタバラッツ
1か月前
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妄想インド時空旅行

見渡す限りの広々とした大地。農道のようなものを2人の男が歩いていた。1人はかつてないほ どに自国の領土を広げたアショカ王。そしてもう1人が仏教の生みの親、ブッダであ…

メタバラッツ
1か月前
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フルーツカレーは夢のカレー

スイスのジュネーブから列車に乗り、どこからか登山鉄道に乗り換え、たどり着いたツェルマッ ト。車も規制されていることから空気も澄んでいてとても綺麗だった。季節は夏…

メタバラッツ
1か月前
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ストリートマサラクラブ

夏になると毎日のように様々なところで祭りが催されている。リズミカルな太鼓の音に吸い込 まれていくようにみんなが群がっていく。そして醤油やソースが焼かれている匂い…

メタバラッツ
1か月前
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世界のスパイスシリーズ

組み合わせは同じなのに配合が違うと全然違う味になる。使っているスパイスはほぼ同じなのにちょっとしたブレンドの違いがメキシカンスパイスミックスになったり、カレーパ…

メタバラッツ
2か月前
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インドの部屋

2014年ごろに新しい州が生まれ、インドは現在28州あるらしい。インドの地図を改めてじっくりと眺めてみると、訪れたことがないところもまあまああるが、訪れたことが…

メタバラッツ
2か月前
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スパイスパレード

 スパイス売りを始めた頃は1人で夜行バスや夜行列車に乗っては全国各地に行ってスーパーやデ パートの片隅で試食販売をしていたものである。日本を飛び出し、香港やシンガ…

メタバラッツ
2か月前
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世界最古のスムージー「ラッシー」

おまけのレシピというのを料理教室では度々やることが多い。決まったレシピなどでカレーを2種類くらい作ると少し余ってしまう食材などがある。スパイスや調味料は保存がき…

メタバラッツ
2か月前
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バーラット急行

インドでの列車の旅が好きである。オープンエアーの窓、閉まらないドア。インドの熱気と匂いがそのまま外から列車の中に流れ込んでくる。大きな駅は踏み入れただけでゾクゾ…

メタバラッツ
2か月前
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いろいろなグジャラート料理

味噌汁や金平牛蒡などと一緒に Dokhla(ドクラ)、khichidi(キチュディ)、thepla(テプ ラ)など西インドはグジャラート州の故郷の味も食卓に上がるような家庭であったので白い…

メタバラッツ
3か月前
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8月15日に生まれて

もともとは11月頃に生まれる予定であったが、3ヶ月も早い8月の15日に生まれた。 8月15日。1947年の8月15日にインドは独立したので私の名前は『BHARAT」に…

メタバラッツ
3か月前
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豆フェス

毎月開催しているオンライン料理教室は4年がたち5年目が始まろうとしている。毎月違うカレーなので48種類あると言うことで鎌倉にある佐助カフェというところで48種類…

メタバラッツ
3か月前
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スパイスの扉

スパイスの扉

 尾道からしまなみ海道を渡り一つ目の島。向島。橋を渡ってすぐのところに新しいスパイスの 拠点ができた。場所ができたらたくさんの人たちが来るようになり、建物の風通しが良くなっ た。実現したいこと、やってみたいこと、楽しそうなこと、挑戦してみたいこと、伝えたいこと、 などなど。新しい場所にまつわる様々な人たちが「スパイス」や「インド」を軸に色々なことを 表現できたら良いなと思っている。

何年か前か

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 スパイスの使い方・活かし方はあなた次第

スパイスの使い方・活かし方はあなた次第

美味しいイチジクが旬なのでイチジクを使ったカレーを作ってみた。イチジクの効能や歴史を調 べてみるととても面白かったり、持っている成分がカレー作りに適していたり、スパイスと相性 が良かったりする。 土鍋にあうスパイスミックスを作った時も、土鍋ならではのレシピを作ることによって土鍋の 歴史や特徴、良さがわかった。その良さがわかったからこそスパイスを使う意味や意義がわかっ たような気がする。 「かり

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無花果

無花果

ヨルダン渓谷の遺跡から炭化された無花果(イチジク)の実が発見されたそうで、遥か昔、 新石器時代から無花果の栽培が行われていたのではないだろうかと言われている。中東、アラビ ア半島からインド北部が原産地とされており、日本には16世紀ごろに伝わったのではないだろうかと言われている。かつてアダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果実は無花果ではないかと言われており、禁断の果実を食べた後に自分たちが裸であ

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塩

スパイス屋のおじいさんがその孫にスパイスを通して生きていく上で大切なことを教えていく映画があった。ブラックペッパーは太陽、シナモンは金星など様々なスパイスを色々な惑星に捉えてその特徴を説明しているシーンがあった。そして孫に「地球はなんだと思う?」と聞く。悩んでいる孫におじいさんは優しく教えてあげる。

「地球は塩だよ」

 そしてそれはバランスだとか、料理に命を吹き込んでくれるものだとか、言ってい

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スパイスカレーユニバース

スパイスカレーユニバース

 日本での学生時代とインドでの学生時代。言語、人、場所など違うことはたくさんあったが、 印象的だったのが試験の解答だった。比較的日本では問題の解答は短く簡潔に覚えているものを 書くことが多かった。インドでは試験を受けると解答用紙が配られるが、それはただの紙に書き やすいように線が引いてあるだけで、解答する空欄などはなく、自分で問題の番号とその解答を 好きなように書くことが多かった。日本からインドに

