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ささぶね【ゆったり共同運営マガジン】

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「ほんとうに素敵だなあ」という方たちといっしょに運営しています、ちいさな文芸部あるいは同好会みたいな場所です。 マガジンに入れてアップしたら、お互いにコメントをそっと無理なく送…
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記事一覧

呼吸【詩】

呼吸【詩】

あなたを起こさないように
ブランケットをかけた

きょうは土曜日
洗濯をして
お皿を洗って
トイレの掃除もした
でも
あんまり頑張りすぎないように
しないといけない
体調にはじゅうぶん
気をつけないといけない
仕事はもう、さ来月まで
休みがとれないのだから

あしたは投票に行こう
それからおいしいご飯を食べるのだ
本も読んで
音楽も聴こう
元気でいるために必要なこと
全部しよう
でも
あんまり頑張

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Remix note 2021【#自己紹介】

Remix note 2021【#自己紹介】

 自己紹介のnoteが、ずっと定まらずにいました。

 ある時は「これ!」と思ってプロフィール欄に固定してみても、しばらくするとすぐに、なんだか違うような気がしてしまって……。

 でも、年末に一年分の自分のnoteを日記から創作まですべて読み返した時、そこには、恥ずかしいことも、真面目すぎることも、たくさんたくさん書いてあったのですが、

 ようやく「あぁ、この振れ幅が『じぶん』なのかもしれない

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気持ちの良い朝のある日々【エッセイ】

気持ちの良い朝のある日々【エッセイ】

 早く寝るようになったら早く目が覚めるようになった。
 起きなきゃ、と思わなくても無理なく起きられるようになってほんとうに嬉しい。そう、朝一番から「嬉しい!」のだ。そのことは今の生活に何というか、とてもひかりをもたらしてくれている。

 時間があるので、朝食もきちんと摂るようになってきた。
 コーンフレークに蜂蜜とミルクをかけたもの、それからバナナと、ライ麦パンにはブルーベリージャムとスライスチー

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プレイリストは生活に寄り添う【エッセイ】

プレイリストは生活に寄り添う【エッセイ】

 家事をするとき、よく音楽を流しています。

 自分で作ったプレイリストを、その日の気分でじゃんじゃんかけています。すると、そのプレイリスト数巡分の家事が終わっています。ほんとうに瞬く間、あっという間に。

 どんな風にプレイリストを作ってるのか。ひとつのアーティストでまとめることもあれば、最近よく聴くアーティストをまとめることもあって、様々です。

 今回は大好きなMr.Childenで作ってみ

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素直な気持ちをそのままに 【日記】

素直な気持ちをそのままに 【日記】

 朝、蝉の声が聴こえた。今年も、ちゃんと夏がきた。暑いのは苦手だけれど、あたりまえに季節が巡ってきてくれたことが、なんだかとてもうれしい。



 ここ数ヶ月、パタパタと慌ただしく、日々を過ごしていた。なんとか乗り越えた今、ふりかえると、どうしてそんなに慌ただしかったのかすらも、思い出せないから不思議だ。喉元過ぎれば、熱さ忘れる。



 ゆっくりとごはんをいただく時間が、とにかく幸せ。このあ

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素直な気持ちをそのままに【日記】

素直な気持ちをそのままに【日記】

 ようやく楽しみを楽しんで日々を過ごせるようになってきた。これも今までちゃんと休んできたおかげかも知れない。長かったなあ。スピッツの「i-O(修理のうた)」を聴きながら、ちょっと呑気にそんな風に思った。

 だからって「これからどうしたい?」ってすぐさま思うこと自体、欲張りなのかも知れないけれど、少し遠くに投げかけるように、これまでよりも視野を広くして過ごしてみたいなぁなんて思う。

 視野を広く

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生きていて「これは何の時間なんだろう」と思うことがたびたびある。何をするでもなく、ショートしたように固まっている時間。でも、そういう時は、整えていると思うことにした。うまく生きていくために内面外面ともに整えるための時間が必要なんだ、と。そう思うようになってから少しだけ落ち着いた。

横になっていると、ふとした時に涙の流れることがある。それはこめかみに向かって流れて、ひとすじの川を作る。特にかなしいことがあるわけでもないので、はて、と思うのだけれど、わたしの心の気づいていないかなしさを体が気づいてくれて涙にしてくれてるのだとしたら、ありがたいことだなと思った。

絵画 『View』

絵画 『View』

星は、しずかに瞬いていますか。

海は、やさしく凪いでいますか。

あなたの眼にうつる景色は、

あなただけのもの。

初恋 #ウミネコ文庫応募

初恋 #ウミネコ文庫応募

 むかしね、青い瞳の男の子と出会ったの。夏の終わりの頃だったかな。うちの近所の駅前でね。気づいたらわたしその瞳のこと、「綺麗だね」って言ってた。そしたらその子、「海の目薬を使ってるんだ」って言ったの。

 わたしは驚いて(わたしが彼に声をかけたことにも、彼がふつうに応えてくれたことにも、海の目薬なんて返答にも)、驚いたんだけど咄嗟に思いついて、「わたし耳がすごく良くって、それは山の綿棒を使ってるか

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おやすみ、シューシュー【童話】

おやすみ、シューシュー【童話】

「ねえ、ママ。お話しして?」布団のなかで、娘が言った。

「えっと、それじゃあ……積み木の国の王子様は旅に出ました。積み木の国に、バスを誘致するため、シエーバス王国に向かったのです」

「ねえ、ゆうち、ってなあに?」

「うーん、来てください、ってことだよ」

「どうして、来てほしいの?」

「積み木の国にはバスが来ないから、遠くまで移動できなくて、とても不便だったんだよ。昔からね」

「むかしっ

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真夜中のお手紙です。創作への気持ちを素直にしたためて。

真夜中のお手紙です。創作への気持ちを素直にしたためて。

 秋ですね。短いこの季節が、もしかしたら季節の中でいちばん好きかもしれません。物静かで、あっという間で。

 あわててたくさんのことをしようとしない方が良さそうですが、心はもうウズウズしています。美味しいもの食べたいし、読みたい本もたくさんある。でも、やっぱりいちばんなのは、書くことなんだと思います。

 しばらく書いていない詩や小説を、できればこの秋に、ひとつでも満足のゆくかたちで出来上がらせる

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日々は泡

日々は泡

ときどき海の夢を見る。
青くてしずかな海。とぷん、と行くときもある。


゜。

泳ぎたいな、と思って、水につかった。
水はやわらかくて、水泡がゆらゆらとのぼっていって、魚のようになって泳いだ。

水のなかにいると、お腹のなかにいたころとか、生まれるまえのこととか、魚だったことをうっかり憶い出しそうになる。

存在の深いところで相手を呼んでしまう歌。私も一介の水泡だと思う。

水のなかは、夢のな

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絵画 『ふわり』

絵画 『ふわり』

泡のように ふわりと

浮かんで 消えてゆく

そんな日々でも