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マグカップの茶渋

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マグカップについた茶渋のような、雑でリアルな人生。薄暗くて、じめっとしてて、でもなんだか悪くない。
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ずたぼろでも、書く。

文章にしたいと思う感情の源泉が、いくつもある。
あるにはあるが、実際に文章にするまでの道のりがながい。
そんなわけで、下書きが増えいくのを、ぼんやりと日々眺めている。

  〇

何かに挑戦するのを恐ろしいと思ったり、今の自分の手元になにもないことを恐ろしいと思ったり。いきていると、怖いことがいっぱいある。
自分がいつからこんなに憶病になったのか、まったくわからない。

母が「普通」という言葉を何

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憂鬱を編む

憂鬱を編む

編み物をする。
寒くなってから編み始めては遅いのだと、昨年学んだ。

近頃の私と言えば、もっぱら手を動かして憂鬱を遠ざけようと四苦八苦している。けれども、こんがらがって解けない毛糸みたいに、いじればいじるほど憂鬱がもやもやと大きくなる。

諦めて、憂鬱を共に編みこんでいる。

  〇

何か手を動かしたくなる時は、心が鬱々とし始める予兆だ。脳みそを使う作業を遠ざけて、無心になりたがっている。
そう

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『不正解』で出来ている。

『不正解』で出来ている。

 例えば何か伝えたいことがあるとして。
 どうやったらこの気持ちが、私じゃない誰かに届くのだろう。
 手を離した瞬間、あてどなく流される風船のように届くかわからないものを、それでも届けたいと願う。
 けれど上手くいかなくて、いつだって白紙の前で、私は立ち往生している。何を恐れているのかと問えば、きっと私が恐れているのは『間違える』ってことなんだと思う。

  〇

 格好よく生きたいなとそう願いな

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病気になってよかったなんて、ちっとも思えない。

病気になってよかったなんて、ちっとも思えない。

「怒ってるのね」
 先生が、眼鏡を上げながらそう言った。
 そうか、私、怒っているのか。
 目から勝手にあふれる水分が、マスクへと吸い込まれていった。

  〇

「怠けてないで、学校へ行きなさい」

 何度も、言われた言葉だった。
 だけれども聴いてよ、母さん。手足が重くて、身体はだるくて、心臓は早鐘を打っている。ベットから出るとめまいがして、部屋から出ると吐き気がする。家から出れば叫びたくなる

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トウモロコシマフィンの日。

トウモロコシマフィンの日。

嫌なことがあるとお菓子を作りたくなる。そんなよくわからない癖が身についてしまったのは、いつ頃からだったろう。

  〇

昼間に、古い知人からLINEがあった。幼い時から通っていた公文式の先生ご夫婦。アルバイトを欲しがっている知人がいるからやってみないかという内容の短いメッセージに、昼寝から起きたばかりのぼんやりとした頭で返信した。すぐさま、電話が掛かってくる。
液晶の向こうから元気な声で、ぜひ手

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心臓にナイフを忍ばせている。

自分が他人にどう思われているのか、わからない。というか、他人のことが何一つ分からない。世間の人たちはみんなきちんとしていて、私一人だけが皆に知らんぷりをされているような気になる。電車に乗ると天井には釣り広告、ドアにはポスター。就活、転職、キャリアアップ。モテ術、脱毛、マイホーム。並ぶ言葉のどれもが、自分と縁遠い。

被害妄想。誇大妄想。世界は私になんか興味がない。だから、就活の広告が表示されるのだ

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レンズ越しに見ている。 (雑記)

光が、物にあたる。反射し、私の瞳へと届く。
角膜を通り、水晶体で屈折し、硝子体の奥で像を結ぶときには、世界は逆さになる。それを、脳みそが修正する。

視覚の仕組みをしった日のことを、鮮明に思い出せる。
小学生のころ、夕食後に祖父の膝の上でテレビを見ていた。
テレビでは、私が今『見ている』と思っている映像ですら、脳みそが処理した後の世界なのだと話をしていた。

