309_教員がChatGPTを活用する理由:生徒の自走力を高める実践的アプローチ
人生に感謝を。シンパクト和 です。
私は最近、ChatGPTを活用して、自分自身と仲間の業務効率化を図り、さらには教育活動にも応用する方法を模索しています。業務効率化と教育活動への応用方法をそれぞれ明確にすることで、効果的な活用を目指しています。
教育活動においては、「生成AI × 教育 × 自分の強み」を組み合わせることで、新たな価値を生み出すことを目指しています。例えば、私の専門知識を活かし、生徒の探究心を引き出す問いかけを自動生成するなど、具体的なシナリオを考えています。
前回紹介した探究活動で効果的なGPTsについて、さらに考察を重ねた結果、改善の必要性を感じました。具体的には、使用する対象にとって適切な出力がされる確率をあげる改善です。この考えに基づいた、GPTsの改善方法についてご紹介します。
前回紹介した記事
前回のGPTsで使用しているプロンプトの概要
ユーザーの提供するヒントをもとに、「問い」と「研究動機」の具体例を5つ生成してください。
# Steps
ユーザーのヒントを理解する: ユーザーが提供する1〜3つのキーワードまたは1文で表現された情報や興味のある領域について確認します。必要であれば、追加情報を求めてください。
問いと動機の関係を構築する: 各問いがユーザーの関心とどのように関連するかを考慮し、なぜその問いが重要なのかを反映した研究動機を形成します。
5つの例を作成する: 異なる視点(技術的・社会的・環境的など)を考慮した多様な問いを生成し、それぞれに納得できる動機を設定してください。問いは1文、動機は2〜3文で表現してください。
# Output Format
問いと研究動機をそれぞれ箇条書きで提示し、合計5つの具体例を示してください。
# Examples
入力例:
ヒント: 森林保護に興味がある
出力例:
問い: 森林破壊が地域の気候に与える具体的な影響は何か?
研究動機: 森林伐採の進行が地域の気候変動にどのように影響するかを解明することで、森林保護活動の重要性を強調し、政策提言に繋げる。
問い: 森林保護が地元経済に与える影響はどのように変化するか?
研究動機: 森林保護政策が経済活動とどう両立できるかを探り、持続可能な地域経済のモデルを構築するため。
(...例は実際のタスクに合わせて適宜詳細化すること)
出力される結果
ユーザーの入力
盛岡さんさ踊り
効果的な出力がされる確率をあげる改善
設定条件を追加して、回答へ反映されるようにプロンプトを変更しました。
設定条件
{レベル} = ユーザーが入力
{地域} = ユーザーが入力
Steps
ユーザーの${設定条件}を理解する: ユーザーが入力した${設定条件}を回答に反映させてください。
改善後のGPTsの出力例
レベル:小学6年生
地域:岩手県
盛岡さんさ踊り
レベル:高校1年生
地域:岩手県
盛岡さんさ踊り
どうでしょうか?
GPTsの使用者が、レベル設定と、どの地域に注目した探究を行うかを設定するだけでChatGPTからよいヒントが得られるようになったと感じます。
生成AI × 教育 で思うところ
ChatGPTは教員とともに、生徒一人ひとりの学びに寄り添って伴奏してくれる存在だと思います。例えば、生徒が疑問を持ったとき、教員がその場で個別対応できない場合でも、ChatGPTが即座に答えを提供し、生徒の学びを止めずに進めることができます。
この存在があることで、生徒へ有効活用の仕方を教えてあげることで、自主的に成長できる環境を整えることができます。一例として推薦入試の面接指導があります。サポートできる範囲はできるだけ付き合いました。十分に時間が足りなかったところに関しては、ChatGPTで自分の考えを深掘りする具体的な質問の仕方や、アイデアを整理する方法を教えてあげて、自分で進められるように指導しました。
その結果、生徒は自分の中で曖昧だった考えを、GPTを活用して具体化することで自己理解を深めました。そして、自信を持って面接に臨むことができました。
学校で指導できる時間は限られています。一人の生徒に関われる時間にも限りがあります。ChatGPTがなかったとしたら、タイムオーバーで十分な準備ができなかったです。
生徒が自走できる仕掛けをたくさん用意したい。
人生の限りある時間を大切に。シンパクト和 でした。