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インド人も驚く!『日本のカレー』
インド人もびっくり
十数年前仕事でドバイを頻繁に訪れていた。
ドバイでは車を運転できなかったので
いつもモイディーンさんという
インド人ドライバーにお世話になっていた。
小生の乗っていた船の料理長の得意料理はカレーである。
宮島茂樹氏の本にも
お玉をもって味見する彼の雄姿が写っている。
モイさんは待ち時間に
「船で食事できるのが楽しみ」だといつも
楽しそうに語っていた。
ドバイの宿舎で一人味気なく食べるより
「みんなとワイワイ片言の英語会話」で
おしゃべりしながらの会食が本当に
楽しかったのか?
当社の英語レベルはマチマチなので・・・
英語が堪能な外科医とか通信士がいないと
「会話が盛り上がる」ほどではなかったかもしれない・・・
しかし「ほとんどの乗組員が日本語で会話していても」
彼は楽しそうに笑っていたので・・・
もしかたら今頃はインドで
「日本語通訳や日本料理店で勤務しているかもしれない」
彼とお付き合いした5年弱の間に・・・
彼の日本語はめざましく進歩した。
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小生の英語はほとんど変化しない・・・
最後に遭ったとき彼は
『インドの我が家のカレーの次にこの船のカレーは美味しい』
と日本語でしゃべった。
『コーチンに来る機会があればうちのカレーを食べて欲しい』
とも言った。
それが彼と会った最後で・・・
およそ10歳年上の彼は・・・元気にしているだろうか
時折・・・考える。
金曜日は「カレーがたべられる」
と・・・彼は仕事が金曜日に差し掛かるのが
本当に楽しみだと我が船の料理長へ語ったそうだ。日本語で・・・
そして
「お前のキッチンで調合しているスパイスを教えて」
と懇願してきたそうだ。
ドバイ単身赴任だった彼は宿舎でカレーを
ときどき作るので・・・
スパイススーク(スパイスマーケット)で調合された
スパイスは彼の口には合わないので
単品で調合したいから
スパイスの種類を教えて欲しいと本当に思っていたようだ。
インドでは家庭ごとに
「伝家のスパイスレシピ」が存在するらしい。
『我が家の次』だと
彼は本心で我が船カレーを気に入っていた。
小生はドバイやUAE各地で行う市場調査などで
モイさんの運転で色々な場所へ行った
本当に大変お世話になった。
料理長も食材調査や仕入れ先確認などのため
モイさんの運転で時々出かけていた。
料理長は英語が苦手だった・・・
「しかし・・・会話はちゃんと成立した。」
得意分野の話には「言語の壁」など存在しない。
わが船にも10種類程度のスパイスなら常備していた。
ただし船で作るカレーのベースは市販のカレールーだった。
船によってはターメリックやクミンなどのスパイス
を加えS&B赤缶や辛味スパイスなどで味を調整するが・・・。
乗組員にもっとも評判のカレーは
「ハウスジャワカレー」がベースだった。
ウソが嫌いな料理長はモイさんへ
「この市販のルーに若干アレンジするだけ」
と正直に答えた。
しかしインド人のモイさんには
『配合済みカレースパイス』というもの
の存在は知っていても
『それだけで美味しいカレーが作れる』
とは信じられなかった。
日本製カレールー
料理長はお土産用に
シンガポールの明治屋で購入した
『日本では見なれないパッケージのジャワカレー』
をモイさんに渡し
「クミン・ターメリック・コリアンダー」だけ足せば大丈夫
だと・・・概略の作り方を日本語で説明した。
インド人の彼には
半信半疑だったと思う
美味しいカレーが
『そんな簡単にできるはずがない』
それはインドでは常識なのだろう。
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インスタントのカレールー???
モイさんは
「顔全体に?マーク」が浮かんだ
納得のいかない表情で帰っていった。
数週間が過ぎて・・・・本船が再びドバイへ入港すると
岸壁には大柄のモイさんは満面の笑み浮かべ
岸壁で手を振っていた!
料理長を甲板上に見つけたモイさんは
満面の笑みを浮かべ
抱きつかんばかりにラッタルを駆け上がってきた。
「マスターの言う通りだ!我が家のカレーと
そっくりのうまいカレーができた!」
彼は小躍りし・・・子犬のように笑っていた。
彼の家族が住むコーチンには
街中で美味しいカレー店が食べられる。
ただし日本人にすれば・・・どの店のカレーも辛い。
インド人が好むカレーは日本人より辛いカレーだ。
ただしモイさんちの『おうちカレー』
平均以下の辛さだという。
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カレーは毎日食べる料理で
お店のカレーのようにスパイシーだと
「お腹が困る」と彼は言った。
モイさんちのカレーは
『日本のカレー』と同程度のようだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1738299557-cL4qasYzkZiF5dhjMxfJuX96.jpg?width=1200)
ハウスジャワカレー恐るべし
インド人のモイさを唸らせた・・・
ジャワカレーはあっぱれだ!
インド人でも配合を間違えて
「カレーがまずくなる」のは
頻繁におこるようだ。
「インドでもこのスパイス配分は売れる」
とモイさんは語ったが・・・
そのうち別の企業に真似されるのがオチだろう。
インドはいまだ混沌の過程にある。
カレーのスパイスは漢方薬の材料と同じで
絶妙のさじ加減が必要だ。
熟練の技能者だって失敗はありえる。
インド人の大半は
プライドがとても高い。
「自分の非を認める」という言葉は
インドには存在しないのかもしれない。
インド料理のほとんどは『カレーに似たスパイス料理』だと
いっても過言ではない。
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日本で食べられるインド料理は
辛さの強いバージョンが主流だが
家庭ごとにオリジナリティが強いなら
「辛くないカレー」があって良いわけで・・・
辛さも余所行きの場面ではプライドが高い
インド人の特質なのだろうか。
インドには日本のS&Bやハウス食品が作る
『万能なカレールー』は存在しないようだ。
各家庭ではスパイス市場で香辛料をあつめ
自宅で調合するようだ。
スパイスには品質の良し悪しや出来不出来が常に
付きまとう。
加えて分量が大まかだと味には当然バラつきが生じる。
日本人は気が付いていないかもしれないが
世界で一番美味しいカレーを食べているのは
『日本人だ』という事実を。
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