白玉緑地

のんびりすること、銭湯、純喫茶、歴史地図、あざらしが好きです。

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記事一覧

家族の物語に埋もれて(後編)

(前編はこちら) 「両親のような人生」をようやく手に入れた僕は、「両親を超える人生」を志向し始めた。 そこには大きな問題があった。 これまで「両親のような人生」…

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13時間前
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家族の物語に埋もれて(前編)

ひとりの人生から「家族」による影響を差し引いたら、いったい何が残るのだろう? 人生って、家族がずっと紡いできた物語に、自分の章をひとつ書き足すようなものかもしれ…

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13時間前
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【街記録】高円寺 北口 2024/10/2

訪問日時:2024年10月2日(水)19〜20時ごろ 高円寺駅 1922年(大正11年)開業。 隣の阿佐ヶ谷駅も同じタイミングで開業している。 建物がひしめくように立ち並ぶ現在と…

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3週間前
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【街記録】下北沢 2024/9/13

下北沢駅改札付近 ホーム(井の頭線) 北口エリア小田急線 地下化後の線路跡地 小田急線 地下化(東北沢〜世田谷代田間)は2013年3月で、既に10年以上経過している。

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1か月前
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変わり続ける街の現在地にて

生まれてこの方30年以上ずっと東京で暮らしてきた。 「地元はどこ?」と聞かれたら、「東京」だと自信を持って答えるだろう。 しかし、「一番よく知っている街は?」と聞か…

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1か月前
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浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

山田太一の「異人たちとの夏」を読んだ。 初版発行は1987年とかなり昔に出た話である。 妻子と離婚したばかりの40過ぎのシナリオライターの男と異人たちとの交流を描いた…

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3か月前
8

父が倒れた日のこと

父親と腹を割って話せないまま15年が経った。 決定的な決裂があった訳ではない。 15年前に父親が脳出血で倒れてしまったのだ。 当時、俺は中学3年生で、父親は42歳だった…

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4か月前
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中央線と人生のゆらぎ

月曜朝の中央線は最低だ。 すし詰めの電車に人がどんどん詰め込まれる。 1週間の仕事のスタートを前に、乗客の顔はみな一様に暗い。車内にはどんよりと憂鬱な空気が立ち込…

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4か月前
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可能性と限界の狭間で

渡る世間は「夢」ばかり「人生には無限の可能性が広がっている」 「自分の目指す夢に向かって成長しよう」 これまでの人生で、自己実現を軸に「可能性」と「成長」の話を…

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4か月前
7

メモで自分を見える化しよう📝

メモの習慣を始めよう日常の出来事をメモする習慣を2年間続けています。方法は簡単で、その日の出来事を1つか2つ、 クラウドメモアプリに書き留めるだけです。 これは日記…

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4か月前
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家族の物語に埋もれて(後編)

家族の物語に埋もれて(後編)

(前編はこちら)

「両親のような人生」をようやく手に入れた僕は、「両親を超える人生」を志向し始めた。

そこには大きな問題があった。
これまで「両親のような人生」を手に入れるために頑張ってきたのだが、そのためには両親の歩んできた人生をただなぞるだけでよかった。
これから「両親を超える人生」を手に入れるためには、まず「両親を超える」とはどういうことなのか?を定義する必要があった。そのためには、自分

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家族の物語に埋もれて(前編)

家族の物語に埋もれて(前編)

ひとりの人生から「家族」による影響を差し引いたら、いったい何が残るのだろう?

