中島みゆきの「相聞」というアルバムに入っている「希い」という曲を聴いて、打ちのめされている。なんと力の強い詞だろうか。 打ちのめされている人へ、一筋の光明を歌がもたらしている感じが半端ない。
靑い字で書かれた手紙 別に書かれたくて書かれた譯ぢやない手紙 あなたと相聞するつもりは 私には、ない たゞスマホのワープロ機能が どこまで發達したか見てゐるだけだ、さう 〈聞こえさす女の聲を朧に溺れ くにを〉 雅号まで入力すればがつくりして あなたと相聞するつもりは… ©都築郷士
赤い糸で結ばれた 貴女と私の小指、 それが青だつたり 緑だつたり、と変色する - 貴女には思ひつかないか 世の中フェイクが 溢れ返つてゐる - 唯一私達が それを看過出來るつて 誰の権限で言へるものか 〈困らせるつもりさらさらなけれども独り芝居にや刻々近づく くにを〉 ©都築郷士
あゝ夜は 飾られて鳧 星々に 貴女のかざしにも 一つ取つて進ぜやう そして頑なゝ 貴女の一夜に それを 輝かせて進ぜやう 瞳紅く 火のやうな息の 私だが 愛には忠實 これは私といふ一個の鬼の 告白だ どうか 目を見開かれよ 私の中に 優しくも をの子あるを見まほし。 ©都築郷士