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マグカップの茶渋

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マグカップについた茶渋のような、雑でリアルな人生。薄暗くて、じめっとしてて、でもなんだか悪くない。
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2020年1月の記事一覧

『癌患者たること』との闘い

『癌患者たること』との闘い

 世の中には、感動ポルノなんて言葉がある。聞いたことがある人も多いのではなかろうか。毎年夏、24時間テレビの時期になると、そういった批判をよく耳にする。
 簡単に言うと、障碍を持っている人物(それも多くは、身体的に分かりやすい特徴)が、なにかを健気に成し遂げ頑張ることに対して、感動するというプロセスのことだ。
 感動ポルノという言葉が初めて使用されたのはステラ・ヤングという女性。彼女の非常に鋭いス

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それでも日々はつづいていく

それでも日々はつづいていく

 明けない夜はない、とか。止まない雨はない、とか。よく耳にする言葉がある。生きていればいいことがある。別に死ぬわけじゃないんだから、大丈夫。
 そういった言葉たちに、励まされたことがないと言えば、嘘になる。頑張れって言葉がまっすぐ届く瞬間があるように、励ましや、前向きな言葉に救われる時がある。
 だけれども、ひねくれで後ろ向きな私は、だからこそ、人生は辛いとも思うのだ。

 明けない夜も止まない雨

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のびた髪と小心者

のびた髪と小心者

 ここ数カ月、いつも脳みその片隅で美容院にいかなくちゃな、と思っている。実は、もう一年近く髪の毛を切りに行っていないので、傷み放題の伸び放題。いい加減洗うのがめんどくさい量になってきて、排水溝に絡みつく髪の毛も嫌になってくる時期である。
 なら、さっさと行けばよいではないか。
 確かに、その通り。しかし、問題は、そう簡単ではないのだ。

 まず、どんな髪形になりたいのかが、全然わからない。長いのが

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悪意の香りは心臓を毛羽立たせる

悪意の香りは心臓を毛羽立たせる

 人は疲れると、ときどき悪意を含ませた正論を振りかざす。
 そういった言葉は、発言はごくごく普通であっても、ちいさな棘がびっしりと生えていて、気持ちが悪くなる。吐き気をもよおすような、いやらしさがある。

 そうやって、「自分はイラついている」とアピールすることによって、他人を操ろうとする行為がとても嫌いだ。きっと好きな人などいないのだろうが。あらゆる行動に対して厚顔無恥にも「してやっている」とい

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不登校日和/なまけdays#6-200123

不登校日和/なまけdays#6-200123

・エッセイにするには体力が足らなくって、放っておいたら霧散しそうな思考の切れ端を繋ぎとめておきたい。

・本当はスマホのメモ帳とかに残した方がいいのだろうが、如何せんマメじゃない。三日坊主も裸足で逃げ出すレベルの、忘れっぽさ。集中力の続かなさ。注意欠損の気があると自覚している。今日も、スマホが目の前の机に置いてあるのに、どこだっけ?と探しに行こうとしていた。スマホってなんで勝手に出歩くんだろうね。

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鴨川を歩いて下った午前五時を、きっと一生忘れない。/ハンサムケンヤのこと。

鴨川を歩いて下った午前五時を、きっと一生忘れない。/ハンサムケンヤのこと。

 その音楽との出会いは、youtubeの広告だった。当時まだ高校生だった私は、youtubeで適当な動画を流しながら、数学の問題集とにらみ合っていた。なにか生配信のタイムシフトを後ろで流そうとしていた気がする。今思えば不真面目な話ではあるが、机に向かわないよりはましではある。動画の再生ボタンを押すと、広告が流れた。
 耳に残る声、メロディ、歌詞。目を引くMV。憂いを含んだ声の中に潜む、清々しさ。5

