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sciencingstyle.comは、サイエンス・研究開発を中心に、様々な分野のイノベーション環境に必要とされるリソースを提供する、オリエンタル技研工業(株)運営のオウンドメディアです。これまでにないツールやカルチャーの発信を通じて、ひらめきの瞬間の創造に貢献します。

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  • お役立ちコラム

    研究設備機器やラボの労働安全衛生などについての解説コラムをまとめたマガジンです。

  • サイエンスとイノベーションにまつわるコラム

    世界を変えたイノベーターやイノベーションを生んだ空間に迫る『イノベーションのうまれたところ』、五感と創造力の関係性を科学する『五感の科学』など、サイエンスとイノベーションをテーマにしたコラムをまとめたマガジンです。

最近の記事

【五感の科学】Vol.08コーヒー中のカフェイン作用で、ひらめきの神経物質が活発化する

誰しも一度は「ひらめき」を感じたことがあるだろう。 例えば、気持ち良い晴れの日の散策中、ジョギングなどの軽運動時、朝の目覚めるタイミングなど、ひらめきはいつやってくるか分からない。そして不思議と、コーヒーを飲んだ時にも、しばしばひらめきを感じることがある。 そんな日常生活のあらゆる場面で起こる「ひらめき」は、瞬間的な気づき、ストレスの解放、興奮に近い情動を伴い、私たちにポジティブな体験をもたらすことが知られている。(1 この要因には、脳内の神経興奮物質である「ドーパミン

    • スクラバー(排ガス洗浄装置)選定ガイド

      スクラバーとは、ラボや工場からの排気に含まれる様々な有害ガスを除去する装置です。 スクラバーは主に、活性炭によって有害ガスを除去する乾式スクラバーと、薬液との接触により有害ガスを除去する湿式スクラバーの2種類に大別されます。 本コラムでは、スクラバーの種類やメンテナンスの重要性をご紹介しています。 スクラバー(排ガス洗浄装置)の選定 一般的な化学薬品に対して、乾式スクラバーと湿式スクラバーのどちらが適しているのかを表にまとめました。 乾式スクラバーは疎水性有機系ガス

      • 安全管理者必見!「有機溶剤中毒予防規則」徹底解説

        企業のコンプライアンス遵守の取り組みがますます求められるいま、様々な有害物質を多く取り扱うラボにおいては、コンプライアンスを遵守することが研究者の命を守ることにつながります。 本コラムでは、有機溶剤の安全基準を定めた有機溶剤中毒予防規則(以下、「有機則」)を詳細に解説しています。ラボのコンプライアンスチェックにぜひご活用ください。 1.有機溶剤中毒予防規則(有機則)とは有機則では、「どのような物質を使用するのか」、「どのような業務を行うのか」 、「どのような場所でその業務

        • ヒュームフード(ドラフトチャンバー)の省エネ化なくしてラボの「電気代削減」は実現不可能!?

          原油価格高騰やウクライナ情勢などの様々な要因により、未曾有の電気料金高騰が続いています。電気料金の高騰が今後も続くと予想される状況のなかで、各企業の電気代削減の取り組みがますます重要になっています。 ラボにおいても、電気代削減は避けては通れない課題です。なかでも、ヒュームフード(ドラフトチャンバー)に関わるエネルギー消費は膨大で、全体の50%をも占めると言われています。 ヒュームフードは冷暖房の効いた空気を屋外に排気するため、それに伴う室内への給気と温度調整が必要となり、

        【五感の科学】Vol.08コーヒー中のカフェイン作用で、ひらめきの神経物質が活発化する

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        • お役立ちコラム
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          19本

        記事

          薬品管理システム クラウド型の5つのメリット

          使用量の管理、在庫の管理、セキュリティ、リスクアセスメントなどが煩わしい薬品の取り扱い。当社はそんな薬品に関する煩雑なルーティンワークの負担を軽減する薬品管理システム"STORAGEシリーズ"を1998年より販売してきました。 これまでの"STORAGEシリーズ"はソフトウェアなどをユーザーの施設内に設置するオンプレミス型のシステムでしたが、2021年度より更なる機能向上を目指し、ネットワーク経由でサービスを提供するクラウド型薬品管理システム"STORAGE CS"をリリー

