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記事一覧
<書評>『アラブ的思考様式』、『アラビア遊牧民』
『アラブ的思考様式』 牧野信也著 講談社学術文庫 1979年
『アラビア遊牧民』 本田勝一著 講談社文庫 1972年 初出は1965年の朝日新聞
『アラブ的思考様式』は、『アラビア遊牧民』と同じ講談社文庫でも「学術」と称している専門的なものであり、本田勝一のようなルポルタージュではないが、東京外語大教授の著者が実際にアラブで経験したこと及びアラビア語に関する研究成果をまとめたものである。従って
<旅行記>箱根湯本―小田原、一泊二日の旅
住民票のある区の割引を利用して、箱根湯本の湯本富士屋ホテルに泊まった。行きの交通手段は、いつも通りに東京駅から東海道線の各駅停車に乗って小田原に向かった。昼前の時間帯だが、混んでいる。そして外国人観光客が多い。皆どこへ向かうのだろうか。
途中大森付近で、横須賀線の人身事故で5分程停車したが、あまり遅れずに進んだ。車内は、横浜を過ぎたあたりから空いてきて、最後は閑散としてきた。この車内風景の変
<閑話休題>「ペーパー オア バッグ??」
英語圏の国、とりわけアメリカに住んでいて、もちろん英語に慣れていないこともあるが、その習慣の違いから困惑した言葉の使用例がある。
ある友達は、レストランやカフェで注文した後、ウェイターorウェイトレスから「Anything else?(エニシングエルス?)」と聞かれたことを挙げていた。日本語に直訳すれば「他に何か?」ということで、つまり「注文された以外に何かご用件(例えばトイレはどこですか
<旅行記>初島―伊東―熱海(前編)
住民票のある区からの料金補助を利用して、初島観光を兼ねて伊東の温泉宿へ行った。五月の長い連休が終わり、観光客が減る頃合いとなった頃の平日に、一泊二日で旅したのだが、「金と暇の有り余っている老人」たちと「円安の恩恵を満喫する外国人観光客」が意外と多くいて、のんびり・ゆっくりという感じにはならなかった。それでも、電車やレストランなどで行列を並ぶことはなかったので、まあ、良いタイミングだった。そして、
もっとみる<小旅行記>東京漫歩:湯島天神-お茶の水-神保町-皇居外苑-日比谷公園―日比谷―有楽町ガード下―新橋ガード下
ゴールデンウィークだ。昔仕事をしているときはいつもより忙しくなり、休日出勤が当たり前だったが、定年退職した今は、ようやく世間の人並みに休日を楽しめるようになっている。
しかし、今や毎日が日曜になっている日々のため、休日に出かけることはあまりせず、平日に出かけるようにしているのだが、今回はタッチラグビーをしていた友人Fさんと、5月3日(憲法記念日)に都心をぶらぶら飲み歩くことになった。憲法記念
<閑話休題>ルーマニアのオイナ
掲題の画像は、ルーマニアの伝統球技と称されるオイナで使うボールである。数字の4は、日本でいうところの4号級というような意味で、数字の増減によってボールの堅さが変わり、それによってプレーする年齢に対応しているそうだ。ちなみに、「4」のボールは日本でいえば小学校高年から中学生あたりに適用するらしい。
このオイナについて簡単に説明すれば、野球と似た球技だが、ピッチャーはいない。バッターは、棒にし
<ラグビー及びエッセイ>『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』
2024年4月4日、『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』というエッセイを、Amazonの電子書籍及びペーパーバックで出版しました。
これは、私が大学時代にラグビーに出会ってから、その後社会人(国家公務員)となり、いろいろな海外で勤務をしながら、現地でラグビー、タッチフットなどをしてきたこと、そして息子の(全国大会出場経験のある)高校ラグビーの父兄としての経験など、40年にわたる
自由律俳句(その九)『日々唯不死』
無心如意(無の心を意の如くに)
〇 2023年12月、古い都営住宅をとり壊した後の更地を囲む、冷たい無機質の金属フェンスの下から、たぶん昔の住人が植えていたと思われる、紫の朝顔が花を咲かせていた。
道端に咲く朝顔に 住んでいる人の顔が見えた
瓦礫に佇む重機は 古の恐竜のように咆哮している
古いから壊す 新しく作ったものに心は住めない
〇 2023年12月、銀座の「ガスト」で飲み、さらに有
<旅行記>熱海-伊東-真鶴一泊二日の旅
(注:少し長いですから、そのつもりでお読みください。)
2024年の正月半ば。「今年の冬は暖かくて過ごしやすいね」などと話していたところ、妻が「株主割引を入手したので、伊東小涌園に行こう」というので、せっかくの機会でもあるから、不肖の夫としてご相伴に預かることにした。
本当は、腰や血行不良そしてリューマチの治療のため毎週でも行きたいのだが、生憎と経済事情がそれを許してくれない。それで、自宅