博士のたまご

大学院生(博士課程3年目) 教育学が専門です。筆が遅いので、書くことに慣れるためにnoteを始めました。主に研究生活に関すること、時々関係ないことも書くかもしれません。

博士のたまご

大学院生(博士課程3年目) 教育学が専門です。筆が遅いので、書くことに慣れるためにnoteを始めました。主に研究生活に関すること、時々関係ないことも書くかもしれません。

マガジン

  • 回想あるいは日記

    誰かに届けるつもりもなく、考えていたことを書いただけの記事。

  • フィンランド語学習記録

    フィンランド語学習を継続したいものの、全然続かないので、noteを文字通りノート代わりに使うことにしました。

  • 誰かに届けたい記事

    必要としている誰かに届いたらいいな、という思いで書いた記事。

最近の記事

文章イップス

フィンランド語学習記録がday 1で止まっているという三日坊主も真っ青の状態。 ホストファミリーや現地の友人とのスケジュール調整など、フィンランド語の文章を書く機会は度々あったのだが、新規情報の学習まで手が回らず。 というのも、10月には国内の学会の発表もあり、それから続けてゼミ発表、そして海外出張の手続きに追われる中で、心身の調子を崩してしまい、文章を書くどころか、パソコンも開けない期間が続いていた。 イップスとは、心理的な要因で今までできていた動作が思い通りにできなくな

    • フィンランド語学習記録 day1

      フィンランド開催の国際学会が来月に迫ってきました。 正直、フィンランド語を復習することよりも発表準備に専念する方がいいに決まっているのですが、せっかく留学時代のホストファミリーや友達に再会できるチャンス。 ちゃんとフィンランド語で彼/彼女らと話がしたい。 そう思って、フィンランド語を復習しようしようと言いながら、数ヵ月が経ってしまいました。 もともと先延ばし癖のある私が、一緒に頑張ってくれる仲間が身近にいるわけでもないのに、自主的な勉強などできるはずがないので、note

      • 遅ればせながら、自己紹介を。

        初めてnoteの記事を書いてから、1年くらい経っていたようです。 書くことに慣れたいという理由だけでnoteを始め、SNSにアップすることもなく、こっそり書いてきました。 間違って誰かに読まれても数人くらいだろうと高をくくっていたのですが、思ったよりも多くの方々に読んでいただいており、恥ずかしいやら、嬉しいやら…。ありがとうございます。 今更ではありますが、自己紹介くらいは、と思って記事を書いた次第です。 現在の生活関東にある大学院で、教育学の研究をしています。 具体的

        • 研究をやめたくなるとき

          もう、研究なんかやめちまえ、と思うときがある。 昨日はそういう日で、寝て起きたら気持ちが変わるかと思ったけど、どうやらそうはいかなかったみたいだ。 この無力感というか、負のエネルギーを吐き出さないと始動できない。 もし、院生の同志がこれを読んで、心の中で「わかるわかる」と思ってくれたら、それだけで私は救われます。どうか温かい目で見てやってください。 私の研究は、子どもの意思決定に大人がどう関わるべきかという問いを起点に、教育/政治/法哲学、心理学(自己概念、発達理論)分野

        マガジン

        • 回想あるいは日記
          8本
        • フィンランド語学習記録
          1本
        • 誰かに届けたい記事
          3本

        記事

          「相対化する」ことの大切さと難しさ

          最近、SNSを見ていると、地元(沖縄)の知り合いたちが、食べるもの、日頃の立ち居振る舞い、友人関係、自分の夢、いろんなことを沖縄と結び付けて投稿をしていることに引っかかっている。沖縄って○○だよね、うちなーんちゅって○○だよね、みたいな。 沖縄出身であることに強いアイデンティティを抱き、自分の出身地に誇りをもつことはいいことだし、沖縄出身であることに引け目を感じてきた親世代より上の人たちの経験や歴史から見れば、素晴らしい進歩だ。 でも、それを素直に受け入れられない、共感で

          「相対化する」ことの大切さと難しさ

          「自分で」選ぶとはどういうことか?

          なんとなくnoteの通知を開いてみたら、「投稿コンテスト「#自分で選んでよかったこと」を開催します!」という文字列。 「ある人(A)が、A自身の利益を損なうことが予想される選択をしようとしているとき、Aと向き合っている他者(B)は、それでもなお、本人が決めたこととしてAの選択を尊重すべきなのか?」という問いをもって研究している私。 「何か書かなきゃ」と思い、ほとんど反射的に投稿ページを開いた。 「選択」というのは、日常的に用いられるありふれた言葉だけれども、いや、だからこそ

          「自分で」選ぶとはどういうことか?

          『戦雲-いくさふむ-』を観てきた

          ドキュメンタリー映画のお誘い隣の研究室の子に誘われて、『戦雲‐いくさふむ‐』というドキュメンタリー映画を観てきた。 博士課程・同じ専攻・同性という共通項だけで、なんだか仲良くなってしまった3人で、20名も入らなさそうなミニシアターに行ってきた。 平日の昼間、もうアラサーにもなって映画を観るために学生証を見せるのは、なんだか後ろめたかったけど、自分の親よりいくばくか年上の方々に囲まれて、自分に「若者」のラベルを貼った。 この映画を観に行こうと誘ってくれた子は、よくドキュメンタ

          『戦雲-いくさふむ-』を観てきた

          留学しくじり先生:10年前の私みたいになるな!

