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『機嫌のデザイン(著:秋田道夫)』〜「穏やかなデザイン」に秘められた力ーー名言集から見える人生の蓄積
【内容】
プロダクトデザイナーでXで人気の著者に対してインタビューしたものをまとめた本。
【感想】
「既に飽きられているものは、飽きられない」
「ロングライフに耐えられるものは、穏やかなデザイン」
こうしたプロダクトデザイナーの視点から生まれた名言をX(旧Twitter)で発信したところ、バズったことで注目され、その言葉をまとめた名言集が出版されました。さらに今回、その名言を掘り下げたインタビュー形式の本が新たに出版されていました。
本の写真に写る著者は非常に若々しく、60歳前後かと思いきや、実際には71歳とのこと。その人生経験の蓄積が、彼の言葉の重みをさらに深めているのだと感じました。
また、著者が注目を集める理由には、次の2つの傾向があるのではないかと考えました。
1つ目は、人生経験を反映させた言葉の力。一昔前、小池一夫がXで発信したツイートがバズった時期がありました。分野で頭角を現した人物が、その人生経験や視点を言葉に落とし込むことで、多くの人に響くような力を持つことがあると感じます。
2つ目は、デザイナーや建築家の言葉の説得力。亀倉雄策をはじめとするデザイナーや建築家たちが語る言葉には、非常に説得力があります。この本の中でも著者は建築家からの影響について語っており、改めて建築家が文章を書いたり、言葉で考えを伝えたりすることが大きな仕事の一環であることに気づかされました。
著者の言葉には、デザインの本質だけでなく、長年の経験から得た哲学や洞察が込められており、その深みが多くの人を惹きつけているのだと感じました。
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