記事一覧
伝説の暴力教師、三井朗
三井はキレる前にニタァ〜っと笑う癖があった。少し吃りながら、
「山田ァ、おっ、おっ、お前」
来る!
胸ぐらを思い切り掴み上げられ、電光石火のビンタが炸裂。音が派手に響きわたる。めちゃくちゃ痛いが、ホッペが赤くなる程度で病院に行くほどではない。
そのまま、机に仰向けに押し倒して、おでこがくっつきそうな位の距離で怒鳴り散らす。
まるでアメリカのポリスの制圧術だ。
三井はポリスではない。看守でもない。
シモキタ、エレカシ(後編)
宮本浩次はギターの石君に向かって、実に冷たく、
「じゃ、ファイティングマン」
と言い放った。
石君がガニ股で、ギターをかき鳴らす。
ディストーションの効いた、乾いた音。
あまりエレカシに明るくない僕でも知っている、例のリフだ。
宮本は目ん玉ひん剥いて、拳をブンブン振りながら叫んだ。
「ぶぇいびぃ!ふぁいてぃんぐメぇァァァン!」
ライブは見慣れているであろう、下北の若者たちが固唾を飲
シモキタ、エレカシ(前編)
2000年代半ば、場所は下北沢CLUB Que。
当時僕らの仲間内でも、特に勢いがあったバンド、パイナップルフリーウェイ、(通称パイフリ)のボーカル、シン君は口元で(シーッ)と人差し指を立てながら、声を潜めて僕らに言った。
「ナイショだけど今日、、、最後にエレカシ出るからね」
うん、、、知ってる。
だって、1週間ほど前、パイフリのギターの田村君から、直接電話があって「ナイショだけどエレカシ出る