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本や映画のおはなし

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大好きな本や映画、作品にまつわる「人」のお話。
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2024年7月の記事一覧

韓国をもっと知りたくなる!注目の翻訳小説と韓国文学案内本

韓国をもっと知りたくなる!注目の翻訳小説と韓国文学案内本

 幼い頃から本を読むのは好きでしたが、海外文学はどうも苦手で、外国語や海外旅行にも全く興味がわかず、「私は生涯日本から出ることないだろう」と思っていました。ところが2006年、20代半ばの頃、人に誘われて行った韓国旅行で閉じていた扉が開き、韓国の人や食べ物、言葉に興味を持ち始めます。

 「この国のことが知りたい」という思いで最初に手を伸ばしたのは、韓国のドラマや映画、音楽でした。この時「韓国の小

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韓国小説『父の革命日誌』

韓国小説『父の革命日誌』

 2年前の誕生日、1冊の小説をプレゼントしてくれた韓国人女性がいました。彼女は同じ年で、数年前に日本へ移住したフリーランスの書籍編集者。韓国での初めての出産や育児、その他もろもろで疲れ果て、自分の好きなことすら長い間思い出せなくなっていた私に、読むことや書くことの喜びを思い出させてくれた大切な友人です。

 そんな彼女が「最近読んで面白かった」と言って贈ってくれたからには、最後まで全部読み通したい

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翻訳家になったつもりで韓国エッセイを翻訳してみたら

翻訳家になったつもりで韓国エッセイを翻訳してみたら

 私の記憶が正しければ、2015年頃までは日本の書店や図書館に行っても韓国文学の翻訳本はごくわずかしか置かれていませんでした。それに比べて、初めて韓国の書店を訪れた2010年当時、書棚にはあふれるほどの日本の書籍(韓国語に翻訳されたもの)が並んでおり、この日韓の差に驚いたものでした。

 ところが、それから約10年の間に日本ではものすごい勢いで韓国の小説やエッセイ、絵本、詩集、WEB漫画などが書籍

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大盛況のソウル国際ブックフェア2024へ

大盛況のソウル国際ブックフェア2024へ

 6月26日(水)〜30(日)の5日間、ソウル・江南にある総合展示場COEXでソウル国際ブックフェア(ソウル国際図書展)が開かれました。今年は19か国、452の出版関係者が参加。5日間で15万人以上の人が訪れたそうです。

 私が訪れたのは29日(土)の12時前。12時~13時半に予定されていた小説家のキム・エランさんとペク・スリンさんの対談を楽しみにしていたんですが、なんと!会場前へ行ってみると

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【エッセイ】自分の身体を愛したい。私のボクシング日記

【エッセイ】自分の身体を愛したい。私のボクシング日記

    本にも人にも「呼ばれているのかな」と感じることがあって、先週末訪れたソウル国際図書展ではまさに、手招きされているかのようにこの本に吸い寄せられました。

『生まれて初めてのキックボクシング(난생처음 킥복싱)』

    よく見るとファン•ボルム著と書いてあり、おもわずスタッフの方に「もしかしてこの著者は『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』を書いたファン•ボルムさんですか?」と確認。返事はYES

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