          薬品管理システム クラウド型の5つのメリット

          安全キャビネットとクリーンベンチの違い

          本コラムでは安全キャビネットとクリーンベンチを比較します。 実験室では封じ込め装置を用いて、作業者やサンプル(試料)を保護しています。しかし、装置によって保護機能が異なるため、目的に合った装置を選定する必要があります。 安全キャビネットとクリーンベンチには、どちらもHEPAフィルターが搭載されています。HEPAフィルターは0.3μmの微粒子を99.97%以上の効率で除去でき、粒子状の物質や感染性の物質を捕集するには効果的ですが、揮発性の化学物質やガスを捕集することはできま

          安全キャビネットとクリーンベンチの違い

          【イノベーションのうまれたところ】Vol.06ニコラ・テスラ / 発明家

          ニコラ・テスラという男ニコラ・テスラは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したセルビア系アメリカ人の発明家、物理学者、電気技術者。 X(旧Twitter)社のCEOでもあるイーロン・マスク氏が創業した電気自動車メーカー「テスラ」の社名は、彼にちなんでつけられたものだ。 交流電流の発明者として知られており、現代の電気技術の発展に大きな影響を与えた。 彼の研究や発明は多岐にわたり、発明品や設計図の総重量は数トンにも及ぶと言われており、設計図の原版は、2003年にユ

          【イノベーションのうまれたところ】Vol.06ニコラ・テスラ / 発明家

          【ラボ環境の科学】Vol.03空気質(IAQ)の低下による健康被害:シックハウス症候群について

          近年のウェルビーイングへの関心の高まりや新型コロナウイルスの影響により、健康的に働ける安心・快適な職場環境を求める声は大きくなっています。騒音や照度など、職場環境を左右する要因はいくつもありますが、昨今特に大きな注目を集めているのがVOC(揮発性有機化合物)をはじめとした室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)です。本コラムでは、そんなIAQの低下と大きく関係するシックハウス症候群について解説します。 職場におけるシックハウス症候群について 昨今、特にリ

          【ラボ環境の科学】Vol.03空気質(IAQ)の低下による健康被害:シックハウス症候群について

          【ラボ環境の科学】Vol.02 ESG経営における空気質(IAQ)の重要性と職場環境改善の取り組み

          環境問題への対応や多様性の推進などへの企業の取り組みは世界中でますます重要視されています。 その中でも昨今注目を集めているのが「ESG経営」という経営戦略です。 本コラムでは、ESG経営の概要とその取り組みの一つである職場環境の改善、特に「空気質 (IAQ: Indoor Air Quality)」との関係について解説します。 ESG経営とは? ESG経営とは、環境問題への取り組みや社会的規範や管理体制の遵守を重視する経営の在り方のことで、「ESG」は環境(Enviro

          【ラボ環境の科学】Vol.02 ESG経営における空気質(IAQ)の重要性と職場環境改善の取り組み

          【ラボ環境の科学】Vol.01今注目を集める室内空気質(IAQ)とは?健康・仕事の生産性への影響と対策方法を解説

          食べ物や水以上に私たちが多く体内に取り入れているのが今回のテーマである「空気」だということはご存知でしょうか。空気は目に見えないため、自ら意識できる食べ物や水以上に、そこにどんな成分が含まれており、健康に悪影響を及ぼしていないかに注意を払う必要があります。 本コラムでは、私たちのもっとも身近にある室内の空気質(IAQ)について解説します。 室内空気質(IAQ)とは? 「室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)」とは空調/環境関連の業界で使われる用語で、

          【ラボ環境の科学】Vol.01今注目を集める室内空気質(IAQ)とは?健康・仕事の生産性への影響と対策方法を解説

          【世界のラボ】Vol.03【芸術性を纏った生物医学の名門】Salk Institute for Biological Studies

          ■概要1965年の竣工以来、2022年現在で6人のノーベル賞受賞者を迎えるSalk Institute for Biological Studies。 日本では「ソーク研究所」の名で知られている。 同研究所はポリオ・ワクチンの開発者であるジョナス・ソークによって創設され、在籍研究者数1,000名未満と比較的小規模ながら、生物医学分野では世界屈指の研究論文引用数で知られている。 研究棟の設計は、建築家ルイス・I・カーンによるもの。 その美しい造形をひと目見ようとして訪れ