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妄想インド時空旅行

妄想インド時空旅行

見渡す限りの広々とした大地。農道のようなものを2人の男が歩いていた。1人はかつてないほ どに自国の領土を広げたアショカ王。そしてもう1人が仏教の生みの親、ブッダである。アショカ王はブッダと出会ったことで彼の教えを広めることを大切にしていた。そして様々な助言を実行させていった。灼熱の国インド、厳しい日差しの下農業に勤しむ人々の姿を見たブッダはアショカ 王に農道に木を植え日陰を作ったらどうかと助言した

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フルーツカレーは夢のカレー

フルーツカレーは夢のカレー

スイスのジュネーブから列車に乗り、どこからか登山鉄道に乗り換え、たどり着いたツェルマッ ト。車も規制されていることから空気も澄んでいてとても綺麗だった。季節は夏。そびえ立つマッ ターホルンを眺めながら山道を歩くとのびのびとした牛たちが幸せそうに草を食べていた。本当 に幸せそうに。

宿のロビーの正面には大きな窓がありカーテンが開くと綺麗なマッターホルンが飛び込んでく る。夕暮れ時になると黄金色に

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ストリートマサラクラブ

ストリートマサラクラブ

夏になると毎日のように様々なところで祭りが催されている。リズミカルな太鼓の音に吸い込 まれていくようにみんなが群がっていく。そして醤油やソースが焼かれている匂い。美味しい食べ ものや飲みものが溢れている。

夕暮れ時に炭火で焼かれたとうもろこし。道端で買ったグアバ、味付けされたジャガイモにひ よこ豆の衣を付け辛いソースと甘いソースをかけてちぎりパンで挟んで食べるワダ・パウ。どれも インドで出会っ

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世界のスパイスシリーズ

世界のスパイスシリーズ

組み合わせは同じなのに配合が違うと全然違う味になる。使っているスパイスはほぼ同じなのにちょっとしたブレンドの違いがメキシカンスパイスミックスになったり、カレーパウダーのようになったり、ケイジャンミックスになったり、モロッカンミックスになったりする。様々な国や地域に行きたいと思い、いろいろな世界のスパイスミックスを作ってみた。

フランスからの移民がカナダに移り、のちに南部アメリカに住むようになりヨ

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インドの部屋

インドの部屋

2014年ごろに新しい州が生まれ、インドは現在28州あるらしい。インドの地図を改めてじっくりと眺めてみると、訪れたことがないところもまあまああるが、訪れたことがある州が結構あった。2、3日しか滞在していないところもあるがそれぞれの場所で思い出がある出来事や食べ物を思い起こすことができる。
 
 住み慣れた街から飛び出し、色々なところに旅行に行くと、そのような話になるのか出身地や住んでいるところを訪

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スパイスパレード

スパイスパレード

 スパイス売りを始めた頃は1人で夜行バスや夜行列車に乗っては全国各地に行ってスーパーやデ パートの片隅で試食販売をしていたものである。日本を飛び出し、香港やシンガポールなどに 行って試食販売をしていた時期もある。試食販売をしながら稲村ガ崎の海の目の前にあった「稲 村ガ崎食堂」にて月に一度、ベジタリアン料理とチャパティとチャイを提供する「移動チャイ 屋」なるものを始めた。旬の野菜とチャイ。今やってい

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世界最古のスムージー「ラッシー」

世界最古のスムージー「ラッシー」

おまけのレシピというのを料理教室では度々やることが多い。決まったレシピなどでカレーを2種類くらい作ると少し余ってしまう食材などがある。スパイスや調味料は保存がきくのである程度は困らないが、野菜などが余った際はスパイスと一緒にサブジのような炒め物にしたり物によってはスパイスと和えてカチュンバルのようなものを作ったりする。そのほかにもよく余りがちなのがココナッツミルク、生クリーム、牛乳そしてヨーグルト

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バーラット急行

バーラット急行

インドでの列車の旅が好きである。オープンエアーの窓、閉まらないドア。インドの熱気と匂いがそのまま外から列車の中に流れ込んでくる。大きな駅は踏み入れただけでゾクゾクとさせる。街中にいる人々と駅にいる人々は全くと言っていいほど違う人々な気がする。駅の中にいる人々は焦りや緊張感、喜びやワクワク感がそのまんま伝わってくる。旅行に行くもの、誰かを待っているもの、お別れをしているもの。そして多くがなかなか来な

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いろいろなグジャラート料理

いろいろなグジャラート料理

味噌汁や金平牛蒡などと一緒に Dokhla(ドクラ)、khichidi(キチュディ)、thepla(テプ ラ)など西インドはグジャラート州の故郷の味も食卓に上がるような家庭であったので白いご飯 やチャパティなどと一緒にオカズのように様々なインド料理を食べ、ダールや味噌汁で胃に流し込 んでいた。
先日久しぶりにグジャラートにいったこともあり、様々なところでグジャラート料理を披露す る機会が増えた。

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8月15日に生まれて

8月15日に生まれて

もともとは11月頃に生まれる予定であったが、3ヶ月も早い8月の15日に生まれた。

8月15日。1947年の8月15日にインドは独立したので私の名前は『BHARAT」になった。
BHARAT バラット、バハラット、バーラット、様々な呼び名を経てバラッツに落ち着いたのが私が2歳くらいのことらしい。独立記念日に生まれたのでBHARAT。「インド」と言う意味であり、インドではインドのことをBHARATと

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豆フェス

豆フェス

毎月開催しているオンライン料理教室は4年がたち5年目が始まろうとしている。毎月違うカレーなので48種類あると言うことで鎌倉にある佐助カフェというところで48種類のカレーを提供するというのをどのくらいかかるかわからないが期間限定で開催している。2、3週間くらいおきに違うカレーに変わるのでちょいちょい通っていると違うカレーが食べれて楽しいと思う。今はシラスとキャベツのキーマカレーとひよこ豆のカレーを提

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