          さっき恐ろしいことに気がつきました。 今年は2024年、つまり、留学した2014年からちょうど10年経つらしい。 そして、その節目の年に、奇遇というべきか、専門分野の中でもかなり大きな国際学会が、私が留学していた国、フィンランドで開催されるのです。 先月末、原稿を提出したので、無事査読を通過すれば、フィンランドに行くことができます。(ちなみに記事の写真は、2018年にフィンランド再訪したときに撮影したものです。どこかの森です。) それで思い出してしまった――。 10年前の

          留学しくじり先生:10年前の私みたいになるな!

          研究/探究の9割は問いで決まる

          専門分野(教育学)の性質上、大学院生でも学校教育に関わらせていただくことが度々あります。 特に多いのは、高校の「総合的な探究の時間」。 そして、「調べ学習にならないようにするにはどうしたらいいですか?」という質問を先生方からよくいただきます。この質問は、高校生をどう探究へと導けばよいのか、という単なるハウツーより、調べ学習と探究がどう違うのか、ということから答えていく必要があると思っています。 (個人的)ショートアンサーは、すでにある答えを知りたいのが調べ学習、まだない答え

          研究/探究の9割は問いで決まる

          人は論理よりも情理で動く―INTJの人付き合い失敗談―

          私は論理で動く 私は友達が少ない。「え〜!いっぱいいそうなのに〜!」とよく言われるが、私の友達の定義が狭いわけでも、謙遜してるわけでもない。「いつめん」なんてのはあるはずもなく、友達から遊びのお誘いがくることも自分から誘うこともほとんどないと言えば、大体の人は納得する。 そんな私のMBTI診断の結果は建築家(INTJ)。そこにも「建築家は人付き合いにもどかしさを感じるので、人付き合い自体をやめてしまおうかと考えることもあります」などと書いてあった。人付き合い自体をやめてしま

          人は論理よりも情理で動く―INTJの人付き合い失敗談―

          先延ばし魔の大学院生が、やる気が出ないときに実践する対処法(パターン別)

          はじめに記事の画像に使わせていただいているのは、ティム・アーバンのTED talks(下記リンク)で出てきたイラストです(9:13あたり)。 これは、先延ばし魔の締切直前の頭の中。 右の棒人間は、理性的な人。真ん中のサルは、すぐに楽したいサル。こいつが意思決定の舵を握ってしまっている。そして、締切が迫ると、サルの唯一の天敵パニックモンスター(左)が目を覚まし、システムが混乱! とまあ、そんな状況を描いたイラストです。先延ばし魔に心当たりしかない私は、この方のお話が大好きで、何

          先延ばし魔の大学院生が、やる気が出ないときに実践する対処法(パターン別)

          「あなたにはわからない」と言われたとき―『当事者は嘘をつく』を読んで

          はじめに 『当事者は噓をつく』を読了した。 修復的司法の研究者である著者・小松原氏は、性暴力の被害を受けた当事者でもあると自認している。本書には、「被害者/被支援者」「支援者」「研究者」の関係性と立ち位置のなかで、自分自身をどのように位置付けていけばよいのか、悩んできたことが綴られている。 「当事者」がほとんど被害者と同義で語られること、加害/被害の枠組みが性暴力のように時間的な前後があるケースを想定していること(人種や障害、ジェンダーなどの「当事者」にも同じことが言える

          「あなたにはわからない」と言われたとき―『当事者は嘘をつく』を読んで

          教室に来れなかったあの子へ

          まだ2月に入ったばかりだけど、3月の高校入試の日が近づくといつも思い出すことがある。 私が中学校3年生だったときのこと。 高校入試の日、推薦入試で合格した子や専門学校へ行く子など入試を受けない生徒は、学校で清掃活動をすることになっていた。私は、第一志望校に推薦で合格が決まっていたので、清掃活動組だった。 清掃活動組には、普段教室に来ない子たちも何人か混ざっていた。 明確にグループ分けをしたわけじゃないけど、私たちは各々話しやすい子同士でプランターを運んだり、箒で掃き掃除を

          教室に来れなかったあの子へ

          非生産的な時間は生活も研究も豊かにする

          数日前、久しぶりに大学生みたいな飲み会をした。 3時間の飲み放題コースでおなかをたぷたぷにして、その後3時までカラオケで歌いまくった。遊び疲れた頭と身体の感覚がなんだか懐かしくて、あたたかい気持ちになった。 大学院の、しかも博士課程まで来てしまうと、こうやってアホみたいに遊べる友達の数はどんどん減っていく。地元の友達とはSNSでつながっているだけで、自分からも相手からも連絡することはほとんどない。Instagramのストーリーで中学校の同級生の結婚を知り、その子たちの子ども

          非生産的な時間は生活も研究も豊かにする

          苦労した過程を褒められないことがつらい話

          はじめまして、博士のたまごです。 博士号取得を目指して日々研究をしている学生(27)です。 どこの世界も同じかもしれないけど、研究の世界は、何本論文書いたかがいつも問われる競争社会で、私みたいな遅筆家にとっては、結構つらい世界だなあと思う。 そうは言っても、研究者として食べていきたいと思って大学院にいるんだから、成果主義に文句をつけて、筆の遅さを棚にあげていては自滅してしまう。だから、パソコンを開き、ワードファイルを開き、文章を書き起こすことへの心理的ハードルを下げようと、ま

          苦労した過程を褒められないことがつらい話