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赤裸々なブックレビュー

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2024年7月の記事一覧

「失われた時を求めて」を巡る冒険⑥

「失われた時を求めて」を巡る冒険⑥

↓を読了しました。

この巻で関心を抱いたのは、1894年に起きた「ドレフュス事件」です。

学生の頃、世界史が苦手でした。あちこちへ視点が飛び、馴染みの薄い人物が大半だから。

一方で字面のインパクトが頭に焼き付いているエピソードもなくはない。「ドレフュス事件」もそのひとつです(他は「カノッサの屈辱」や「テルミドールの反動」など)。

ドレフュスは1906年に無罪判決を受けます。つまり冤罪。しか

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「失われた時を求めて」を巡る冒険⑤

「失われた時を求めて」を巡る冒険⑤

↓を読了しました。

704ページ。しかしまだ序盤なのです。

4巻の肝は主人公とアルベルチーヌの出会い、新たな恋の始まりでしょう。いまの自分が読むと、無邪気な言動や行動で他人を振り回す彼女よりも、気配りができて頭脳明晰なアンドレに目が向く。でも「私」と同じ年代の男性がアルベルチーヌみたいな子に惹かれるのも理解できます。

19世紀後半のフランスが舞台の物語に、現代日本における「恋愛あるある」を見

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イチ書店員が記す「2024年新潮文庫の100冊」に関するあれこれ

イチ書店員が記す「2024年新潮文庫の100冊」に関するあれこれ

先日お客さんが↓を買いに来ました。

こちらは「2024年新潮文庫の100冊」に入っているので、特典である「ステンドグラスしおり」をお渡しできます。しかしカウンターへ置かれたものには「新潮文庫の100冊」という帯が付いていない。フェア台へ積まれたものではなく、前から元棚にあるものを手に取られたのでしょう。

私の職場では、フェアの帯が付いた本か、8種類ある「2024年プレミアムカバー」のいずれかを

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「失われた時を求めて」を巡る冒険④

「失われた時を求めて」を巡る冒険④

数日前に↓を読了しました。

元・大使のノルポワ侯爵という人が出てきます。いささか保守的とはいえ、海外を渡り歩き、各国の有力者と交際してきたがゆえの知見に富み、様々なジャンルに一家言を持つエリートです。

しかし知らないことや詳しくないことをそうと告白せず、すべてを古い物差しで測ってしまう弱点が少しずつ浮き彫りになってくる。評価の定まった名作には鋭い見解を示すけど、現代作家についてはピントのずれた

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