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研究者のキャリアデザイン

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『研究者』のキャリアデザインに参考となるnote記事をシェアしています。
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2024年6月の記事一覧

「その研究で何に挑もうとしていますか?」

「その研究で何に挑もうとしていますか?」

実践研究に取り組む院生が「研究」の感覚をつかんでいるかは、
「その研究で何に挑もうとしていますか?」
という質問にどう答えるかで、だいたい分かる気がする。

みたいな答えが返ってきたら、研究の感覚がつかめていない。
実践上の「◯◯したい!」という願いが、そのまま研究上の問題設定と一体化してしまっている。

一方、研究の感覚をつかんでくると、次のような言い方になる。

これらは、もちろん、細かくて具

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研究/探究の9割は問いで決まる

研究/探究の9割は問いで決まる

専門分野(教育学)の性質上、大学院生でも学校教育に関わらせていただくことが度々あります。
特に多いのは、高校の「総合的な探究の時間」。
そして、「調べ学習にならないようにするにはどうしたらいいですか?」という質問を先生方からよくいただきます。この質問は、高校生をどう探究へと導けばよいのか、という単なるハウツーより、調べ学習と探究がどう違うのか、ということから答えていく必要があると思っています。

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人生14回目の学会発表で見えた真実:研究者としての成長

人生14回目の学会発表で見えた真実:研究者としての成長

こんにちは、朝山絵美です。

春に博士の学位も取り、一旦研究活動には区切りをつけた私ですが、ライフワークとして研究活動を少し進めています。先日、経営学における老舗である組織学会にて学会発表を行ってきました。

ここにきてようやく「学会発表とはなんたるか」がわかったように思えたので、鮮度が高いうちに皆様に紹介したいと思います。特に社会人学生を目指している方には事前に知っておいていただくと良いかなと思

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『研究者のための生成AI活用セミナー』を開催しました!

『研究者のための生成AI活用セミナー』を開催しました!

こんにちは。
東京大学医学部を卒業後、医師かつ脳神経科学や人工知能の研究をしている紺野大地と申します。

2024年6月21日&23日に、
『研究者のための生成AI活用セミナー』を開催しました。

計600人以上もの方に参加いただき、平均満足度は5点満点中4.6点(4 or 5点が95.2%)と、
非常に高い評価をいただくことができました!🎉

参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました

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【世界のラボ】Vol.01【縦横無尽に視線が行き交うアトリウム】The MIT Media Lab

【世界のラボ】Vol.01【縦横無尽に視線が行き交うアトリウム】The MIT Media Lab

マサチューセッツ工科大学の「The MIT Media Lab」は、さまざまな研究分野を含む教授陣の精力的な活動の基盤として、学術的な領域から音楽やグラフィックデザインに至るまで、分野を超えた研究グループが交流し、互いを刺激し合いながら研究をおこなっている。

今回は、学界と産業界が協力する研究環境を開拓し、さまざまなイノベーションを生んできたこのラボを紹介しよう。

建築としての工夫や評価Med

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学会参加は贅沢品…子育て中の研究者も学会参加できる未来が来ますように。

学会参加は贅沢品…子育て中の研究者も学会参加できる未来が来ますように。

5月、6月と続けて学会に発表の機会をいただき、学会参加してきました。学術分野によって学会のスタイルも全く異なると思いますが、私が所属している経営・マーケティング分野の学会は土日2日間開催というのが普通です。私の場合、学会参加している間、子ども達は旦那様が面倒見てくれました。しかし長時間の参加は難しく、2つの学会共、自分の発表が終了次第いそいそと会場を抜け出しました。やはり小さい子どもがいると学会に

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博士を1ミリでも考えている人の学び場の選び方

博士を1ミリでも考えている人の学び場の選び方

こんにちは、朝山絵美です。

ここまで、博士後期課程における振る舞い方や研究活動とは何たるかについてお伝えしてきました。ここまでの話を踏まえると、社会人院生にとって学び場である大学院をどう選ぶべきかがクリアになってきます。
そこで、今回は、最適な大学院の選び方について私見をお伝えします。

ここまでの話はコチラをご覧ください。(こちらを読んで頂いた後に、今回の記事を読んで頂くことをお勧めします)

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【研究者4名のキャリア】これまでの経歴と大変だったことや苦労したこと、乗り越え方とは?

【研究者4名のキャリア】これまでの経歴と大変だったことや苦労したこと、乗り越え方とは?

研究者を志すにあたって、どんなキャリアを歩むことになるのか、不安に思ったり悩んだりしたことはありませんか?また、働くフィールドや働き方(大学や企業の研究部門、公的機関、非営利団体といった研究機関、独立系研究者)も様々な選択肢がある中で、他の研究者がどのようなキャリアを歩んでいるか知りたい!と思ったことはありませんか?

これまで、エコラボnoteでは研究者の働き方や、キャリアに関するnoteをいく

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【研究のススメかた】避けるべき論文の見分け方

【研究のススメかた】避けるべき論文の見分け方


1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。大学や大学院等における研究活動に関して、お読みいただいている皆さまになにかしら示唆をご提供できればという思いで書いています。

読者層としては、大学院等の研究機関で研究活動に取り組む方々を想定しています。今回テーマとして取り上げるのは、「避けるべき論文」、すなわちハゲタカジャーナルに掲載されている論文の見分け方。

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博士後期課程で培った研究能力を活かし、毒性のスペシャリストへ|山本穂高 氏(PhD)

博士後期課程で培った研究能力を活かし、毒性のスペシャリストへ|山本穂高 氏(PhD)

2023年3月修了
現職:中外製薬株式会社 トランスレーショナルリサーチ本部  安全性バイオサイエンス研究部

2023年3月に卒業し、中外製薬株式会社に入社。安全性バイオサイエンス研究部に研究職として配属され、新しい医薬品の候補化合物に対して遺伝毒性試験を行っている。未知の分野で右も左も分からない中でのスタートだったが、安全性を正しく評価することの重要性を感じつつ、日々奮闘している。そんな山本穂

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最高の学びは、教えること ~「論文の読み方・調べ方講座」を終えて思うこと~

最高の学びは、教えること ~「論文の読み方・調べ方講座」を終えて思うこと~

こんにちは。紀藤です。今週の土曜日に、私が学んだ立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)にて、とある講座を実施させていただく機会がありました。

テーマは、「論文の読み方・調べ方講座」なるものです。私は2年前に卒業をした2期生ですが、今年の1年次生(5期生)向けに大変ありがたい機会をいただきました。

そして率直に今思っているのが「自分が一番勉強になったな」ということ。今回のプ

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マスタリーの道は「研究と実践の往還」にあり

マスタリーの道は「研究と実践の往還」にあり

話を聞くよりも実際に目にしたほうが、自分が受ける影響は強いですし、目にするよりも実際にやってみるほうが、その世界を自分のものとして捉えることに役立ちます。

「体験すること」とは、世界の見え方を変えてくれる。なんだか大げさなようですが、そんなことを思う経験がありました。
今日はそのお話について、言葉にしてみたいと思います。

VIA強み発見ワークショップの開催2年前からお世話になっているとある会社

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