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勝手に解説おめめどう

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(株)おめめどうの、支援思想を私なりの翻訳でお伝えします。納得できないと実践できない人達向けの、理屈に説明を割いています。「とにかくやってみて」では納得できない、動けない人達向け…
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「同一保持」前・中・後編(2022年12月10日)

ハルです

ハルネットの皆さん、こんにちは。
昨日メンターで、同一保持とこだわりはどう違うの?というような質問がやってきたのですね。
で、「同一保持」と「こだわり」の関係性をお知らせしたいなと思って、三部作(朝・昼・夜)に分けて書きました。

ハルネットの方にも読んでいただくと、役立つと思うので、それを転載します

・・・・・・・
 皆さん、こんにちは

 同一保持を、検索すると、最初にこの二行が

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なぜ、父は「当然の権利だ」と思えなかったんだろう?

父は、わたしが物心ついたくらいのタイミングで片耳の聴力を失い、もう片耳もほとんど聞こえなくなった。
聞こえる方の耳に補聴器を使うこともあったけれど、昔の補聴器はノイズも全て拾ってしまっていたため、頭が痛くなるからと普段は使っていなかった。

好奇心旺盛で何にでも手を出してみたい人で、そういう性格はそのまま私に受け継がれていると思う。
飽きっぽいところも同じだ。
休みの日に遊んでくれるのは主に父だっ

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【半神:萩尾望都】 「憎んだ」のではなく「憎むように仕向けられた」のに、そのうえ罪悪感まで背負わされちゃたまらないよねえ

【半神:萩尾望都】 「憎んだ」のではなく「憎むように仕向けられた」のに、そのうえ罪悪感まで背負わされちゃたまらないよねえ

【ネタバレを含みますので、できれば作品を最後まで読んでから、このnoteをお読みください】

萩尾望都の「半神」は、大学生の頃に初めて読んだ。
その時感じた衝撃を思い出し、感想を改めて書こうとしてみたのだが、今の私は全く違う視点でこの作品を読み、衝撃よりも怒りを感じている。
これもまた、自分を知る手掛かりになるかと思うので、書き残す。

物語は、奇妙な視点から、特異な経験が描かれる。

主人公は一

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ある日突然その日がやってくる

ある日突然その日がやってくる

一昨日、プールで初めて500m泳げるようになった。
と思ったら、その翌日には1km、そして今日は1.2km泳げるようになっていた。

市営プールは、1時間で250円。
現在、緊縮財政を敷いているので、きっちり1時間以内に出てくるようにしている。
着替えの時間を含めると、実質泳げるのは50分ほど。
その50分の間に、泳げる距離がどんどん伸びている。

特に画期的な方法を導入したわけではない。
毎日プ

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「視覚的支援をしてみよう」動画版

「視覚的支援をしてみよう」動画版

「視覚的支援をしてみよう」解説冊子にもとづいて話したものを動画化しました。

 視覚的支援をするさいに考えておこないといけないことや、支援の具体例について語っています。最初のは全体を通したもの。なお途中大久保賢一先生を「ガチガチの応用行動分析家」と紹介していますが、disっているわけでなく、全てを随伴性の観点で考えていかれる、という意味です。お人柄は、この動画の公開許可を出して下さるぐらい柔軟です

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「視覚的支援をしてみよう」解説冊子

「視覚的支援をしてみよう」解説冊子

 視覚的支援について書かれた本は、おめめどうでもおめめどう以外でもたくさん出るようになりました。そんな中で、できるだけ「その場でぱっぱっと思いつきで書いたような支援物」をみなさんの協力で集め、「これなら私も書ける(描ける)」と思ってもらえたら、と願ってこの冊子を作りました。
 多くは「おめめどう」の支援ツールを使った例になっています。
 無料でダウンロードできます。著作権は放棄しませんが、いろいろ

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コミュニケーション

コミュニケーション

愛情って、与える側にも、受け取る側にも、好みと容量の問題がある。

受け取る側としては、バイキングと同じで、欲しいものを欲しいだけ食べたいのに、いらないものを必要以上に与えられても困るだろう。
また、メニューはたくさんあるのに、食べたいものが何もなかったら、それはそれで悲しい。

与える側は、自分のバックボーンで愛を定義してるから、そもそも与えたい愛情の「色や形や模様」が相手の好みに合ってるのかと

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私がおめめどうを推す理由(Facebookより転載)

