進路指導に関する先生の役割#4 高校生からの質問②
皆様いつもありがとうございます。前回に引き続き、高校生からの質問にその場で答えさせていただいた内容を共有させていただきます。
就職先が見つからなかったり、どこにも就職できない場合があるのではと不安です。
「就職先が見つからなかったり、どこにも就職できないのでは」と不安に思う方も多いですよね。実際、求人はたくさんあるのに決まらない方もいます。ただ、最近では「決まらない」というよりも「決められない」というケースが増えているように感じます。
「決まらない」というのは、応募しても内定がもらえない状態のこと。「決められない」というのは、応募する前の段階で応募先を見つけられない状態です。特に「決められない」状態に陥る方は、自分が就職先に求める条件をはっきり決めていないことが多いです。
まずは以下の5つの条件について考えてみましょう:
① 給料(どのくらいの収入が欲しいか)
② 場所(どこで働きたいか)
③ 仕事内容(やりたいこと・やりたくないこと)
④ 休日(どれくらい休みが欲しいか)
⑤ 一緒に働きたい人(どんな人と働きたいか)
次に、この5つの条件に優先順位をつけてみましょう。この作業は、必ず一人で行うことをおすすめします。他の人と一緒に考えると、「そんな給料は無理だよ」「やりたいことが明確じゃないとダメだよ」など、周りの価値観に影響されてしまうことがあります。まずは自分の気持ちを大切にして、一人で条件を整理してみてください。
条件が整理できたら、その優先順位をもとに応募先を探していきます。このとき、いきなり1社だけを選ぼうとするとプレッシャーがかかりますので、まずは6社をリストアップしてみましょう。
例えば、お菓子を選ぶときに「この棚の中から1つだけ選んでください」と言われるよりも、「この棚から6つ選んでください。後で変えても大丈夫です」と言われたほうが気楽ですよね。この方法で、応募先を見つけるプレッシャーを減らしながら進めてみてください。
選ぶ方法や考え方を少し変えるだけで、「決められない」という悩みがぐっと減ることがあります。ぜひやってみてください。
自分の得意なことがわからない
好きなことは自分でわかっていても、得意なことがわからないという方は多いですよね。
実は、得意なことは自分では気づきにくいものです。そこで、周りの人に聞いてみるのがおすすめです。「これが得意そうだよ」「ここがすごいね」といった他人の視点からの言葉が、自分の得意なことを見つけるヒントになります。
また、何かを続けていると、自然と得意なことは増えていくものです。自分で「上手くできていないかも」と思っていても、他人から見ると「すごい!」と感じることが意外と多いんです。
得意なことは、ぜひ人に尋ねてみてください。それがあなたの新たな可能性を見つけるきっかけになるかもしれません。
前回に続き、高校生からの実際の質問に基づいてお答えしたものです。先生方からは「質問なんか出ませんよ」とよく言われます。実際に関わってみて高校生は質問することに慣れていないので、決して将来のことを考えていないわけではありません。常に自分の未来をなんとかしようと思っています。
先生方が、生徒一人ひとりの悩みに寄り添い、「どんな選択肢があるのか」「どのように進めればよいのか」を一緒に考えることで、生徒たちは大きな安心感を得られます。また、就職先の条件を整理するサポートや、得意なことを見つけるための声かけが、生徒たちの未来を切り拓く大きなきっかけになります。
進路指導は決して簡単な仕事ではありませんが、生徒の成長に寄り添える非常にやりがいのある役割です。ぜひ、生徒たちが自分らしい道を選び取れるよう、時には背中を押し、時にはそっと支える存在であってほしいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまにたくさんの素晴らしい出来事がありますように。