人生って、家族がずっと紡いできた物語に、自分の章をひとつ書き足すようなものかもしれない。両親や祖父母、もっと前の世代の人たちが織りなす壮大なストーリーに、自分が新しく登場して、物語の方向をちょっと変えてみる。どこまで変えられるかは、自分の腕次第ってところだ。

でも、僕自身を振り返ってみると、どうも他の登場人物に振り回

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【街記録】高円寺 北口 2024/10/2

【街記録】高円寺 北口 2024/10/2

訪問日時:2024年10月2日(水)19〜20時ごろ

高円寺駅
1922年(大正11年)開業。
隣の阿佐ヶ谷駅も同じタイミングで開業している。

建物がひしめくように立ち並ぶ現在とは異なり、開業当時は東京の郊外エリアだったが、開業翌年の1923年(大正12年)の関東大震災を契機に、東京の西側方面に移り住む人が急増し、その受け皿となったエリアである。

高円寺駅の高架化は1964年とかなり早い時期

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【街記録】下北沢 2024/9/13

【街記録】下北沢 2024/9/13

下北沢駅改札付近

ホーム(井の頭線)

北口エリア小田急線 地下化後の線路跡地

小田急線 地下化(東北沢〜世田谷代田間)は2013年3月で、既に10年以上経過している。

変わり続ける街の現在地にて

変わり続ける街の現在地にて

生まれてこの方30年以上ずっと東京で暮らしてきた。
「地元はどこ?」と聞かれたら、「東京」だと自信を持って答えるだろう。
しかし、「一番よく知っている街は?」と聞かれたら「東京」と答えることができるかどうか自信が持てない。

東京の街は再開発による変化が激しすぎるからだ。
たとえ慣れ親しんだ街であっても、再開発で大きく変貌を遂げ、知っているはずの街の姿がガラリと変わってしまうのだ。

個人的に変化

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浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

山田太一の「異人たちとの夏」を読んだ。
初版発行は1987年とかなり昔に出た話である。

妻子と離婚したばかりの40過ぎのシナリオライターの男と異人たちとの交流を描いた物語である。
ここでいう異人とは、死者のことだ。

独り身になり孤独な日々を送る男は、ある日浅草で両親と再会する。両親は男が12歳の時に交通事故で若くして亡くなっていた。だが、両親は若い時の姿のまま現れる。男は死別した筈の両親の住む

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父が倒れた日のこと

父が倒れた日のこと

父親と腹を割って話せないまま15年が経った。

決定的な決裂があった訳ではない。
15年前に父親が脳出血で倒れてしまったのだ。
当時、俺は中学3年生で、父親は42歳だった。

その日は冬のよく晴れた日だった。

授業を受けていた時、古文の先生が突然教室に入ってきて、俺の名前を読んだ。教室を出てから、わーっと矢継ぎ早に話をされた。咄嗟のことでよく事態が呑み込めなかった。普段は喋り方がゆっくりで、何を

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中央線と人生のゆらぎ

中央線と人生のゆらぎ

月曜朝の中央線は最低だ。
すし詰めの電車に人がどんどん詰め込まれる。
1週間の仕事のスタートを前に、乗客の顔はみな一様に暗い。車内にはどんよりと憂鬱な空気が立ち込める

武蔵境を出て、車内の息苦しさがピークに達するころ、三鷹駅手前の跨線橋の柵に書かれた落書きが一瞬目に入る。

"YOU ARE SO BLUE"

仕事に向かう通勤客を嘲り笑うようなその文字列を見ると、俺は思わず頬がふっとゆるんで

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可能性と限界の狭間で

可能性と限界の狭間で

渡る世間は「夢」ばかり「人生には無限の可能性が広がっている」
「自分の目指す夢に向かって成長しよう」

これまでの人生で、自己実現を軸に「可能性」と「成長」の話を何回聞かされたことだろう。

学生の時には「将来の夢」を事あるごとに聞かれた。折に触れて「君たちの目の前には無限の可能性が広がっている」との話を語られた。

就職活動では、「ウチの会社でやりたいことは何か?」「10年後はどうなっていたいか

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メモで自分を見える化しよう📝

メモで自分を見える化しよう📝

メモの習慣を始めよう日常の出来事をメモする習慣を2年間続けています。方法は簡単で、その日の出来事を1つか2つ、
クラウドメモアプリに書き留めるだけです。

これは日記のようなものですが、気軽に続けていきたいので、「メモを書く」くらいの感覚でやっています。

メモを続けると、習慣化されていきます。
次第に「これもメモしよう」という場面が増え、1日に自分が書くメモの量も自然と増えていきます。

メリッ

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