2024年9月の記事一覧
【読書ノート】『光のところにいてね』
『光のところにいてね』
一穂ミチ著
結珠(ゆず)と果遠(かのん)は、居住環境こそ異なるものの、毒親に蝕まれた人生を送っていた。そんな二人の出会いは、7歳。15歳の時に再会して、29歳で再び出会う。四半世紀にわたる二人の人生の物語。
キーワードをあげてみる。
①「光のところにいてね」
光は暗闇を照らし、迷いを晴らし、道を示す。光は知識や洞察力を象徴する。また、光は神の存在を象徴する。
②ギ
【読書ノート】『傲慢と善良』
『傲慢と善良」』
辻村深月著
映画化されるということで、再読した。
あらすじ
西澤架と坂庭真実は、婚活アプリで出会い、一緒に暮らしていて結婚も決まっていた。お互い充実した日々を過ごしていると思っていた矢先、真実は、突然姿を消す。
ミステリーの流れで、物語は進んでいく、、
①婚活アプリ
徐々に愛を育む通常の恋愛とは異なる。写真と自己PRを読んで、メールなどのやり取りを通して、会うかどうか決める
【読書ノート】『てがた』(『あとかた』より)
『てがた』(『あとかた』より)
千早茜著
黒崎副部長が死んだ。屋上から飛び降りたのだった。「俺」には、黒崎が、死を選んだ意味がわからなかった。死後わかったことは、黒崎は、家族に捨てられていたということ。そして、愛人にも捨てられていた。
主人公の「俺」には愛すべき妻がいて、子供もいる。幸せなつもりで生きているのだけど、ある日、会社を早めに帰宅すると、妻はいなかった。そして、そこから物語は始まる。
【読書ノート】『法廷遊戯』
『法廷遊戯』
五十嵐律人著
ロースクールに通う、久我清義と織本美鈴は、大きな罪を犯していた。それは、罪であっても、裁判では裁かれることはない。
ある日、二人の過去を告発する差出人不明の手紙が届く。
そして、過去の冤罪事件が明るみに出る。
冤罪とは?
無実の人が冤罪を被せられることを指す。これは、法的なシステムにおいて不正確な判断や十分な証拠がない状況で起こる。無実の人が冤罪を受けることで、
【読書ノート】『花咲か死者伝言』
『花咲か死者伝言』(『むかしむかしあるところに死体がありました』より)
青柳碧人著
『花咲か爺さん』のその後の話。
花咲か爺さんはやはり良い人で、お偉いさんからご褒美をもらっても、村に寄付してしまう。
ある日、そんな花咲か爺さんが、殺害される。
次郎と名づけられた犬が、推理する形で物語は展開する。
成功者は財産とどう付き合っていくべきかというのが、ある意味論点。多額の財産を手に入れることは、
【読書ノート】『魔王の帰還』
『魔王の帰還』(『スモールワールズ』より)
一穂ミチ著
鉄ニは、甲子園常連の名門高校に野球部の推薦で入っていたのだけど、同じ1年生で、パッとしない友人が、先輩から公然のリンチを受けていたところを目撃して、先輩らを叩きのめして、菜々子のいる高校に鳴物入りで転校してきた。
菜々子は、母親が再婚して、父親に犯されそうになって、抵抗して、逆に菜々子は父親を誘惑するから別居だとされてしまったため、やりマ
【読書ノート】『護られなかった者たちへ』
『護られなかった者たちへ』
中山七里著
東日本大震災の後、家族と離れ離れになったカンちゃんは、遠島けいのもとで、生活していた。そこに、同じく身寄りのない利根 勝久が一時、合流した。その後、利根は出稼ぎに出ていき、数年後、遠島けいを訪ねる。
遠島けいは、生活保護を受給できず、餓死してしまった。そして、利根 勝久は、福祉保健事務所の課長・三雲忠勝と城之内猛留を恨んでいた。
その三雲忠勝と城之内