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記事一覧
『池上彰の宗教がわかれば世界が見える(著:池上彰)』〜ニュースを深掘りする鍵は宗教にあり。宗教がもたらす政治と社会の隠れた影響力
【内容】仏教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教についての解説、及び7人の宗教家や思想家など第一人者にインタビューした本。
【感想】宗教と政治、その交錯点を見つめる
麻生太郎氏が総理大臣に就任した際、海外では「日本初のクリスチャン総理大臣の誕生」と報じられたことをご存じでしょうか?
日本国内ではほとんど触れられることのなかった視点ですが、欧米圏では政治家の宗教が大きな注目を集める重要な要素だとさ
『こころ』(著:夏目漱石)〜百年の時を超えて、永遠の引きこもりの先生の「こころ」について
※ネタバレします。
【内容】
引き篭もりの「先生」と大学生の「私」との交流と、その後、「私」に送った「先生」が自殺に至る経緯をまとめた長い遺書で終わる小説。
【感想】
学生時代から何度か挑戦しつつも挫折を繰り返し、干支が二巡以上する期間を経て、ようやく『こころ』を読み切りました。
調べてみると、『こころ』は2016年時点で新潮文庫版が718万部を発行し、日本の文庫で最も売れているとのこと。文庫
『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる(著:清水忍)』〜食事が9割、無理なく続くダイエット法
【内容】
トレーナーである著者が、太らない身体になることを目指すダイエットの方法論を解説した本。
【感想】
言われてみれば確かにといった常識論を丁寧に解説しながら、結果として説得力のある方法論に落とし込んだ本でした。
最近、加齢もあって以前と同じ生活をしていても、太りやすい体質に変わって来たこともあり、手に取ってみた本なのですが…
とにかく書いてあることが、論理的で、具体的でした。
例えば男性
『教養としての生成AI(著:清水亮)〜生成AIについて、生成AIと書いた、生成AIの本
【内容】
生成AIの成り立ちと現状、その活用方法を説いた本。
【感想】
この本は、生成AIを活用して、わずか10時間で第1稿を書き上げた作品とのことでした。
生成AIサービスであるGPT-4に文章を書かせ、その結果に著者が手を加える形で、AIとの対話を通じて執筆を進めたそうです。そのプロセスを経たからこそ、著者はすでに生成AIを巧みに使いこなしており、AIについての記述にも実感や皮膚感覚のような
『ありえない仕事術(著:上出亮平)〜“ビジネス書”の顔をした物語——読後に残るモヤモヤの正体
※ネタバレします。
【内容】
「ハイパーハードボイルドグルメリポート」などの番組を作っているテレビディレクターによる仕事術ぽく作ったモキュメンタリー本。
【感想】
この本の「仕掛け」を知らずに読み始めたのですが、途中からフィクション色が強くなっていきました。著者が取材相手であるALS患者と接する中で、その患者から自殺の手助けを依頼される展開が描かれていきますが、実名で著者が登場するビジネス書風
『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る(著:ぱやばやくん)〜自衛官が語る!極限状態で使えるストレス管理と考え方
【内容】
元陸上自衛隊の著者が、人気Xの呟きを加筆修正した自衛官時代に学んだ人生訓をまとめた本。
【感想】
自衛官だからこそ語れる、効果的で効果のある方法や考え方が紹介されていた本でした。
実際に被災地や戦場といった極限状態に置かれることが想定される職業の人たちは、どのように考え、行動しているのか、その一端を垣間見ることができました。
特に説得力があったのは、米軍で実践されているストレス管理の方
『あなたのあらゆる「困った! 」がなくなる 「ADHD脳」と上手につき合う本(著:司馬理恵子)〜ADHDかも?読んで気づいた自分との向き合い方
【内容】
年齢のわりに注意欠如や多動症といった症状の出るADHDの対処の仕方をわかりやすく解説した本。
【感想】
自分にADHDの傾向があるかもと思い、この本を読んでみました。しかし、紹介されている症状は自分の想像をはるかに超えており、「ここまではひどくないかな」と安心しつつ、ADHD的な傾向を言い訳にしていた面があったことにも気づかされました。
読んでいくうちに、仕事を後回しにして周囲に迷惑を
『たとえる技術(著:せきしろ)』〜 ××の始末ができないアイドル!? 『例える』で表現力は磨かれる!
