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「人生の経営戦略」を読んで

「人生の経営戦略」を読んで

山口周さんの『人生の経営戦略』をじっくりと時間をかけて拝読しました。

山口さんの考え方には常に学ぶべきものがあり、できる限り学びたい(=真似たい:本書293ページ参照)と思っています。

本書は、経営学のさまざまなコンセプトを、人生を生き抜くための戦略(ライフ・マネジメント・ストラテジー)として活用し、迷うことなく良い方向へ進むための指針を示すものです。

私自身、経営戦略のコンセプトが人生にも

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「ビジネスの結果が変わるN1分析」を読んで

「ビジネスの結果が変わるN1分析」を読んで

西口一希さんの12月出版の新刊を読みました。

2019年に出版された『顧客起点マーケティング』を読んだ際も、「目からうろこ」の発見が多くありました。その後も、日経クロストレンドなどでの発信を追いかけながら、N1分析や5segs、9segsのフレームワークを実践してきました。本書を読むことで、それらのフレームワークの活用に対する解像度をさらに高めることができたと感じています。

先日、紀伊國屋書店

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「森岡毅 必勝の法則」を読んで

「森岡毅 必勝の法則」を読んで

今年1冊目のビジネス書として、森岡毅さんが率いるマーケター集団「刀」についての本を読みました。ちなみに、今年は50冊のビジネス書を読むという目標を立てています。1ヶ月以上かかるようなビジネス専門書に取り掛かることもあるため、50冊はかなり大きな目標ですが、しっかり達成しようと思います。

本書は、2023年12月4日号の日経ビジネス特集記事を加筆修正したものです。日経ビジネスの記事も読んでおり、そ

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「ツバキ文具店」@Audible

「ツバキ文具店」@Audible

小川糸さんの小説に触れるのは今回が初めてです。

Audibleで聴きました。朗読が多部 未華子さんです。数年前にNHKでドラマ化された際に主人公の鳩子を演じられたそうで、イメージにぴったりだと思いました。朗読の声も小説全体の雰囲気に溶け込むようで世界の中に引き込まれました。

鳩子は鎌倉の小さな文具店で他人の依頼で手紙を書く代書屋を先代(祖母)から引き継いで営んでいます。いろんな代書の依頼を受け

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「「わかりやすさ」を疑え」を読んで

「「わかりやすさ」を疑え」を読んで

ニッポン放送アナウンサーの飯田浩司さんの著書『「わかりやすさ」を疑え』を読みました。

この本を手に取ったのは、普段からradikoなどで飯田アナウンサーの声を聞くことが多く、彼の政治や社会ニュースに対する深い知識と鋭い切り口にいつも感心していたからです。また、政治家のモノマネが非常に上手で、ユーモアな一面にも好感を持っていたことがきっかけです。

本書では、最近の新聞やテレビで報じられるニュース

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「バリ山行」を読んで

「バリ山行」を読んで

芥川賞受賞作の「バリ山行」を読みました。
「バリ」というのは登山用語で「バリエーション」の略で、一般的な登山道を歩くのではなく、変化をつけて道になっていないような場所を登っていくことを指します。当然、非常に危険です。六甲山のような低い山でも、一つ間違えれば命の危険すらあります。そんな「バリ」を決行する先輩社員のことが気になる主人公が勤める企業の不穏な状況と、その不安が重なり合うというストーリーです

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「Dark Horse 好きなことだけで生きる人が成功する時代」を読んで

「Dark Horse 好きなことだけで生きる人が成功する時代」を読んで

私のように人生を回り道をしている人が読むと、すごく勇気が与えられる本なのではないかな、と思いました。

この本はハーバード大学の教育大学院の研究チームによって書かれたものです。

ダークホースとは、ご存知の通り、競馬などのレースで本命ではない「大穴」のような存在のことです。人生における本命馬と言われる人は、子供の頃から成績優秀で、有名高校、大学を経て、高収入と名声が約束された職業に就き、人生の階段