          【世界のラボ】Vol.03【芸術性を纏った生物医学の名門】Salk Institute for Biological Studies

          【五感の科学】Vol.07チョコレートの摂取で研究や仕事へのモチベーションを高める

          平成26年に厚生労働省が発表した成長分野などの中小企業に関する「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」によれば、働きやすく働きがいのある職場は、従業員のモチベーションが高く、会社の業績も高い傾向があるという。 働きやすく働きがいがある職場を構築して従業員のモチベーションを高めるためには、「本人の希望ができるかぎり尊重される配置」や「自分の希望に応じ、特定のスキルや知識を学べる研修の実施」などの雇用管理制度の改善も一つの手だが、ちょっとした工夫でも職場のモチ

          【五感の科学】Vol.07チョコレートの摂取で研究や仕事へのモチベーションを高める

          【イノベーションのうまれたところ】Vol.05ジョナス・ソーク / 医学者

          ジョナス・ソークという男ジョナス・ソークは、1914年にニューヨークで生まれた医学者である。 彼が1995年にその生涯を終えるまでに残した大きな功績のひとつが「ポリオワクチンの開発」だ。 彼の功績は、それまで世界中で猛威をふるっていたポリオ感染症を撲滅し、多くの子どもの命を救うことにつながった。 コロナウイルスとの闘いが続く現在、ソークが残してくれたストーリーは我々に何を教えてくれるだろうか。 今回は、そんなジョナス・ソークの生涯について見ていこう。 人類の役に立

          【イノベーションのうまれたところ】Vol.05ジョナス・ソーク / 医学者

          【五感の科学】Vol.06コーヒーの香りには集中力向上効果がある

          研究や仕事のマストアイテムとしてコーヒーを愛飲している研究者やビジネスマンの方は多いことだろう。 ハードな仕事をする時にも、クリエイティブな創造をする時にも、そのお供としてコーヒーが広く愛されているのは、その成分であるカフェインに仕事や研究における情報処理能力を高める効果があることが知られているからだ。 コーヒーと言えば、この「カフェイン」に注目しがちだが、実はその香りを嗅ぐだけでも集中力や情報処理能力を高める効果があることをご存知だろうか? 杏林大学医学部の古賀良彦教

          【五感の科学】Vol.06コーヒーの香りには集中力向上効果がある

          【世界のラボ】Vol.02【研究者が行き交うBio-Xプログラムの大脳】スタンフォード大学 James H. Clark Center

          Bio-Xプログラム工学・生物学・自然科学や心理学・コミュニケーション分野において、全米最高峰の研究が行われているスタンフォード大学。 今回紹介するのは、そんなスタンフォード大学の中心部、キャンパスとメディカルセンターを結ぶ主要ルートに建っているJames H. Clark Centerだ。 同大学は、生命科学研究のさらなる飛躍を目指すための研究プログラム「Bio-X プログラム」を推進していることでも有名だ。 この「Bio-X プログラム」の掲げる理念は、異分野・

          【世界のラボ】Vol.02【研究者が行き交うBio-Xプログラムの大脳】スタンフォード大学 James H. Clark Center

          【五感の科学】Vol.05アロマオイルがもたらすリラックス効果フィトンチッドの正体

          森林の中を散策すると、すがすがしい香りが漂い、リラックスすることができる。 このような森林浴の効果は、森の香り成分である「フィトンチッド」が一因であることが知られている。 フィトンチッドにはリラックス効果の他にもさまざまな効果があり、古来よりアロマオイルなどとして、さまざまな用途に活用されてきた。 フィトンチッドとはどのようなものなのか、そしてどのような効果があるのか、詳しく解説していきたい。 フィトンチッドとは?フィトンチッドは植物を意味する「フィトン」と殺菌を意味

          【五感の科学】Vol.05アロマオイルがもたらすリラックス効果フィトンチッドの正体