【内容】
「たとえ」をテーマにした文章作成の解説本。
【感想】
「トイレの始末の出来ないアイドル」
これは、「アイドル」を例える手法を解説する中で登場するフレーズの1つ。
「アイドル」を、視点を変えながら女性、人間、生き物、動物、お伽話と広げていくなかで、「トイレの始末の出来ないペット」を「アイドル」に置き換えただけで、強烈な印象を与える表現が生まれるという話は、興味深いと感じました。
また、
『ピカレスク(著:猪瀬直樹)』〜太宰治の人生を調べ尽くし、実像に迫った力作
【内容】
小説家の太宰治の生涯を、新事実を織り交ぜながら描いた大著。
※ネタバレ(?)します。
【感想】
太宰治という人物だけでなく、彼の周辺にいた作家や人物、そして時代全体を描き切ろうとした一冊で、大作ならではのスケールでしか描けない世界が広がっていました。
この本は、行方不明になった太宰の顛末から始まります。しばらくして、玉川上水で彼の遺体が発見されるのですが、その辺りはよく水死体が引っか
『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる(著:齋藤孝)〜齋藤孝先生が教える、新しい時代のコミュニケーション術
【内容】
様々な本やテレビ番組などで活躍している齋藤孝によるコミュニケーション術をまとめた本。
【感想】
学生時代、こんな先生に教えてもらいたかった…そんなことを思いながら読みました。
今年出版されたばかりの本で、現役の大学教授として生徒に教えている著者ならでは、今生きる人々に向けたコミュニケーション術の本でした。
著者の豊富な経験に基づいたコミュニケーション術は、コロナ禍で変化した私たちの
『27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」(著:青木仁志)〜自己啓発的話し方の解説本
【内容】
話し方のトレーナーをやっている著者による話し方に関する解説本。
【感想】
話し方のトレーナーのテクニック本というより、モチベーションを高める自己啓発書のような印象を受けました。
具体的なトーク術の紹介に加え、読者に『やればできる』という自信を与えようとする姿勢が強く感じられます。
ただし、2011年出版ということもあり、内容はやや古く、今となっては一般的なテクニックが中心になっているよ
『レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方(著: 蛯谷 敏)〜レゴの秘密、世界を魅了するブロックの物語
【内容】
世界最大の玩具メーカーLEGOブランドについての本。
【感想】
子供の頃からレゴブロックで遊ぶのが大好きで、作り出すと親も呆れるほど集中してレゴで遊んでいました。
本書は、レゴ社の創設から現在までの歴史を詳細にたどっており、特にコロナ禍における成長や、日本の企業との関わりなど、新たな発見がたくさんありました。
中でも興味深かったのは、レゴ社がファンコミュニティのアイデアを積極的に取り入
『ともぐい(著:河崎秋子)』〜『老人と海』×『ロッキー』×『血と骨』
※ネタバレします。
【内容】
明治の北海道を舞台に、猟師の熊爪と他所の領地からやってきた熊との対決を描いた第170回直木賞受賞作。
【感想】
この小説の印象は、以下のようなものでした。
『老人と海』(山版)×『ロッキーシリーズ』(人間vs熊)×『血と骨』(終盤展開)
要するに、老漁師と巨大な魚との壮絶な闘いを描いた『老人と海』のような孤独な男と獣との対決を軸に、ボクシング映画『ロッキー』シ
『文芸オタクの私が教える バズる文章教室(著:三宅香帆)』〜「バズる」文章の解剖学:読解力と分析力で紐解く、文章力の秘密
【内容】
文豪の小説からブロガーの記事、広告のコピーまでと様々な文章を取り上げ、著者ならではの解説と、「バスる文章」の手法を抽出した本。
【感想】
この本は、目につくあらゆる文章を参考にし、その中から「バズる」要素を抽出しているもので、読解力だけでなく、それを優れた分析力で具体的な手法に落とし込んでいる良書だと感じました。
これまで文章作成術に関する本をいくつか読んでいるのですが、読みやすさや理