頭を強く殴られた気持ちになったことを、

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竹林のささやきに耳を澄まして

竹林のささやきに耳を澄まして

獨り坐す 幽篁の裏
琴を彈き 復た張嘯す
深林 人知らず
明月 來たりて相照らす

王維の竹里館を思い出すとき、同時に私は夏目漱石の『草枕』を思い出す。本編に引用もされているこの詩は、静謐なイメージと遁世的な余韻を残して、好きな漢詩のひとつである。

  〇

幽篁(ゆうこう)に佇む自分を、目を閉じて想像してみる。
あたりは一面、竹やぶ。ざわざわと、天の方で笹が触れ合う木ずれの音。どこか雨音のよう

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君。

君。

友よ。

思春期をともに過ごした君よ。

悟り顔で何にもあらがわなかった君よ。

それでも、心に何かを秘め続けていた君よ。

私たちは、偶然同じクラスになった。自然と別れていく幼い仲間意識の中で。互いを拠り所とした。

それは、ただの生存戦略だったのかもしれない。

互いが互いを利用していただけかもしれない。

でも、友よ。

思い出すのも億劫な、制服に形造られた日々の中で。君に会えたことだけは、

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やりたいの残骸。(雑記)

やりたいの残骸。(雑記)

『これをやりたい』から行動に移すまでの距離が異様に遠い。そのためか、部屋の中にはこれをやりたいの残骸がそこかしこに転がっている。

まず、マスクづくり。やりたいというよりやったほうがいいな、なのだが、幸いなことにコロナ騒動以前から買いだめしていた在庫がまだ余っており、材料だけそろえて見たものの『急ぎ』ではないグループに脳みその中で分類されてしまった。
それから、手芸全般。全般というあいまいな言葉を

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初夏を吸い込む。

初夏を吸い込む。

電車に乗るのはひと月ぶりのことだった。

  〇

通院している二つの病院の、それぞれの薬がちょうど同じタイミングで底を尽きた。五月に入ったが非常事態は解けない。五月までの分を頂いた薬が切れるのは当然で、近くの内科も、遠くのクリニックにも、行かなくてはいけない。そこで、本日は病院の梯子という、およそ二十台の若者には似つかわしくない外出理由でのお出かけだった。

地元でかれこれ十年ほどお世話になって

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初夏の宵。

初夏の宵。

ぼんやりと、ここしばらく、夜になるたびぼんやりと思ってた。毎日書くことの義務化によって書きたいが書かなきゃになること、本当に書こうと思うものに手を出せなくなること。

4ヶ月とすこし、短いようで結構長い。

どうやらここは、私のアウトプットの場所として、ちゃんと私に認識されたみたい。

もうすこし、ゆっくり書いてもよいのでなかろうか。

そんなことを、ぽやぽやおもう、初夏の宵。

トリミングされた人生の破片を集めて、それでも愛してよ 。

トリミングされた人生の破片を集めて、それでも愛してよ 。

他人に興味はない癖に、他人に興味を持たれたいと思う人間のどうしようもない性はどこからくるのだろうか。

朝の静かな土手の上を歩き、旋回する燕の軌道を追った。
足元に繁るミントの群生に、小さな宝石をみつけたようにうれしくなる。人生のほとんどを過ごしている街なのに、案外知らないことは多い。古い路地には金柑が実っていること。カラスノエンドウを領治争いをしている野生のラベンダーのこと。目の前を横切る、まる

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積み重なった自分。

積み重なった自分。

書くことがないというよりも、物を書く体力がない。
話の種なら尽きず、口から先に生まれてきたんじゃないかと言われた回数は数知れない私である。しかし、まくしたてるのではなく、ちゃんと読みやすいように書こうとすると、途端、体力がいる。

そういうことで、日々白いnoteに三行ほど書いては、これは体力がいるのでまた今度にしようと下書き送りにしている。先日、下書きの数を見たら40程あった。嘘だろ。

書くと

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