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いよいよ還暦突入。コロナも加わり、身も心も硬直化著しい日々になかなか歯止めがかかりませ…

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いよいよ還暦突入。コロナも加わり、身も心も硬直化著しい日々になかなか歯止めがかかりませんが、人生100年時代。チャレンジ精神を座右の銘に頑張ります!

記事一覧

『東京焼盡』を読みました

内田百閒氏の本は若い頃何冊か読んだはず?なんだけど、肝心の内容は忘却のかなた。覚えているのは、読者にも時流にもおもねらない、独自の視点を大切にする人という印象と…

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3日前

母の戦争体験

はてなブログで開始した母のブログ。 ささやかながら読者が増えて、とてもありがたい。母も励みになっている様子。介護職の友人がたまにコメントを寄せてくれたりして、そ…

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1か月前

もったいないおばけ👻

あ~、もう、まただ! なにも今日に限ったことじゃない。 先週もその前の週も…とにかくここんとこずっと、いつ実家に顔出しても、母はエアコンをつけていない。 これだけ…

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2か月前
1

母のブログ

「お金を稼ぎたい…」 来月92歳になる母がある日ボソッと言った。 ええっ?今さらお金?なんで? 年金って貰ってるんじゃなかった? まあ、年々なぜか減ってきてはいるけど…

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3か月前
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たんぽぽとさくら

朝日新聞朝刊のエッセー担当の1人が、5月から、なんと私のお気に入りの小池昌代氏に。 うふ、青天の霹靂のよろこび~! 詩人や歌人は言葉選びの達人。 言葉にできないまま…

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4か月前
2

母退院

3月に腰の激痛に襲われ救急車で入院した91歳の母。4月に入り、リハビリ病棟のある病院に無事転院した。日々体の動きも良くなって順調に回復していると思っていた矢先、病院…

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5か月前
5

母入院…😿

とうとう恐れていたことが…。 3月上旬の土曜日、母が入院してしまった。 母とうまく連絡が取れなくなっていたのは金曜日から。 私が電話すると母が出ず、母からの電話は…

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6か月前
1

91歳母の初体験

なんと、昨年の大晦日母と一緒にディズニーランドへ行った! 母は91歳。 いったいあと何回元気でお正月を迎えられるだろう?と常々思っていた私、 「たまにはさ、パーッと…

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7か月前
5

土鍋と焼芋

うわ~ん、土鍋のフタが割れちゃった! あれは昨年12月のこと。 この冬初めての鍋の日。 休日はたいてい料理好きの夫が食事作りを担当してくれる。この日もそうだった。 台…

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8か月前
7

『チロルの挽歌』を観ました

なんということ。 山田太一氏が亡くなっただなんて…本当に残念でならない。 好きな作品がたくさんある。これからも新しい作品を観続けたかった。 『男たちの旅路』や『シ…

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9か月前
2

『朝のあかり』(石垣りん著)を読みました

その詩に出会ったのは数年前。 三角みず紀氏の詩は衝撃だったし、金子みすず氏を知った時も「なんだこれは~!」と既成概念がボロボロと崩れ去る音がはっきり聞こえた。 石…

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10か月前
5

1円玉が1億円になる日

ウクライナに続いて中東でも戦いが始まってしまった。どうして人はこんなにも不毛で、残酷なことに手を染められるのだろう。 国際法で戦争は明確に禁止されている。テロ行…

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11か月前
1

お母さんとお揃い

まだ暑い盛りの8月夕方、駅からの帰り道だった。ジリジリとしつこい西日を右半身に浴びながら街道沿いの歩道をテレテレ歩いていると、前方に3人の親子連れ。 お母さんと…

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1年前
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日本の目指す平和とは?

大分前になってしまうけど、7月1日付け朝日新聞朝刊の『異論のススメ 日本の「平和」とは』(by佐伯啓思)という記事が印象に残っている。 論考は今年5月広島で開催された…

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1年前

バラとカエルと私 

 生まれた時から泣き虫だった。生まれてすぐはみんなそんなもんだろうけど、私の場合、思いの外長引いた。  母にしがみついたまま泣き続け、優しそうなおじさんがどんな…

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1年前
8

いつまでも好きな人

20代の頃から鶴田浩二氏が好きだった。 こんな人がお父さんだったらなあとか、親戚のおじさんだったらなあとか、よく夢想した。正確に言うと彼が好きというより、彼が演じ…

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1年前
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『東京焼盡』を読みました

