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スパイスの扉

 尾道からしまなみ海道を渡り一つ目の島。向島。橋を渡ってすぐのところに新しいスパイスの 拠点ができた。場所ができたらたくさんの人たちが来るようになり、建物の風通しが良くなっ た。実現したいこと、やってみたいこと、楽しそうなこと、挑戦してみたいこと、伝えたいこと、 などなど。新しい場所にまつわる様々な人たちが「スパイス」や「インド」を軸に色々なことを 表現できたら良いなと思っている。

何年か前からスパイスを売るより伝えることが大切なような気がして、料理教室やイベントなど を通してスパイスの歴史や面白さ、逸話、使い方などを話したり見せたりしてきている。そして伝 えるには「学ぶ」ことがとても大事だと思い、日々なにかインドやスパイスのことを調べたり、 読んだりしている。

鎌倉のアナン邸や尾道の『BHARAT(バーラット)』ができてなんだか扉みたいだなと思っ た。かつて東南アジアからインド、スリランカからアフリカ、中近東、ヨーロッパまでの海の道 を陸の道「シルクロード」に比べ海の道「スパイスロード」と呼んでいた。マラッカやマルッカ諸 島、スリランカやカリカット、コチ、ゴアなどを拠点にスパイスの道を渡って様々な人々が行き 来していた。尾道や鎌倉の家の扉を開くと広がるスパイスやインドの世界。そしてスパイスの世 界を渡って今まで見たことも聞いたこともない世界に連れて行ってくれる。

尾道バーラットの扉を開いて世界を知るきっかけになるのだとしたら、そこに携わっている人
たちが物理的にもスパイスを通して世界中が観れたり、知れたりするようになったら良いなと思
うようになった。

尾道や鎌倉の扉がインドにも繋がっていたら良いなと思うのでここ数年はインドの扉を作るべ く少しずつ準備を進めている。インドの扉はインドのどこかにある。そこを訪れるとインド中の 上質なスパイスが集まっている。スパイスの使い方、歴史、特徴などが人を通して知ることがで きる。新たな研究や挑戦も日々行われている。尾道の扉がインドに繋がっていたり、鎌倉に繋 がっていたり、鎌倉の扉がインドへ、インドの扉が尾道や鎌倉へ。携わる人々が知識だけではな く体感や経験として様々なことを知れるようになったら良いなと思う。

そのうちインドの人も日本の人もそして世界中の人たちも各地にある扉を開いてスパイスロー ド通って交流できたら料理がもっともっと楽しくなるではないかと思っている。

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