白玉緑地

のんびりすること、銭湯、純喫茶、歴史地図、あざらしが好きです。

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最近の記事

家族の物語に埋もれて(後編)

(前編はこちら) 「両親のような人生」をようやく手に入れた僕は、「両親を超える人生」を志向し始めた。 そこには大きな問題があった。 これまで「両親のような人生」を手に入れるために頑張ってきたのだが、そのためには両親の歩んできた人生をただなぞるだけでよかった。 これから「両親を超える人生」を手に入れるためには、まず「両親を超える」とはどういうことなのか?を定義する必要があった。そのためには、自分固有の価値観に照らして考えることが求められた。 これまで両親のコピー人生を歩んで

    • 家族の物語に埋もれて(前編)

      ひとりの人生から「家族」による影響を差し引いたら、いったい何が残るのだろう? 人生って、家族がずっと紡いできた物語に、自分の章をひとつ書き足すようなものかもしれない。両親や祖父母、もっと前の世代の人たちが織りなす壮大なストーリーに、自分が新しく登場して、物語の方向をちょっと変えてみる。どこまで変えられるかは、自分の腕次第ってところだ。 でも、僕自身を振り返ってみると、どうも他の登場人物に振り回されるばかりで、物語を変えるどころか、ただ流されていたような気がする。 それも

      • 【街記録】高円寺 北口 2024/10/2

        訪問日時:2024年10月2日(水)19〜20時ごろ 高円寺駅 1922年(大正11年)開業。 隣の阿佐ヶ谷駅も同じタイミングで開業している。 建物がひしめくように立ち並ぶ現在とは異なり、開業当時は東京の郊外エリアだったが、開業翌年の1923年(大正12年)の関東大震災を契機に、東京の西側方面に移り住む人が急増し、その受け皿となったエリアである。 高円寺駅の高架化は1964年とかなり早い時期に進められている。 北口 駅ホーム 高円寺純情商店街 「純情商店街」の名前

        • 【街記録】下北沢 2024/9/13

          下北沢駅改札付近 ホーム(井の頭線) 北口エリア小田急線 地下化後の線路跡地 小田急線 地下化(東北沢〜世田谷代田間)は2013年3月で、既に10年以上経過している。

        家族の物語に埋もれて(後編)

          変わり続ける街の現在地にて

          生まれてこの方30年以上ずっと東京で暮らしてきた。 「地元はどこ?」と聞かれたら、「東京」だと自信を持って答えるだろう。 しかし、「一番よく知っている街は?」と聞かれたら「東京」と答えることができるかどうか自信が持てない。 東京の街は再開発による変化が激しすぎるからだ。 たとえ慣れ親しんだ街であっても、再開発で大きく変貌を遂げ、知っているはずの街の姿がガラリと変わってしまうのだ。 個人的に変化の激しさを1番強く感じるのは渋谷だ。100年に1度の再開発と呼ばれるほど、渋谷の

          変わり続ける街の現在地にて

          浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

          山田太一の「異人たちとの夏」を読んだ。 初版発行は1987年とかなり昔に出た話である。 妻子と離婚したばかりの40過ぎのシナリオライターの男と異人たちとの交流を描いた物語である。 ここでいう異人とは、死者のことだ。 独り身になり孤独な日々を送る男は、ある日浅草で両親と再会する。両親は男が12歳の時に交通事故で若くして亡くなっていた。だが、両親は若い時の姿のまま現れる。男は死別した筈の両親の住む浅草の路地裏にあるアパートに通い、心温まる団欒の一時を過ごすようになる。少年の頃

          浅草ノスタルジア 両親との幸福な記憶

          父が倒れた日のこと

          父親と腹を割って話せないまま15年が経った。 決定的な決裂があった訳ではない。 15年前に父親が脳出血で倒れてしまったのだ。 当時、俺は中学3年生で、父親は42歳だった。 その日は冬のよく晴れた日だった。 授業を受けていた時、古文の先生が突然教室に入ってきて、俺の名前を読んだ。教室を出てから、わーっと矢継ぎ早に話をされた。咄嗟のことでよく事態が呑み込めなかった。普段は喋り方がゆっくりで、何を考えているのかよくわからない先生だったので、血相を変えて早口で喋る様子に、只事で

          父が倒れた日のこと

          中央線と人生のゆらぎ

          月曜朝の中央線は最低だ。 すし詰めの電車に人がどんどん詰め込まれる。 1週間の仕事のスタートを前に、乗客の顔はみな一様に暗い。車内にはどんよりと憂鬱な空気が立ち込める 武蔵境を出て、車内の息苦しさがピークに達するころ、三鷹駅手前の跨線橋の柵に書かれた落書きが一瞬目に入る。 "YOU ARE SO BLUE" 仕事に向かう通勤客を嘲り笑うようなその文字列を見ると、俺は思わず頬がふっとゆるんでしまう。 自分の心の内側を見事に言い当てられた感じがしたからだ。 休み終わりの

          中央線と人生のゆらぎ

          可能性と限界の狭間で

          渡る世間は「夢」ばかり「人生には無限の可能性が広がっている」 「自分の目指す夢に向かって成長しよう」 これまでの人生で、自己実現を軸に「可能性」と「成長」の話を何回聞かされたことだろう。 学生の時には「将来の夢」を事あるごとに聞かれた。折に触れて「君たちの目の前には無限の可能性が広がっている」との話を語られた。 就職活動では、「ウチの会社でやりたいことは何か?」「10年後はどうなっていたいか?」と 色んな会社の面接で質問を受けた。 新卒で働き始めてからも状況は変わらず

          可能性と限界の狭間で

          メモで自分を見える化しよう📝

          メモの習慣を始めよう日常の出来事をメモする習慣を2年間続けています。方法は簡単で、その日の出来事を1つか2つ、 クラウドメモアプリに書き留めるだけです。 これは日記のようなものですが、気軽に続けていきたいので、「メモを書く」くらいの感覚でやっています。 メモを続けると、習慣化されていきます。 次第に「これもメモしよう」という場面が増え、1日に自分が書くメモの量も自然と増えていきます。 メリット:自分を見える化するメモを続けるうちに、思わぬメリットが見えてきました。それは

          メモで自分を見える化しよう📝