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「六月のぶりぶりぎっちょう」を読んで

「六月のぶりぶりぎっちょう」を読んで

週末に万城目学さんの新刊「6月のぶりぶりぎっちょう」を読みました。

本作は、直木賞作品の「8月の御所グラウンド」のシリーズ第2弾にあたります。

「8月の御所グラウンド」が私にとっては万城目作品で最初に読んだ本ですが、すっかり好きになり、その後、Audibleで「鴨川ホルモー」と続編の「ホルモー六景」を聞き、現在も「ヒトコプラダ層」を聴いています。

今まで私が読んだきた小説とは随分とジャンルは

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「俺たちの箱根駅伝」を読んで

「俺たちの箱根駅伝」を読んで

週末に「俺たちの箱根駅伝」を面白くて一気読みしてしまいました。

池井戸潤さんは、なぜこんなにも心が奮い立つ言葉でストーリーを綴ることができるのでしょうか?本当に夢中になって読みました。

これは、箱根駅伝の学生連合という、あまり注目されない寄せ集めのチームの物語です。

各ランナーにはそれぞれ心の葛藤や壁がありますが、箱根を必死で走ることでそれが美しく解決されていきます。駅伝を放送するテレビの中

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「成瀬は天下を取りに行く@Audible」感想

「成瀬は天下を取りに行く@Audible」感想

本屋大賞で話題の「成瀬は天下を取りに行く」をAudibleで聴きました。

本屋さんで何度か「読もうかな」って思いつつ手を出しそびれていたのですが、Audible会員が無料で聴けるようになり、それではということで聴くことにしました。

最初、走りながらに聴き始めましたが面白すぎて続きが気になり電車の中でも聴いているときに思わず吹き出してしまったりしながらあっという間に聴き終わりました。

聴き終わ

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「かたちには理由がある」を読んで

「かたちには理由がある」を読んで

プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの「かたちには理由がある」を読みました。

デザインには興味があります。

とは言っても、絵を描くわけでもうまいわけでもないですし、どちらかと言えば子供の時から美術は苦手でした。

今もせいぜいやることとしたらプレゼンの資料作成の時に、見やすくならないかなぁと工夫はしたりするんですけど、結局、時間がないとありきたりな箇条書きとグラフとちょっと拾い画像とかでビジュア

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「八月の御所グラウンド」を読んで

「八月の御所グラウンド」を読んで

「しょうしゃはほっぺにたまひでのままのちゅうがもらえる」

これをひらがなで書いてしまうワードセンスに声を出して笑ってしまいました。

直木賞作品ということで万城目学さんの小説をはじめて読ませていただきました。

普段からできるだけ小説も読みたいとは思っているんですけど、他にも読みたい本が多くて、受賞作品とかでないとなかなか目が行かないので本屋大賞や直木賞が読むきっかけになってくれています。

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「実践 仕掛学」を読んで

「実践 仕掛学」を読んで

大阪大学で仕掛学の教えている松村真宏先生の「仕掛学」の続編である「実践 仕掛学」を読みました。

実践編ということで、ページの半分以上を著者と教え子たちが実際に行った45の実例に割いています。成功例だけでなく予期しない結果となったものも紹介されていますので、仕掛を取り入れてみたいと思っている場合には多いに参考になると思います。

仕掛学とは、つい行動してしまうきっかけを作る仕掛けを体系的にまとめた

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「林陵平のサッカー観戦術」を読んで

「林陵平のサッカー観戦術」を読んで

サッカー観戦が好きで、よくJリーグの試合を見にスタジアムに行きます。

日本代表の試合もよく応援に行っています。(先週も国立競技場にいました)

地元のJリーグのファンクラブにも入っていてホームの試合の日は毎試合のように応援に行っています(自転車で行ける距離にあるので)。

ただ、経験者ではないので正直な話、サッカーの詳しい戦術のことを理解しているとはいえないです。解説の話を聞きながらなんとなくわ

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