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「聴くこと書くこと生きること」学びnote

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#コラム

稀人ハンターコラム「マニアック質問の効果」

稀人ハンターコラム「マニアック質問の効果」

僕は「稀人ハンター」という肩書で、日本中の「稀な人」を発掘し、取材して人生を深掘りする記事を書くことを生業にしている。

取材の成否を左右するのは、事前の準備。限られた時間を無駄にしないよう過去の記事をチェックし、その人の歩みを時系列にまとめる。

ポイントは、どこまで細かな情報を押さえるか。長い間、特に基準はなかったけど、珍しく依頼を受けた著名人のインタビューがきっかけで、ある目標を定めた。

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「市井の人たち」を描きつづける上原隆さんにノンフィクションの取材について聞きました。

「市井の人たち」を描きつづける上原隆さんにノンフィクションの取材について聞きました。

たえがたき「ある一日」を紡ぎつづける作家の話「後編」です

なんてヒドいことを聞いてしまったのか?
長いインタビューの間に、質問したあと自身で「ああ…」とうなだれることがあるという。
読者としても、このひとは、すごいことを聞くんだなぁと思う。
しかし、そのヒドい質問ナシには人物記は芯を欠いたものになる。
そうしたスリリングなやりとりが、上原さんの短編コラムの魅力でもある。

聞き手・文=朝山実

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たえがたき「ある一日」を紡ぎつづける作家の話

たえがたき「ある一日」を紡ぎつづける作家の話

聞き手・文=朝山実
写真=山本倫子(モノクロメモは朝山実)

コラムノンフィクションの第一人者、上原隆さんに話を聞きました。その前編です。

 わたしが書店営業をしていた頃にボブ・グリーンやピート・ハミルがベストセラーになったことがありました。ほろ苦さやこころ温まる話で、ノンフィクションであること、主人公は市井の人物であること、短編であること、視点と筆致に特色がありました。沢木耕太郎の本もよく読ま

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センスを育むために必要なもの

センスを育むために必要なもの

『 "読む"ができる人は必ず "書く"もできる』

これは私の中で確信していることのひとつです。

そしてこの考え方の根底にあるのは、センスはインプットとアウトプットの総量によって育まれるということ。

たくさん読んできた人は、自分の中に独特のリズムと美意識を形成しているので、いきなり書かせてもリズム感のある文章を作ることができます。

そして漢字とひらがなのバランスや語尾のバリエーションなど、何

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「ライター」と名乗るのがこわい

「ライター」と名乗るのがこわい

大手出版社が運営するメディアで、連載が始まった。ライター業を始めた約1年前からは考えられない状況にいる。

いつもSNSで「こわい!」「ふるえる!!!」とワーワー騒いでいるように、怖い。今、怖くてたまらない。こんなことを書いたら仕事がなくなるかもしれないけれど、自分のこんがらがった思考をほぐすべく、書きたいと思う。しかも長い。

このnoteをひとしきり書いたあとに拝見した、燃え殻さんのインタビュ

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ライターとエッセイスト(コラムニスト)。筆力が必要なのは、どちら?

ライターとエッセイスト(コラムニスト)。筆力が必要なのは、どちら?

今から書くことは、ひょっとしたら、物書き業界では自明のことなのかもしれない。おいおい、さとゆみ、今さらそんな話? ってことかもしれない。でも、私が昨年いっちばん驚いたことだったので、書き残しておいていいですか。

拙著、『書く仕事がしたい』にも書いた話だけれど、私はそれほど筆力が高い(つまり原稿が上手い)書き手ではないと思っている。これは謙遜ではなくて、周りの同業者を見渡して、わりとフラットにそう

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「人は記事をちゃんと読まない」からはじまる意識改革

「人は記事をちゃんと読まない」からはじまる意識改革

仕事柄、日々投稿されるたくさんの記事を読みます。あたらしい視点をもらえる記事に出合えるとうれしくなる一方、もっとこうしたらいいのにな…と思ってしまうものもあります。

後者で感じるのは、書き手と読み手の「読む」に対する温度差を意識できていないことです。

基本的に、書き手は「記事を全部読んでもらえる」と思っているのに対して、読み手は「興味をひくものがあれば読む」というスタンス。興味をひかれなければ

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心を凪にする。―弁護士に聞く「批判」への考え方―

心を凪にする。―弁護士に聞く「批判」への考え方―

Twitterの通知欄にぽこっと数字がついたので、タップする。誰かが私のnoteをシェアしてくれたらしい。添えられた感想を嬉々として読むと、サーッと心臓が冷えていった。

「殺意が沸く」

私の書いたものを読んだせいで、ひどく気分を害されたようだった。

そのツイートをした人のことを、便宜上「彼」と表現する。

彼が読んだのは、私が一年と半年程前に書いた『「学生時代に戻りたい」なんて言う大人になる

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『読みたいことを、書けばいい。』というパンドラの箱

『読みたいことを、書けばいい。』というパンドラの箱

田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』を読んだ。

最初は本屋でニヤニヤしながら立ち読みして、その2週間後くらいに買ってニヤニヤしながら再読して、その後、ツイッターで田中さんにウザ絡みするようになってまた読んだ。
3回目、腰を据えてじっくり読み、QRコードのリンク先の記事もすべて読み、それ以外の田中さんのインタビューや対談も読んだ。
そして私は戦慄した。

「おいおい、本気かよ」、と。

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一気に読ませる文章を書くための7つのポイント

一気に読ませる文章を書くための7つのポイント

「週刊文春」は、毎週買っている。

 真っ先に読むのが、林真理子さんのコラム「夜ふけのなわとび」だ。時事ニュースに絡めた話や林さんの近況などが書かれているのだが、これがおもしろい。

 なんてことのない文章のように見えて、一気に読ませてしまう魔力を持っている。他の人のコラムもいろいろあるが、林さんのだけは途中で飽きるようなことはまずない。

 そのおもしろさのポイントを僭越ながら分析してみた。

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これから重要になる "バズらない力"

これから重要になる "バズらない力"

昨日、NewsPicksで佐渡島さんのコミュニティに関する記事がアップされていました。

この記事の中で特に印象的だったのが「大ヒットしないように気をつける」という話。

私自身、最近あえてバズらない力について考えていたところだったので、自分の考えている方向は間違っていないのだという確信が得られた記事でもありました。

これに関してはNewsPicks上でコメントした後に連続ツイートもしたのですが

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顧客との打ち合わせが上手い人がやっていること

顧客との打ち合わせが上手い人がやっていること

打ち合わせに苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。

私はウェブディレクターとして、これまで数多くの打ち合わせに参加してきましたが、プロジェクトを円滑に進めていくためには、ファシリテーターのスキルによるところが大きいと実感しています。

打ち合わせのスキルについて、新入社員への研修に組み込んでいる会社もあると思いますが、上司や先輩の打ち合わせに同席する中で、見よう見まねで身に付けてきた

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コミュニティに参加して、息を吐くようにアウトプットをしようと思った話

コミュニティに参加して、息を吐くようにアウトプットをしようと思った話

「これは誰かを傷つけるのでは?」
「こういうことを書いたら焦る人がいるのではないか?」

嬉しかったことやよかったことを書くときでさえ、いろいろなことが気になってしまいnoteを書き出してもまとまらない日々。noteの下書きばかりが溜まっていき、今確認したら、145本もあった。

コルクラボって?
数ヶ月前から、佐渡島庸平さん主宰のオンラインコミュニティ「コルクラボ」に参加している。佐渡島さんは編

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