『東京焼盡』を読みました

内田百閒氏の本は若い頃何冊か読んだはず?なんだけど、肝心の内容は忘却のかなた。覚えているのは、読者にも時流にもおもねらない、独自の視点を大切にする人という印象と、心の中で好きな作家に迷わず分類したことくらい。
『東京焼盡』(中公文庫)を手にしたのは東京大空襲に関する内容だったから。長年に亘る氏の日記の中から、東京大空襲前後を抜粋したのがこの本。母が戦争体験をブログに書いているので、参考にしてみよう

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母の戦争体験

母の戦争体験

はてなブログで開始した母のブログ。
ささやかながら読者が増えて、とてもありがたい。母も励みになっている様子。介護職の友人がたまにコメントを寄せてくれたりして、そのたび感激している。
なんだけれども、毎回頭を痛め続けていたのはテーマ探し。
なんせ母の「しゃべりたい」ツボがどこなのか、まるで分からない五里霧中状態。
私の窮状を見かねた娘が言った。
「おばあちゃんって戦争体験書いてなかったっけ?」
ん?

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もったいないおばけ👻

もったいないおばけ👻

あ~、もう、まただ!
なにも今日に限ったことじゃない。
先週もその前の週も…とにかくここんとこずっと、いつ実家に顔出しても、母はエアコンをつけていない。
これだけ真夏日が続けば、さすがにつけてくれるかな~なんて淡い期待を抱いていた私が甘かった。
ごくたまに扇風機だけはついてたりする。
年を取るとだんだん暑さ寒さを感じにくくなるというから、温度を可視化できるよう、顔マーク付きの温湿度計を買い、母の指

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母のブログ

母のブログ

「お金を稼ぎたい…」
来月92歳になる母がある日ボソッと言った。
ええっ?今さらお金?なんで?
年金って貰ってるんじゃなかった?
まあ、年々なぜか減ってきてはいるけど…
すずめの涙とはいえ、父が遺してくれたお金だってあったよね?
よくよく話を聞いてみると、どうやら純粋に「現ナマがほしい!」
…というわけではなさそうだ。
自分がやった何がしかに対して、周囲の反応や評価、手応えみたいなものがほしいとい

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たんぽぽとさくら

たんぽぽとさくら

朝日新聞朝刊のエッセー担当の1人が、5月から、なんと私のお気に入りの小池昌代氏に。
うふ、青天の霹靂のよろこび~!
詩人や歌人は言葉選びの達人。
言葉にできないまま日常の喧騒にあえなく掻き消されていく、かすみのような思いを丁寧に掬いあげ、まるでジグソーパズルのピースみたいにピッタリな言葉を与え、命を吹き込んでしまう。
彼女もそんな魔法を使える一人だ。
 
人間の憂慮とは無関係に、一年のうちでもっと

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母退院

母退院

3月に腰の激痛に襲われ救急車で入院した91歳の母。4月に入り、リハビリ病棟のある病院に無事転院した。日々体の動きも良くなって順調に回復していると思っていた矢先、病院から電話が。
「大声で喚いて困っています」
聞けば、もう治ったから家に帰る!こんなとこにいたら殺される!死ぬのを待っているんだろうと!やたら大騒ぎしているらしい。
午後面会に行き取りあえずは収まったが、この一件で母は「重度のこまったちゃ

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母入院…😿

母入院…😿

とうとう恐れていたことが…。
3月上旬の土曜日、母が入院してしまった。
母とうまく連絡が取れなくなっていたのは金曜日から。
私が電話すると母が出ず、母からの電話は私が取れず…その日の仕事が終わったのは9時近く。もう電話はムリか。
これまでもこんなことはあったし、母から電話をかけてきたってことは生きてる証拠、まあ大丈夫かと考えた。
翌土曜日に仕切り直し。
ところが早朝から何度電話しても母は出ない。家

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91歳母の初体験

91歳母の初体験

なんと、昨年の大晦日母と一緒にディズニーランドへ行った!
母は91歳。
いったいあと何回元気でお正月を迎えられるだろう?と常々思っていた私、
「たまにはさ、パーッとホテルでお正月でもしようか~」
と言ってみたのが始まり。いろいろ考え出した案の中で
「ディズニーランドは?」

