
進路指導に関する先生の役割
私は進路指導に関する講話や、進路サポートのプログラムを作成する仕事をしています。そのため、多くの先生方と関わる機会があり、質問やご相談をいただくことも少なくありません。
昨年の夏、私は長期入院を経験し、仕事を続けることが決して当たり前ではないと強く感じました。
私たちの身体はひとつしかありません。その限られた時間とエネルギーを生かし、より多くの高校生を元気にするために、これからは先生方に自分の経験や、高校生との面談を通じて感じたことを積極的にお伝えしていきたいと考えています。
生徒との二者面談をより良くするために
これまで1万人以上の高校生と面談をしてきました。その中で感じたのは、担任の先生との面談を苦手に感じている生徒が多いということです。理由を聞いてみると、
「とにかく早く決めろと言われる」
「その大学は難しいからやめておけ、レベルを考えなさい」
「その仕事は無理だ、もっと現実を見ろ」
などと指摘されるからだそうです。このようなことを言われ続けたら、たとえ大人でも嫌になるのではないでしょうか。
先生方は「生徒のためを思って言っている」とおっしゃるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?進路指導には確かにスケジュール管理が必要です。しかし、実際に生徒と話をすると「早く決めろ」というプレッシャーばかりが前面に出てしまっていることが多いのです。
面談で心がけたいこと
私自身が面談で意識しているポイントを以下にまとめます。
ゆるく始める
「最近どう?」や「卒業後の進路はどんな感じ?」と軽い質問からスタート。まずは聴く
「評価しない」「ジャッジしない」「いいね!」と共感を示す。共感する
「わからない」「まだ考えていません」と言われたら、「急に言われても困るよね」と気持ちに寄り添う。来てくれたことに感謝する
面談の場に足を運んでくれたこと自体を認める。話を遮らない
話の途中でコメントしたくなっても我慢し、うなずきながら聞く。早く決めろとは言わない
内心そう思っていても口にしない。価値観を押し付けない
自分の価値観は自分自身のものだと認識する。
これらのポイントは、実は高校生から直接聞いた意見を基にしています。逆の対応をされた生徒は、先生との話し合いを避けるようになり、「どうせわかってもらえない」と感じ、「まだ決めていません」を連発するようになります。面談の場で心を閉ざしてしまうのです。
生徒の「わからない」の裏側
高校生は自分の人生について真剣に考えています。しかし、評価やジャッジを受けると、自分の考えが間違っていると感じてしまうのです。
そこで大切なのは、「生徒の『わからない』は聞き手側の問題かもしれない」という視点を持つことです。多くの先生方は「そんなこと知っている」と思うかもしれませんが、
「知っている」と「できている」は違う。できているかどうかが重要
これは、私の師匠であるナニメンこと吉井雅之さんの言葉です。
吉井雅之 lit.link(リットリンク
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんの日々に喜びがたくさんありますように!