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CHAMELEON

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(光になれたら、みんなのためではなく、そこのあなたへ)  何色に染まるか分からない僕が創る世界に現れた一匹の気まぐれな案内役が、どうやらまた新しく、どこからか迷い込んだらしい者を…
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叶わなかった夢、傷付けられた記憶、失った人や物、眠れなくて不安な夜、報われない日々、投げ出したい全部、今まで生きてきたことは、何もかも自分が主役のストーリーで、またページが増えていって、転んだら立ち上ればいい?それが難しい時もありますよね。僕は彩生透として書き続ける道を選びます🏍

実は10月末から3月上旬にかけて、ここで毎日連載した長編とは対照的なのに共通点があるような中編を去年の夏休みに暇潰しで書き上げ11月以降、某小説投稿サイト🫧にて公開していました(初期にリンクを貼っていたので読んだ人は少ないと思います)。それが2番目、いつか改作するかも知れません。

(1)在宅ストレンジロードムービー『ありもしないマトモだとか』

(1)在宅ストレンジロードムービー『ありもしないマトモだとか』

一昨年から姉と同居している。

こちらの大学卒業並びに就職後、年上の恋人と結ばれた彼女は順風満帆らしくたまにメッセージアプリで連絡を取った。
幸せそうに見えたが、やがて憔悴しきった顔で土砂降りの中、遠路遥々、関東へやって来て、すぐさま迎え入れる。しばらく身を寄せ、いつも通り明るく振る舞う姉が何とも痛々しくて離婚を条件に引っ越しを持ち掛けた。
非常に喜ぶも容易ではなかった道のり、残る傷跡、物音に怯え

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(2)在宅ストレンジロードムービー『今日からは一味二味違う』

(2)在宅ストレンジロードムービー『今日からは一味二味違う』

どうも寝付けない午前1時、居間にてスナック菓子片手にシリーズの映画を楽しむ姉と出会う。沈んだソファと大欠伸、寛ぎの極みはまるでトドのようだ。
幻想を抱くなどとんでもない、嫌という程、思い知らされる。
「やっぱ何度観ても面白いや。私もファンタジーの世界に住みたいな。」
「ここ出て行くなら来月分の家賃払ってね。」
「ヤダ。あの服かわいい。」
軽く遇らわれ、溜息を吐いて床に腰を下ろした。
台詞まで覚えて

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床に落ちた一粒のサプリメントだけがこちらを見つめている夜。渦巻く感情のゲームセンター、音楽が鳴り、走る閃光、言葉は溢れた。収拾がつかなくて出来なかったことも責めずに良しとする。明日からまた程々に生きましょう。今日はもうおしまい。

(制服の群れにはぐれた少年少女) #蜃気楼

(制服の群れにはぐれた少年少女) #蜃気楼

いつの間にか自分の顔を嫌い、上手に笑えなくなり、おかげで小学生時代のわたしは大抵、表情が引きつっていた。運動会での一枚ばかりか修学旅行の集合写真でさえニコリともせず。
やがて中学校の先輩と会話中に手で口元を隠したところ、彼女から
「うららはなんか、お上品だね?」
と不思議そうに言われる。そのような訳ではなく、単に癖が付いただけだった。

当時を振り返ってプリクラを見ると、試行錯誤の末〈こうしたら写

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【8月2日のラブソング】記憶の中に住む彼はいつも笑っている/公園のベンチに腰掛けて難しそうな本を読む/残りの時間は伏せても明るく振る舞う本人が一番、蝕む存在に気付いていた/訪ねる度に書いた絵や手紙で囲むように/あの曲の歌詞が初めて分かった、約束の酒を呑む/夏が包み込む、忘れずに

③テディベアにルーズソックス【万華鏡、暁】

③テディベアにルーズソックス【万華鏡、暁】

颯爽と自転車に跨り、目的地を告げず漕ぎ出した彼女についていく。
「カップルの2ケツとか有り得なくない?」
「何ですか、それ。」
「後ろに乗っけて、」
「違反ですよね。」
ぶつくさ言う背中を追い掛けて、下り坂の後に辿り着いたノスタルジックな戸建てが、姫愛の家だと気付き息を呑んだが、庭先で女の子と視線がぶつかり、ほっとする。
「また鍵忘れたの?あ、妹の瑠華(るか)ね。小学生。こっちは泰直で、高校の友達

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【次回予告ナシ】両片想い程度が一番楽しくて、有耶無耶のまま過ぎた恋。忘れた頃に新しいドラマが始まる。主演は私で展開を教えてくれない、でも、ときめきの続きがあるようだ。見慣れた登場人物、ありがちなライバル出現、会いに行く何話目か、切れかけた赤い糸、明日こそ君とのハッピーエンドを。

『闇にいるなら光を探せ、光がないなら自分が輝け』

『闇にいるなら光を探せ、光がないなら自分が輝け』

大好きなバンドとファンの僕について、最初で最後のものを書きます(※セットリスト、レポートは他のサイトやアプリでどうぞ。プロフィール設定上、写真と140文字の感想に留めるべきか深く悩み、通常なら昨夜のうちに載せるつもりが、💤です)。

2018年12月22日は横浜にいました。

…時が経って延期や中止の知らせが届くなか、全音源の〈サブスク解禁〉、楽しかったそのライブもサプライズで配信され、アルバム

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ほんとうの「 ね 」いろ

ほんとうの「 ね 」いろ

戻りたくても戻れなくて、
守りたくても守れなくて、
苦しくて悲しくて悔しくて、
変えながら続けるしかなくて。

失う、得る また夜が来て朝になる
走って転んで迷って踠いて
増える、減る まだ進む道は前にある

いつしか歌えなくなった
伝えたいや届けたいを残して
削る時間、音楽を聴く日々、様々な
これからも歌えるように、今のままでは
旅に出て答えを探し求めた
その度に思い知らされて
幾ら学んでも治ら

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流れる星すら掴み取っていた。

流れる星すら掴み取っていた。


また、だ。
突然の強い眠気に襲われて倒れ込む、不思議な現象に悩まされている。
夢ばかり見て、記憶があるうちに走り書き、色を塗る作業は気分屋の彼に任せた。
幸いなことに今回は活かせる内容だった。
これが物語のどこかは自分でも分からない、気に食わなくて破り捨てた頁、その度、文字とともに〈何か〉が消える。

毎日、届けられる手紙をとても読めなかった。
誰にも知らせず、黙ったまま扉を閉ざし、切り取る程の

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新曲を聴いて込み上げる、「なんでいつも僕のことを歌ってくれるんだろう。」「もしかして見てる?」の感情に名前を付けたくないような、暑い熱い夏。"ロック"画面をタイムテーブルに変えて、どこかへ向かう。あれこれ書き直すために。

【消える言葉を刻む】リアリティフィクション、冷たい熱いどちらか分からない僕、青春は夜空に打ち上がる、最初より最後が記憶に残るのは何故、予報が外れて立ち尽くすと傘の優しさを知り、いつか会おうを信じた。朧げな君のロングトーンが海まで届く頃、人や物はなくなってしまうから進行形の現在を。