マガジンのカバー画像

短歌・歌集

69
歌集・短歌・短歌に関係ある日記など。
運営しているクリエイター

記事一覧

「まろにゑ」2024年10月号を読む。

「まろにゑ」2024年10月号を読む。

短歌同人誌「まろにゑ」を頂きました。

勉強のために「まろにゑ集」のコーナーから、各人の短歌を紹介します。

「木のオルゴール」福田淑子 より

連作の表題でもある一首。

オルゴールの材質が木である点もあたたかみを感じさせる。

朝顔だが、藍の絞り染めを連想した。

「魔法の箱」池田祥子 より

下の句で「髪が長い状態から短く切ろうとしている」ことが伝わる上手さがある。

人生の妙を感じた一首。

もっとみる
『みじかい曲』堀静香歌集を読む。

『みじかい曲』堀静香歌集を読む。

かばん会員の堀静香氏の
歌集『みじかい曲』を読みました。

装丁

表紙のかわいらしいドーナツの絵が目を引く一冊。

パラフィン紙が巻いてあり、
本格的かつ保存しやすいです。



おめでとう、と打って出てくるいくつかの絵文字のなかからいいのを選ぶ

いつしかそれが呪文になって永遠にまわりつづけるサンカンシオン
三寒四温をカタカナにするとたちまち呪文のようになる面白さ。

そうだと気づく春は突然

もっとみる
没短歌をどうする。

没短歌をどうする。

雑談かつ日記。

スマホのメモ帳や、
クラウド保存しているWordファイルに、
ボツの短歌がわんさかある。

そういった場合、どうするか悩む。
内容が良くないものはお蔵入りで良いが、
詠んでみたけどなんだか既視感がある短歌は著作権的に発表しない方が良いし、
どこかに応募するには一味足りないとかイマイチな短歌は時間を置いて校正すれば輝く可能性がある。

最近、短歌系のアプリでは
57577という短歌

もっとみる
まろにゑ第90号・一首選

まろにゑ第90号・一首選

頂いた「まろにゑ90号」2024年6月号より、各連作から一首選をしました。

連作の前半はニュースなどの時事詠。
後半は作者のペットのイシガメの「カメグチくん」についての短歌群。

※添え書き
「自然は生産性ではなく再生力、効率ではなく適応によって成り立っている。」
ジェレミー・リフキン
(朝日新聞二〇二四年一月七日「(対談) 気候危機と人類の今後」より)

連作は子育てが実感のある内容で描かれて

もっとみる
ご参加頂きありがとうございました!-短歌募集企画-

ご参加頂きありがとうございました!-短歌募集企画-

かばん誌掲載の、第二歌集『グロリオサの祈り』の関連企画に、
ご参加頂きありがとうございました。

Xのポストを「いいね」と「リポスト」して頂いた方々もありがとうございました。

お陰様で、多くの短歌をお寄せ頂き、
「花束」のボリュームになりました。
本当にありがとうございます。

お寄せ頂いた短歌は、かばん誌の企画ページとして編集されて掲載されます。
かばん誌の2024年6月号です!

企画に参加

もっとみる
AIと短歌-創作活動の未来-

AIと短歌-創作活動の未来-

最近、短歌がChatGPTでも作れるようになりました。

元々短歌の自動生成は、
旧Twitter上で「星野しずる」という
アカウントが有名です。

そんな昨今、私がずっと思っている事として
「AIで作れない、人間でしか作れない短歌を追求したいが、どうしたら良いか」
という事です。

それを実現するには
人間に出来て、AIに出来ない事
すなわち「人間とAIの差別化」が大事だと思います。

そのよう

もっとみる
短歌募集企画!🌸〆切迫る🌸

短歌募集企画!🌸〆切迫る🌸

🌸短歌募集🌸
2月29日(木)〆切です。
💐ご参加をお待ちしております💐

『かばん』6月号では屋上エデン歌集『グロリオサの祈り』(岡田美幸名義)を特集します。
それにちなんで、皆さんから『花』の名前を詠み込んだ短歌を募集します。

お送りいただいた短歌はかばん2024年6月号の特集内で掲載されます。

かばん会員以外のかたの投稿も歓迎です。

よろしければお知り合いのかたにもお伝えく

もっとみる
かばん誌・歌集特集・短歌募集!

