2021年12月の記事一覧
第9章『生きるための日本史』の書評へのコメント
安冨歩『生きるための日本史:あなたを苦しめる〈立場〉主義の正体』(青灯社)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
安冨先生の『生きるための日本史』から、荘子や本居宣長、あるいは映画等のいろいろな話題につながるとは、私の想像を超えられておいでのものです。安冨先生の本がそうした性格を帯びているからでしょうか・・・。
本書の特徴の一つは、著者本人である安冨先生と、何人かの対話相手の方との
第9章 『生きるための日本史』
『生きるための日本史』(青灯社、2021)の書評文
同書は、安冨さんの集大成であり、同時に思想のエッセンスを詰め込んだ内容となっています。ただ、であるからこそ、中身が詰まっているとも云えます。
同書を理解する上で、参考になるのは「否定神学」だと思います。
「否定神学」とは、古代キリスト教の神学の一つであり、もっとも古いタイプの神学的思考とも云えます。
どう云う論理の構造をしているかと云い
第8章『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』書評へのコメント
楊逸・劉燕子『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』(ビジネス社)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
中国と日本とは、実はそっくり
『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』には、中国本土で文革時に生まれ育った2人の著者である楊逸さん、劉燕子さんによる生の経験に基づいて、文学という観点から、中国共産党による大陸支配の残酷さが対談で記述されております。安冨先生は、その書評を、
第7章 『「香港バリケード」書評』へのコメント
遠藤誉(著),深尾葉子・安冨歩(共著)『香港バリケード――若者はなぜ立ち上がったのか』(明石書店)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
下記ブログで、安冨先生は『香港バリケード』の出版経緯を次のように報告しています。
中国での出来事は決して他人ごとではなく、日本にも大いに関係するため、それらをきちんと知り、考えておくことは重要です。しかしながら、吉成さんがご感想で述べられております
第6章 『「誰が星の王子さまを殺したのか」の書評』へのコメント
安冨歩『誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠』(明石書店)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
『誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠』は、安冨先生が、東大な人(『ハラスメントは連鎖する』の共著者など)や、元奥さま、親御さまとのご経験で受けたモラル・ハラスメント、そしてそこからの解脱を経られ、サン=テグジュペリ『星の王子さま』から「モラル・ハラス
第6章 『誰が星の王子さまを殺したのか』
『誰が星の王子さまを殺したのか』(明石書店、2014)の書評文
同書を最初に読んだのはだいたい半年前です。
同書を読んでから私はかなり日常生活に変化がありました。
「不安」と云うものは可視化されないと「不安」になりますが、実態がわかるようになると、対処が可能です。半年前も今も体調はあまりよくありませんが、少なくとも精神的な「不安」はだいぶ減りました。
その意味では、同書はそう云う「不安」
第5章『「メイク・ザット・チェンジ」;「マイケル・ジャクソンの思想」書評』へのコメント
ソフィア パーデ,アルミン リジ 『メイク・ザット・チェンジ:世界を変えよう マイケル・ジャクソン 精神の革命家:そのメッセージと運命』(日曜社),(翻訳) 長谷川 圭,セイヤーン ゾンターク,(解題) 安冨歩
安冨歩『新装版マイケル・ジャクソンの思想』(アルテスパブリッシング)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
メイク・ザット・チェンジ
マイケル・ジャクソンの評伝『メイク・ザット・
第5章 『メイク・ザット・チェンジ』と『新装版 マイケル・ジャクソンの思想』
アルミン・リジ&ソフィア・パーデ(長谷川圭/セイヤーン・ゾンターク訳)『メイク・ザット・チェンジ』(日曜社、2020)と『新装版 マイケル・ジャクソンの思想』(アルテスパブリッシング、2021)の書評文
私がマイケルの評伝『メイク・ザット・チェンジ』を読んでゲンナリしたのは、同書の後半の頁から生前のマイケルを取り囲んでいた人たちの経歴や活動がしるされており、マイケル本人の話は少なくなったからで
第4章『「幻影からの脱出」の書評』へのコメント
安冨歩『幻影からの脱出―原発危機と東大話法を越えて―』(明石書店)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
大学教員の選挙への出馬 原発を巡る状況も含む日本社会そのものを正しく理解するために、日本で原発が成立したプロセスに位置づけられる日本の戦後政治体制について安冨先生が研究されたのが、今回の『幻影からの脱出』であり、さらに、さきに対談いたしました『満洲暴走』では、満洲が成立したころの歴史に
第4章 『幻影からの脱出』
『幻影からの脱出』(明石書店、2012)の書評文
該当書籍は、前著『「東大話法」と原発危機』の続編と云う内容ですが、内容はより込み入ったものとなっています。第1章で、安冨さんが指摘しているように、「東大話法」の本質は「自分の考え」がないことです。要するに、思想がないからこそ、成立すると云えます。
同書のかなり部分は「東大話法」や「原発」そのものと云うよりもそれらが成立した歴史的な背景につい
第3章『原発危機と「東大話法」書評』へのコメント
安冨歩『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』(明石書店)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
前置き 野口です。ご感想を拝見しました。以前、東北に旅行したことがあり、東北は九州よりいくぶん気候が穏やかでは、という気がしておりましたが、うだるような厳しい暑さなのですね・・・。ご自愛ください。
『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』 この本で安冨先生は、現職