これは、2018年12月9日に書いたものです。
大西俊介さんは、2023年8月30日に永眠されました。
もう、大西さんのお話は、2度と聞けません。

…………

今日は、おめめどうオブサーバーである、syunさんこと大西俊介さんの相模原での講演会でした。

時節柄体調を崩される方が多く、前日までに何名かキャンセルが出たので、ちびたんの母ちゃんたちにも、おいで、と声を掛けさせてもらいました。

私は

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認知症が教えてくれるもの 「勝手におめめどう」番外編

認知症が教えてくれるもの 「勝手におめめどう」番外編

「マンガ認知症」(ちくま新書 ニコ・ニコルソン/佐藤眞一著)を読みました。

身内に認知症のケアが必要な人間がいるわけでもないのに、買ってみようと思ったのは、立ち読みした時に

①介護は知ることで楽になる。
②家族が困るのは、本人が困っているから。本人が楽になれば家族も楽になる。

と書かれていた点が、おめめどうの自閉症支援と全く同じだったからです。

おめめどうユーザーの皆さんなら、ハルさんこと

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なんでも人権で語る架空人生相談

なんでも人権で語る架空人生相談

竹槍一本で戦車に向かうが如く、持ってる武器は「人権」一本という、根本玄里先生のラジオ人生相談のお時間です。

今日のご相談者は、子育てに悩む新米母さん。

人権は相談者さんを、救えるのでしょうか?

相談者:
「はじめまして。26歳主婦です。恋愛結婚して5年目に男の子を授かりました。今4ヶ月で外を歩けば可愛い盛りだねえと言われます。けれども、産んでみてわかったんですが、わたし、本当に子育てに向いて

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勝手に解説おめめどう(1)カレンダーを勧められるのはなぜか?

勝手に解説おめめどう(1)カレンダーを勧められるのはなぜか?

おめめどうというのは、兵庫県丹波篠山市にある自閉症の支援グッズを製造販売している会社です。うちには自閉症の子どもがいるわけでもないし、身内がそれで困っているわけでもありません。むしろ先天的な障害のある人との付き合いがないまま半世紀以上生きてきました。けれど、そんな私がおめめどうに出会い、その支援思想やノウハウを面白いと思ったのは子育てに必要な知恵をふんだんに含んでいると思ったからです。発達途中の「

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勝手に解説おめめどう(2)カレンダーがうまく機能しないのはなぜか?

勝手に解説おめめどう(2)カレンダーがうまく機能しないのはなぜか?

おめめどうというのは、兵庫県丹波篠山市にある自閉症の支援グッズを製造販売している会社です。うちには自閉症の子どもがいるわけでもないし、身内がそれで困っているわけでもありません。むしろ先天的な障害のある人との付き合いがないまま半世紀以上生きてきました。けれど、そんな私がおめめどうに出会い、その支援思想やノウハウを面白いと思ったのは子育てに必要な知恵をふんだんに含んでいると思ったからです。発達途中の「

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勝手に解説おめめどう(3)人は何によって生きているのか

勝手に解説おめめどう(3)人は何によって生きているのか

タイトルで大風呂敷を広げてしまった。でも、これくらい言ってもいいと思う。
久しぶりに、株式会社おめめどうのハルさん(奥平綾子社長)の講座を聞いたので、思ったことを書く。

「人はパンのみにて生きるにあらず」
有名な聖書の一節だ。
「物質的な満足だけではなく、精神的な満足を得てこそ生きてるってことじゃん」
と救世主はおっしゃったらしい。異論のある人はいないと思う。
けれど、障害のある人たちにについて

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勝手に解説おめめどう(4)時間のインストールは必須事項

勝手に解説おめめどう(4)時間のインストールは必須事項

大学三年の時だったかと思う。
寮で寝ていた時に電話で起こされ、ぼーっと歩いていて、廊下で転んで頭を打った。
その時、始めて脳震盪というものを経験した。

気を失っていたのは、おそらく数秒。
でも、意識を取り戻して最初に友達に聞いたのは
「今、何日?何時?」
だった。

同じく、大学三年の冬、帰省した時に高校の恩師と友達とで夜中にスケートに行った。

先生は、その日が生まれて初めてのスケートだったら

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