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ささぶね【ゆったり共同運営マガジン】

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「ほんとうに素敵だなあ」という方たちといっしょに運営しています、ちいさな文芸部あるいは同好会みたいな場所です。 マガジンに入れてアップしたら、お互いにコメントをそっと無理なく送…
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#創作

Remix note 2021【#自己紹介】

Remix note 2021【#自己紹介】

 自己紹介のnoteが、ずっと定まらずにいました。

 ある時は「これ!」と思ってプロフィール欄に固定してみても、しばらくするとすぐに、なんだか違うような気がしてしまって……。

 でも、年末に一年分の自分のnoteを日記から創作まですべて読み返した時、そこには、恥ずかしいことも、真面目すぎることも、たくさんたくさん書いてあったのですが、

 ようやく「あぁ、この振れ幅が『じぶん』なのかもしれない

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気持ちの良い朝のある日々【エッセイ】

気持ちの良い朝のある日々【エッセイ】

 早く寝るようになったら早く目が覚めるようになった。
 起きなきゃ、と思わなくても無理なく起きられるようになってほんとうに嬉しい。そう、朝一番から「嬉しい!」のだ。そのことは今の生活に何というか、とてもひかりをもたらしてくれている。

 時間があるので、朝食もきちんと摂るようになってきた。
 コーンフレークに蜂蜜とミルクをかけたもの、それからバナナと、ライ麦パンにはブルーベリージャムとスライスチー

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初恋 #ウミネコ文庫応募

初恋 #ウミネコ文庫応募

 むかしね、青い瞳の男の子と出会ったの。夏の終わりの頃だったかな。うちの近所の駅前でね。気づいたらわたしその瞳のこと、「綺麗だね」って言ってた。そしたらその子、「海の目薬を使ってるんだ」って言ったの。

 わたしは驚いて(わたしが彼に声をかけたことにも、彼がふつうに応えてくれたことにも、海の目薬なんて返答にも)、驚いたんだけど咄嗟に思いついて、「わたし耳がすごく良くって、それは山の綿棒を使ってるか

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おやすみ、シューシュー【童話】

おやすみ、シューシュー【童話】

「ねえ、ママ。お話しして?」布団のなかで、娘が言った。

「えっと、それじゃあ……積み木の国の王子様は旅に出ました。積み木の国に、バスを誘致するため、シエーバス王国に向かったのです」

「ねえ、ゆうち、ってなあに?」

「うーん、来てください、ってことだよ」

「どうして、来てほしいの?」

「積み木の国にはバスが来ないから、遠くまで移動できなくて、とても不便だったんだよ。昔からね」

「むかしっ

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真夜中のお手紙です。創作への気持ちを素直にしたためて。

真夜中のお手紙です。創作への気持ちを素直にしたためて。

 秋ですね。短いこの季節が、もしかしたら季節の中でいちばん好きかもしれません。物静かで、あっという間で。

 あわててたくさんのことをしようとしない方が良さそうですが、心はもうウズウズしています。美味しいもの食べたいし、読みたい本もたくさんある。でも、やっぱりいちばんなのは、書くことなんだと思います。

 しばらく書いていない詩や小説を、できればこの秋に、ひとつでも満足のゆくかたちで出来上がらせる

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月明かり夜空の呼吸ぼくたちはきっと死ぬまでやり直せない

帰り道【詩】

帰り道【詩】

帰り道
くたびれていて
でも家々はあかるくて
息をしている
夕餉のにおい
私のではない誰かの
たくさんの夕餉を思う
帰り道
待っている人がいる
あたたかな我が家に
帰ろう

公園で食パンを食べこぼしたら雀がやってきてチュンチチチ

水は鳴り腑に落ちて咲く まろやかに私の生を支え続ける

波間から光は漏れて 行先は分からなくても一歩ずつ行く

二月の崖【詩】

二月の崖【詩】

春らしさを
人づてに感じている
家の中にいても
外に出ても
まだ二月だ

友人に手紙を書いた
勇気を出して
僕はその人を
友人と呼んでみている
ふれたら指にとけそうなほど
低い温度、静けさ、やわらかさのある
そうしたやりとりがあって素直に嬉しい

僕は心のどこかで
しっかりと自分の冷たさを実感している
だからまだまだ二月なのだと
二月の崖に腰かけて
足をぶらぶらさせているのだ

歌うたえど
ひび割

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モットーと、この冬のこと。

モットーと、この冬のこと。

こんにちは。tenです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。☺︎

昨年のモットー

昨年の年初め。2022年のモットーは「シンプル、かろやか、きげんよく」にしますと書きました。

いちばんむずかしく感じたのは「きげんよく」でした。日々をきげんよく過ごすのは、やはりたいへんなことですね。

きもちが落ちこんだときは、とにかく掃除にいそしみました。こころの曇りを磨くようなきもちで。あと、おさんぽ

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新年の抱負と、やっぱり書くことが好きです。

新年の抱負と、やっぱり書くことが好きです。

 こんにちは、しんきろうです。今年もよろしくお願いします。

新年の抱負

 新年の抱負について考えたのですが、引き続き「りきまない」のはそうなのだけれど、今年は特に「ほどく」なのかも知れないと感じました。

 もつれやすい物事や気持ちを、ほどく。それから迷いをほどいて、ただしく判断する。そういった意味も「ほどく」にはあるそうです。

 荷解きもして、積荷の整理も点検もしたいですが、あんまり「あれ

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ため息 【詩】

ため息 【詩】

薄い水たまりに 足をとられて

すこしの段差にも つまづいて

ため息ついて 笑ってしまった

声にするのも つかれた日には

つきあかりさえも まぶしくて

心のまぶたを そっと閉じるよ

いっそ 夢ならいいのになって

子供みたいに おどけてみても

淋しいきもちは かわらないね

ほんとは どうでもいいよって

素直なことば ゆるしてあげて

なみだの海で 眠ればいいかな

朝日がのぼれば 

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