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異例のノーベル文学賞! 音楽と文学の境界を超えたボブディランの詩
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
今回はボブ・ディランを音楽ではなく、文学として紹介したいと思います!
もう説明不要かと思いますが、ボブ・ディランは、この世でもっとも影響力があるであろう、アメリカのミュージシャンです。
アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、ピューリッツァ賞、大統領自由勲章、グラミー賞(しかも12回)、そしてノーベル文学賞を受賞しました。
ノーベル文学賞を受賞したこと。
これが今回、文学としてディランを紹介しまくる理由ですね!
ディランの何がすごいって、現在83歳で年間100公演近いライブと、アルバムのリリースを今もしているところです。神です。果たしてそのそのスタミナはどこから来るのでしょうか……。
特にノーベル文学賞の受賞は世界中を驚かせました。これがどのくらい衝撃的なことだったかというと、あの厳粛なノーベル賞の発表の会場で、思わず報道陣から歓声が起こるほどでした。実際の映像がYouTubeに残っています。
しかし、歌手がノーベル文学賞を受賞するのはいかがなものか、と物議を醸したのも事実。この物議に関しては、個人的には「それほど今日の文学の力が弱まっている」というネガティヴな説よりも、「ディランの詩才が文学的な力を持っている」というポジティヴな説を支持しています。
そこで今日は「おすすめの本を紹介しまくる人」らしく、ボブ・ディランを活字で楽しめる本を三つ、ご紹介します!
まず、1冊目はこちら。
ノー・ディレクション・ホーム: ボブ・ディランの日々と音楽
こちらは、20年以上の歳月をかけて書かれた、ボブ・ディラン公認の唯一の伝記です。そして、この本、筆者が途中で亡くなって終わるという衝撃的な結末を迎える本です。まだ生きていたら、おそらくちょうど今ごろに完全版として出版されていたでしょう。
この本は、ディランのファンのなかでは金字塔とされています。
なぜなら、ディラン本人が積極的に協力しているから。
ディランの音楽、歌詞、詩、思想の分析から、少年時代から1966年までの詳細な伝記、周辺人物へのインタビュー、気が遠くなるほどの膨大な調査などが満載の本です。
それだけでなく、当時の社会情勢や、彼の才能と変貌まで書かれています。
主な内容というか、概要をご紹介します。
少年時代と音楽への目覚め
生い立ち ミネソタ州ダルースで育つ
音楽との出会い ラジオ、ジュークボックス、レコードを通じて様々な音楽に触れる
ウディ・ガスリーへの影響 フォークソングと社会派歌詞に感銘を受ける
ギターと作詞作曲 10代後半からギターを学び、オリジナル曲を制作
ニューヨークへの移住とフォークシーンへの登場
フォークの聖地へ 1961年、20歳でニューヨークへ移住
グリーンウィレッジの民謡クラブ 多くのフォークシンガーが出演する場で経験を積む
フォークブームの担い手 独特の歌声と鋭い歌詞で注目を集める
デビューアルバム 1962年、アルバム「ボブ・ディラン」でデビュー(ほんとはこれの1つ前にプレデビューアルバムあり)
フォークからロックへの転換と論争
エレクトリックギターへの挑戦 1965年、アルバム「Bringing It All Back Home」でエレキギターを取り入れ、フォークファンを驚かせる。
ニューポート・フォークフェスティバルでの物議 1965年、エレキギター演奏でステージから追い出される
フォークとロックの境界線を超えて 新しい音楽性を模索し続け、音楽界に大きな影響を与える
詩人としての評価と多彩な活動
ノーベル文学賞受賞 2016年、作詞家・詩人としてノーベル文学賞を受賞
独自の歌詞世界 文学的な深みと普遍性を持ち、世代を超えて愛される
画家としての活動 1980年代から絵画制作にも力を入れる。
幅広い活動:音楽、文学、美術など、様々な分野で活躍を続ける
時代を映す鏡としての音楽
社会風刺と政治への警鐘 公民権運動、ベトナム戦争などの社会問題を歌に込める
人間讃歌と普遍的なメッセージ 愛、孤独、死など、普遍的なテーマを描き出す
時代を超えた共感 世代や文化を超えて多くの人々に支持され続ける。
この本では、これらの内容をさらに掘り下げ、ディランの複雑な人物像 と 多彩な活動を多角的に紹介しています。
続いて、2冊目は、歌詞に関する本です。
ボブ・ディラン 『The Lyrics 1961-1973』
こちらはボブ・ディランが、キャリアの前半で製作した楽曲のすべての歌詞と、その日本語訳の歌詞が載っている本です。以下、箇条書きで詳細をご紹介します。
デビューアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』から、アルバム『プラネット・ウェイヴズ』までの390曲に及ぶ全自作詞を網羅
ディランの初期から中期における創作活動の軌跡を辿ることができる
政治、社会、哲学、恋愛、宗教など、様々なテーマを扱った歌詞が収録されている
ディラン独特の詩情豊かな言葉遣いや、比喩表現を楽しむことができる。 翻訳
日本の著名な翻訳家である佐藤良明氏による翻訳
原文の持つニュアンスや韻律を忠実に再現した、高品質な翻訳
624ページにおよぶ大ボリューム
ディランの歌詞を深く考察したい人にとって、必携の一冊です。独自の視点で世界を捉える方法について考えることができます。
ということで、3冊目はもちろんこれです。
ボブ・ディラン 『The Lyrics 1974-2012』
こちらはボブ・ディランの後半の歌詞のすべての歌詞と、その日本語訳の歌詞が載っている本です。こちらも箇条書きで詳細をご紹介します。
アルバム『血の轍』から『テンペスト』までの390曲に及ぶ全自作詞を網羅
ディランの中期から晩年における創作活動の軌跡を辿ることができる
キリスト教への傾倒や、アメリカ社会への批判など、ディランの新たな側面を垣間見ることができる
詩情豊かな言葉遣いだけでなく、ユーモアや皮肉に満ちた表現も楽しめる。
日本の著名な翻訳家である佐藤良明氏による翻訳
原文の持つニュアンスや韻律を忠実に再現した、高品質な翻訳
608ページにおよぶ大ボリューム。
後半は、前半よりもさらにボブ・ディランの音楽的才能と文学的才能の進化を堪能することができます。現代社会の様々な問題に対するディランの鋭い洞察力を知ることもでき、人生、愛、死など、普遍的なテーマについて深く考えることができます。
まとめ
この世に出ているボブ・ディラン関係の本のなかで、この3冊さえ抑えておけば、あなたはボブ・ディランマスターです。3冊とも超大ボリュームなので読み応え満点だと思います。
何度も繰り返し読んだり、実際に曲を聴きながら読むのも良いと思います。
ディランの楽曲を聴きながらこれらの本を読むと、彼の言葉がより深く響き渡ります。彼の音楽と詩が一体となった体験は、読書とリスニングの双方を楽しめる究極の方法だと思います!
この3冊、ぜひ、手に取って……
ディランの言葉が紡ぐ、音楽と文学の交響を五感で体験してみてください!
【編集後記】
私たちは「すべての記事を無料で、誰にでも読めるようにすること」をモットーにしています。そのため、今後も有料記事は一切公開いたしません。もし記事に価値を感じていただけたなら、ぜひサポートいただくか、リンクから本をご購入ください。次の記事の書籍代に活用させていただきます。
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