「それいいね!」
母が喰いついた。
すでに一世紀近く生きていながら、ランドには未だ足を踏み入れたことのない母。これまでも行

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土鍋と焼芋

土鍋と焼芋

うわ~ん、土鍋のフタが割れちゃった!
あれは昨年12月のこと。
この冬初めての鍋の日。
休日はたいてい料理好きの夫が食事作りを担当してくれる。この日もそうだった。
台所でいそいそとシメの雑炊をこしらえている夫。
と、ズゴン!と何やら不穏な音。そこまで悲劇的な音ではなかったが、
「あ、割れた…」
夫のつぶやきが続く。
「えー!なになに!」
台所へ飛んでいくと、夫の手には、持ち手を残して、円の4分の1

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『チロルの挽歌』を観ました

『チロルの挽歌』を観ました

なんということ。
山田太一氏が亡くなっただなんて…本当に残念でならない。
好きな作品がたくさんある。これからも新しい作品を観続けたかった。
『男たちの旅路』や『シャツの店』。
どちらも大好きな鶴田浩二氏主演のドラマ。すばらしかった。映画『異人たちとの夏』も心に残っている。
追悼番組を期待したのに、え~?全然ないじゃないの!ぼんやりしてた私が見落としただけ?
唯一気づいたのはNHKBSの『チロルの挽

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『朝のあかり』(石垣りん著)を読みました

『朝のあかり』(石垣りん著)を読みました

その詩に出会ったのは数年前。
三角みず紀氏の詩は衝撃だったし、金子みすず氏を知った時も「なんだこれは~!」と既成概念がボロボロと崩れ去る音がはっきり聞こえた。
石垣りん氏の詩は、それに比べるとインパクトはかなり薄い。なのに魚の小骨みたいに心の片隅に引っかかって、ふとしたはずみにチクチク刺してくる。
平易な言葉で綴られ、一見淡々としてるのに、日常に潜むささやなか「負」の面…神経にさわるもの、理不尽な

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1円玉が1億円になる日

1円玉が1億円になる日

ウクライナに続いて中東でも戦いが始まってしまった。どうして人はこんなにも不毛で、残酷なことに手を染められるのだろう。
国際法で戦争は明確に禁止されている。テロ行為だと言われるハマスの行いも、イスラエルが報復だと称して行っていることも、私には全く同じに見える。テロならば断罪の対象になるのに、なぜ国が報復という名目でたくさんの民間人を殺しても殺人罪に問われないのか。
人間ってどうしようもない底なしのバ

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お母さんとお揃い

お母さんとお揃い

まだ暑い盛りの8月夕方、駅からの帰り道だった。ジリジリとしつこい西日を右半身に浴びながら街道沿いの歩道をテレテレ歩いていると、前方に3人の親子連れ。
お母さんと、幼稚園くらいの女の子、よちよち歩きの男の子。お母さんは男の子の手を引き、女の子はそのすぐ後ろを歩いている。
と、女の子が急に振り返ってしゃがみこみ、何かを拾うとパクッと口にくわえた。あっと思わず声が出そうになった。すぐにお母さんが振り返っ

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日本の目指す平和とは?

日本の目指す平和とは?

大分前になってしまうけど、7月1日付け朝日新聞朝刊の『異論のススメ 日本の「平和」とは』(by佐伯啓思)という記事が印象に残っている。
論考は今年5月広島で開催されたG7サミットに、佐伯氏が感じた『奇妙な戸惑い』から始まる。
爆心地広島に、まさにその核爆弾を落とした当事国である米国と西側諸国が結集、戦争中のウクライナ支援を世界に向けて宣伝する。そのお膳立てをしたのが被爆国日本という複雑さ。
この複

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バラとカエルと私 

バラとカエルと私 

 生まれた時から泣き虫だった。生まれてすぐはみんなそんなもんだろうけど、私の場合、思いの外長引いた。
 母にしがみついたまま泣き続け、優しそうなおじさんがどんなににこやかに話しかけてくれても何一つ答えられなかったから、私は幼稚園の入園試験に落ちた。有名私立なんかじゃなくてごく普通の近所の幼稚園だったのに。
 慌てた両親は、かかりつけの小児科医に頼み込んでコネを取り付け、どうにか私を裏口から入園させ

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いつまでも好きな人

いつまでも好きな人

20代の頃から鶴田浩二氏が好きだった。
こんな人がお父さんだったらなあとか、親戚のおじさんだったらなあとか、よく夢想した。正確に言うと彼が好きというより、彼が演じる役柄が好きなんだろうな。

当たり前のことを当たり前にできる大人。
自分の中に確固とした信念を持ち、誰が見ていようと見ていなかろうとそれを貫く。自分には厳しいけど、相手にそれを押しつけたりはしない。
どんな時も相手の心情をおもんばかる。

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