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【読書録】カント『純粋理性批判』に挑戦
ついに大物、哲学界の要石であるカント、その『批判』三部作の最初である、『純粋理性批判』に挑戦する。
これから読む、というのではなく、もうすでに150ページほどは読んでいる所だ。前に、確か二度ほど、全て読み切るつもりで読み始めて、他の本に移ったり読み進められなかったりして、挫折していた。それでいて、いつかは読むことになるだろうと思っていて、『批判』三部作全て、岩波文庫で買いそろえている。
この
【読書録】アレクサンドル・ジノヴィエフ『カタストロイカ』3 半年続けた読書の散漫な雑感
やっと読み終えることが出来たが、余りはっきりした感慨もない。前回に、騙されたと書いた通り、何というか、真剣な読書ではなかった。が、それなりに得るところもあった。
そもそもこの本を手に取ったのは、これもここで取り扱った気がするが、西谷修という人が、本の中でこの本について触れていたことからだった。どういう文脈かというと、ロシアやソヴィエトとして括られているこの地域のこの政治体は、一般に言われてい
【読書録】フーコー『精神疾患とパーソナリティ』4(終) 驚くべき二つの「効果」と一つの「操作の結果」
フーコー節、とでもいうような、独特の語法があると、昔から思っていた。曰く、今はこれこれという観念が常識となっているが、それは通時的に自明なものではなく、○○年代に起こったこれこれの出来事の効果であった、など。
今回、『精神疾患とパーソナリティ』を読み直して、初読では気付かなかった、というか、今までその初読の、途中まで読んだ時に抱いたイメージをそのまま引きずっていたのでわからなかった点が二つあ
【読書録】フーコー『精神疾患とパーソナリティ』3 あっけなく行われるフロイト精神分析の要約と乗り越え
フーコーの『精神疾患とパーソナリティ』を、さらに読み進めている。
フロイト理論の要約と問題点の指摘が、スピーディに、的確に行われていることに驚く、これは、やはり、前に一読した時には気づかなかった点である。
フロイトの、初期の、と言っていいのか、分析の仕組みは、精神の構造の発展史的記述、人は生まれてから何期と何期があって、そして、それが一番外の膜で覆われてはいるが、実は見えないだけで今まで
【読書録】フーコー『精神疾患とパーソナリティ』1
また久々に読書録である。本当に、正味の読書録を書いていこう。今までは、気取り過ぎて、大変だった。
フーコーの伝記を読んで、初めに出て来た本の、『精神疾患とパーソナリティ』を手に取った。実は、この本は、半ば来歴は知っていながら、ずいぶん前に購入して、七割方読んだ本だった。七割読んで、すっかり奥に仕舞われていた。が、伝記を読んだので、改めてバックボーンを知ることが出来たので、また味わいも変わるだ
【読書録】アレクサンドル・ジノヴィエフ『カタストロイカ』 2
あの許すべからざる侵略戦争が起きるはるか前に読み始めたのだが、読むことをサボっているうちに、社会情勢がこんなに変わってしまうとは、夢にも思わなかった。
いずれ同じ調子で、ペレストロイカが起こった当時のことを、面白おかしく、だが「いくら誇張したように見えても、それこそが当時の現実だったのだ」調で、本当らしく語るのである。
面白おかしいのであるが、時世が時世であるだけに、それほど無邪気にも読め