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アイデアノート21 ヴァイオレット型パラダイム(越境型パラダイム)

まえがき

インテグラル理論のヴァイオレットパラダイムに関しての説明です。

インテグラル理論の発達段階

ヴァイオレット組織に関しては、ネットで探したところ以下の記事が見つかった。ヴァイオレット組織についてはこの書籍が参考になるかも知れない。

ヴァイオレット組織 エゴロジー経営(エゴを明確に捉え、それを扱う経営)、証明欲求~理論統合欲求、標榜的経営(命題やどうしてもこれだけは成し遂げたいというエゴを作り、それを掲げる経営)

マズローの欲求10段階説:マズローの欲求五段階説の先を最終形態まで説明した説。生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求→自己超越欲求→創造体系欲求→創造理論欲求→理論統合欲求→究極欲求
という後半4つを追加する。これがインテグラル理論と対応している。

ヴァイオレットパラダイム

すると究明型(インディゴ)の次のパラダイムは越境型(ヴァイオレット)となる。物事を究明し、関数を証明するだけでは足りず、この陳腐化と、普遍化を目指したとき、意識は境界とその越境へと向かう。

ターコイズ組織の図。
インディゴ組織の図 証明したい中心の命題を組織の命題に還元し、
組織の命題をメンバーの命題に還元する。
インテグラル理論の関係図

ヴァイオレットパラダイムでは、物事の陳腐化と普遍化による普及だけでなく、様々な現象の間にある関係について着目するようになる。もはや、分野ごとの関係はないという意識は消え、そこには何か相対的な相関関係の差があるものと捉える。越境型パラダイムでは、ギフテッドでさえできなかった越境のために必要なものは何か?を考えるようになるのだ。それは当然、ギフテッドでなくても可能である。それどころか、ギフテッドでないからこそ、越境が重要であるという意識を持つ。

ギフテッドには非常に優れた洞察と探究力があるため、ある一つの分野だけを追及しても多くのことを発見できる。だが、ギフテッドは深化できるが故に、その分野に集中しすぎてしまう傾向がある。これはある種のイノベーションのジレンマに近い。上手く行き過ぎたがために、固まってしまうのだ。

このことを、越境型パラダイムでは熟知する。一つの分野だけを考えるよりも、多くの分野に洞察を持つ方が、集中するだけではできない深化を可能とする。それでも、前提に立つまでの時間があまりにも長い分野では、越境しようにも門戸外となりかねない。そうした分野では、その前提がなぜ遠いのか考え、その距離を短くする方法を考える。

ただ探すのではなく、拾ってくるのだから模索をすることはない。一目見た時に、これは距離を短くできるものなのか?そうでないか?を判断する。
越境が厳しいものは主にアスリートである。アスリートには年齢の壁も存在する。非常に得意な者の中でさらにごく限られた一部だけが舞台に立つ。これらは、越境するには非常に大きな前提が必要となる。

ただし、その前提を超えれば越境は可能である。プロの棋士がチェスプレイヤーとなることや、砲丸投げの選手が槍投げの選手になるなどである。ただし、前提が時間を要することには注意しなければならない。複数のオリンピック競技で金メダルを取る者は少なくないが、今後もプロチェスプレイヤーがスポーツのオリンピック選手になることは厳しいだろう。越境するには、命題が共通している必要があるが、あまりにもかけ離れていれば量的に厳しい。不可能ではないが、それに付きっきりになってしまう。
一方で専門家やアーティストは距離の短縮が可能で、越境ができる。
アスリートのように絶対的な基準をもって競争をしていないことも理由であるが、各部門の命題が近いことも理由となる。

真の目的

越境型パラダイムでは、複数のジャンルに渡って長けたいがために越境をするのではない。命題の全体性を高めようとする結果、一つの分野で収まらない命題を得て越境するのだ。つまり、命題が中心の太陽であるからこそ、職業や仕事内容を惑星として捉え越境をする。このとき、必要となるのは命題の全体性であるが、命題を抽象化するという意味ではない。むしろ、分野を越境する具体的な法則の究明にこそ意味がある

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