かばん誌・歌集特集・短歌募集!

かばん2024年6月号特集のため、『花』をテーマにした短歌を募集いたします。

詳細

かばん会員でない方の応募も歓迎いたします。

お送りいただいた短歌はかばん2024年6月号の特集内で掲載されます。

必ず花の名前を詠み込んでください。

作例

締め切り

2024年 2/29(木)24:00

お問い合わせ

企画チーフ/壬生キヨム

kiyomumibu@gmail.com

応募フォー

もっとみる
降雪の短歌・俳句

降雪の短歌・俳句

雪が数センチ積もりました。

雪を見ると創作意欲が増す、
かと思いきや色々な作品を思い出すのでした。

雪が降る度にX(旧Twitter)の短歌のタイムラインは
「ゆひら」
と言って騒ぎになります。

これは穂村弘氏の有名な短歌の一部から「ゆひら」の部分だけを取って言っています。

当該の短歌は以下です。

さて、それとは別に私が思い出す短歌は
以前noteの記事で紹介しました歌集
『スーパーアメ

もっとみる
歌集の短歌が新聞に掲載されました!

歌集の短歌が新聞に掲載されました!

いつもありがとうございます。

2024年1月23日付の読売新聞・朝刊の
長谷川櫂様の短歌の記事「四季」にて
歌集『グロリオサの祈り』の短歌を
ご紹介頂きました。

掲載されている事を教えてくださった方々、
記事として取り上げて下さった長谷川櫂様、
歌集『グロリオサの祈り』の読者様、
短歌関連などいつもお世話になっている方々、
ありがとうございます。

掲載された短歌は以下です。

記事には写真付

もっとみる
歌集『ひかる水』(北神照美氏)を読む。

歌集『ひかる水』(北神照美氏)を読む。

歌集『ひかる水』(北神照美氏)を拝読しました。

北神照美氏の第四歌集にあたります。

装丁

ハードカバーの歌集です。

表紙のタイトル『ひかる水』が銀箔押しで、銀色に光る点にデザインの美しさを感じます。

五首選

リンク

Amazonで現行で販売・購入出来るものは英語版のため、英語版のリンクを掲載しました。

歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読む。

歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読む。

歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読みました。

本の紹介

2017年刊行の大湯邦代氏の第六歌集です。
普遍性のある短歌が多いためか、内容が全く古くなくて、読み返しても面白い歌集です。

黒い表紙に櫻の花びらが映える
シックな装丁の一冊です。

五首選

歌集の前半の櫻の連作から一首と、
他に好きな短歌をご紹介します。

リンク

↑Amazon

歌集『金魚を逃がす』(鈴木美紀子氏)を読む。

歌集『金魚を逃がす』(鈴木美紀子氏)を読む。

鈴木美紀子氏の第二歌集
『金魚を逃がす』を拝読しました。

感想と鑑賞

-火と水の相聞-

歌集の前半の相聞群は、
作者(作中主体)が火、
相聞の相手は水としての喩が多いように感じました。

******************

雨量の短歌は、前述の法則からは外れます。
自分の気持ちの高まりや積もり具合が雨量で喩えられているように読みました。
「相聞の相手が水で喩えられる」という読みを当てはめ

もっとみる
歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読む。

歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読む。

第二歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読んだ。

本について

文学フリマでの購入品。

文学フリマ限定ペーパーが挟まっていた。

「各々の本の作者が、文フリの場を活かして色々と販売などの工夫をしているのだな」
という面でも勉強になった、
思い出がある一冊。

装丁も凝っている。

ページ数(ノンブル)について

ページ数(ノンブル)の表記が独特。

一章分/当該ページ
となっていると思われ

もっとみる