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誰も知らない私の街

誰も知らない私の街

 東京や、京都、大阪。横浜、神戸、仙台、札幌。
 新宿や原宿や銀座。隅田川や東京湾。それに、四条河原町や鴨川、御堂筋。名前を出すだけで、情景が伝わる街々。

 都会に、憧れがある。

 そういうと、正確じゃない。だけれども、この感情をあえて言葉にするなら、憧れだと思う。
 都会は、すごい。なにがすごいって、地名を言うだけで、空気感が伝わるのだ。新宿というと、若者の街。銀座と言うと、おしゃれ。巨大な

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本当に書きたいことを伝えるにはどうすればいいんだろう

本当に書きたいことを伝えるにはどうすればいいんだろう

 noteを書こうとして、『投稿』のボタンを押すと、下書きが新しい順に表示される。ご丁寧に、〇分前、〇時間前、〇日前、と表示してくれる。ありがとう、でも少しいらないお世話です。そう思いながら、数秒迷って、結局いつも新規ノートを作成する。
 そんなことを、何度も繰り返している。

 毎日noteを初めて、今日で22日目。三日坊主もびっくりの飽き性な自分にしては、良く続いている方だ。しかし不思議なこと

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人は生まれたときから自由だ

人は生まれたときから自由だ

私も、母も、生まれたときから自分の体と自分の意思を持っている。誰にもそれを侵されないし、誰もそれを侵してはいけない。これを、人権というのだと、ずっと思っている。

母は、自分のことが嫌いだ。母が私と馬が合わないのは、私が母に似ているから。自己主張がはっきりとしていること、負けず嫌いの気があること、理不尽が許せないこと。
でも、母は私ではないし、私は母ではない。

母は自分が嫌いだ。私も、自分があま

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普通に生きてほしい、と母は言った

普通に生きてほしい、と母は言った

普通って、なんだろう。
きっと五億回はだれもが人生で問い続けていることで、今更私がなにを書いたって、その答えは決して見つからない。

これはありきたりな回答なのだが、普通なんて、存在してない。

きっと、世の中を生きる人全員の『普通』の部分を持った人間なんて、いないんじゃないだろうか。
『普通』というとき、最大多数が通る道を想像する。例えば、大学進学。就職。結婚。子育て。しかしまぁ、それらすべてを

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雨宿りの喫茶店っていう言葉を愛してる(200108)

雨宿りの喫茶店っていう言葉を愛してる(200108)

noteをはじめた。言葉が形になるのはいいなと思った。

あげたnoteに好きをしてくれる人がいる。その人のnoteが好きだ。すごく好き。ああ、いいなぁと思う。思って、勝手に親近感を抱く。まだ十日と少しで、恐らくその人のことを知って一週間経つか経たないかくらいなんだけど、とっても素敵だなぁと思う。

そう思って好きをする。

本当はね、すきをしたnoteに、全部線を引いて、この表現が刺さったよ、と

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愚かで愛おしいほど人間らしい自分のこと

愚かで愛おしいほど人間らしい自分のこと

引き続き生理週間につき、触れるものすべてを傷つけるくらいの心持である。こういうときにしか書けないこともいっぱいあるので、そういうことについて書こうと思います。

毎日noteを始めて、十日とすこし。どちらかというと綺麗な面を書いていることの方が多い。見返すと、なになに、草木染、散歩、黒豆、ゆず、あとは雑記と紅白と眼鏡割った話と一人暮らしのこと。

しゃらくせ~~~~
お高く止まりやがって!!

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人生の悪いことの9割は生理のせい。

人生の悪いことの9割は生理のせい。

 だるい、非常にだるい。足が重いし、腰はいたい。

 今日、外は晴れて洗濯物がゆらゆらとたなびいているのに、とてつもない劣等感に襲われた。劣等感はやっかいで、いくら正月に溜まった部屋の埃を掃除しようと、おいしいバター餅を作ろうと、消えてくれない。
 無意識に尊敬する人の粗を探してしまうような、そういう劣等感。まったくもって難儀で、子供っぽくて嫌になる。嫌になると、次は自己嫌悪をするのに忙しくなる。

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